センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

62話 様式美。


 62話 様式美。


「殺さず、封印もせず、ただ物理で捕まえておく……これで終了だ。お前という脅威は終わった。残念だったな」

「はっ、バカが……その思考、愚かし過ぎて、もう笑えねぇな。センエースの脅威が、これで終わりなワケねぇだろ」

「私ごときでは、主を止める事などできるはずもない。だが、貴様は主ではない。貴様はただのクズだ。ならば、力足らずの私でも余裕で止められる」

「うぬぼれてんじゃねぇよ、ザコが。俺からすれば、てめぇも、しょせんは、『養分その1』でしかねぇ」

 言うと、P1は、眉間にしわをよせて、

「――『拘束(物理)なら問題なし』ってその甘い考えは、マジで笑えねぇ。ギャグならともかく、お前の場合、マジだもんな。……まあ、確かに、オーラを固めてつくったリングで拘束するのは、手で掴むのと、たいして違いはねぇからなぁ。属性的には封印とは呼べねぇ。だが、こんなもん、物理で引き千切ってしまえば終了。……うぐぐぐ……」

 力を込めて、リングを壊そうとするP1。
 しかし、

「あ、あれ……おいおい、随分と強いな、おい……ぬ、ぬぎぎぎぎぎ……ぬぅううう」

 いくら力を込めても、

「うぎぎぎぎぎぃい! ぐぬぅうううう!」

 そんなP型センエース1号の様子を、
 ジャミは冷めた目で見つめて、
 ボソっと、

「無駄だ。神気をこめたリングだからな」

 今のジャミは神化を使っている。
 神の領域に届いた者のオーラ。
 当然、破格。
 『まだ神に届いていないバロールたちより強い』というレベルでは対処できない絶対的に膨大な力。


「これが、神の領域だ。不可侵にして絶対の超次世界。主は、その領域の最果てにおられる。それほどの御方の名を騙った罪……ただですむと思うなよ」

 ジャミは、徐々に、リングに神気を込めていく。
 ギュギュっとゆっくりしまっていく。
 その圧力に、

「う、うぐぃいいいい……ぐぬぉおおおおお! いぎぃいいい!」

 P型センエース1号は悲鳴をあげる。
 浮かぶ涙。
 溢れる脂汗。
 だが、ジャミは許さない。

 神を騙った者を、
 ジャミは許さない。

 ――冷たい声音で、ジャミは言う。

「お前の力では、永遠に、その拘束を解く事はできない。無限の苦痛の中で――」





「う・そ★」





 ジャミの言葉を遮るようにそう言いながら、ペロっと舌をだし、
 その後、
 グバチィィッ!
 と、簡単に、『神気を込めたリング』を引き千切ってみせるP型センエース1号。


 P1は、拘束されていた部分を軽くさすりながら、

「ドーナツを使われたら、やっぱり、『利いているフリ』は、やっておかないとな。お約束ってやつだ。様式美ともいう」

「……」

「おいおい、なに驚いた顔してんだよ。こんなギャグ技が、まさか、本気で通用すると思っていたのか? なワケないよな?」

 小馬鹿にしたようなその発言を無視して、
 ジャミは言う。

「……き、貴様のステータスは、『黒猿を使ったバロールと同じくらい』だったはず……」

 P型センエース1号は、既に戦闘力が『現闘のカンスト付近』まで達しているため、
 全力のバロールをも圧倒する事ができた、
 ――が、ステータス的には、黒猿バロールと同程度。

 つまり、まだ、神の領域には達していなかった。
 そして、それは、ほんの数十秒前の話。

 ※ ジャミは、出撃する前に、パメラノと一時的に視覚を共有したため、九華がボコられている様子は全て確認している。
 その際に、P1の能力はだいたい把握した。
 今も、ジャミのプロパティアイは、P1のステータスをデジタルにとらえている。
 P1のステータスでは、絶対にジャミには対抗できない。


コメント

  • キャベツ太郎

    まだ、何故解けたかは分からんがやっぱ裏切ってきてくれるよねw 

    2
コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品