センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
70話 ノーデス!
70話 ノーデス!
「耐えてやる! テメェ(Jジャミ)をノーデスで乗り越えれば、俺は、もう一つ上のステージにいける!!」
ギリギリのせめぎ合い。
漏れたエネルギーの電流が、黒くはじけてほとばしる、物騒な戦場。
高みに達した武のぶつかり合いは――
――結局、
「が……ぁ……」
ジェノサイドタイムが終了し、
ジャミは元の姿に戻り、地面にへたりこんだ。
心が折れたワケではなく、足が完全に動かなくなってしまった。
意志力ではどうにも出来ない、実質的な体力の限界。
「はぁ……はぁ、はぁ……くそ……ジェノサイドタイムを使ったのに……一度も……」
「……殺せなかったな。くく……『本番のジェノサイドタイム』で一度も死ななかったから、『俺』VS『お前』の闘いは完全に俺の勝利って事でいいな」
「ぐぅ……うぅう……」
屈辱にまみれ、口から血を流すジャミ。
回復チートのおかげで、すぐに血は止まるが、また、すぐに流れてくる。
(やった、やったぞ……乗り切った……Jジャミとの闘いで、一度も死ななかった。……凄まじいハイペースできている……ここまでは、最善中の最善……いけるかもしれねぇ……センエースを……奪えるかもしれない……)
歓喜に震えているP型センエース1号の向こう側で、
『へたりこんだジャミの背中』をみたゼノリカの面々は、シーンと静まり返っていた。
「う……そ、だろ……ジェノサイドタイムを使ったジャミまで……負けた」
バロールがボソっとそうつぶやく。
ジャミが辿り着いた世界の遠さを、この場にいる全員が理解している。
ジャミは遠い場所に辿り着いた。
今の九華ではどうしようもない、高みの高み。
そんな高みに達したジャミが、
切札の変身技まで使ったというのに、
P型センエースには、あっさりと負けてしまった。
その絶望は、黒く、広く、深く、ゼノリカの面々を覆い尽していく。
「な、なんなんだよ、あいつ……」
ワナワナと震えているバロール。
そんなバロールに同調するように、カティが、
「なんなの、あいつ! ありえなくない?! あんな速度で強くなるヤツなんて、いてたまるかぁああ!」
叫ぶカティの向こうで、サトロワスが、苦虫をかみつぶしたような顔で、
「まさか、あの者は……本当に……神帝陛下……?」
その発言に、バロールが激昂して、
「おいぃい! サトロワス! お前、自分が何を言っているのか分かっているのか! 神帝陛下が、われわれに攻撃などするはずがないだろぉおお!」
「だが、あの強さ、あの成長速度……そして、無限転生というスキル……あれは、まさしく、聖典で読んだ神の……」
「似たような力を持っていたら全員神帝陛下か?! お花畑な脳味噌しやがってぇ!!」
そこで、テリーヌが、バロールの頭をガツンと殴りつけて、
「落ちつけ、バカ野郎!!」
「アアァアアアン?!」
そこで、テリーヌは、しっかりとバロールの頬を、
バチンッ!
と、しばきあげて、
「本当に……落ちつけ……」
まっすぐに目を見てそう言った。
真摯なその瞳に、
バロールは思わず息をのむ。
「……っ」
気圧されて黙るバロールに、テリーヌは言う。
「世界の安寧のために尽力してきた我々に危害を加えるなど……神帝陛下とは思えない行動だ。私も、あんたと同じで、あのガキのことを神帝陛下だとは思わない。しかし、事実として、聖典に書かれていた神の特徴を有している。その事実を認めずにただ騒いでも、何一つ前には進めない」
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コメント
キャベツ太郎
頑なに認めなかったサトロワスがP型をセンと認め、まさかのテリーヌが一番まともなことを言うとは…
やっぱり話が全然読めないw
先が掴めない