センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
55話 『レミングウェイ・カティ』VS『P型センエース1号』
55話 『レミングウェイ・カティ』VS『P型センエース1号』
「……大量のオーラと魔力を喰うであろう自動蘇生スキルがすでに20回以上発動していながら、ペースがまったく衰えず……どころか、発動するたびに強くなる? そんなふざけたスキルがあっていいのか……まったく……」
苦々しい顔つきでそう呟いたカティを睨みつけて、
P型センエース1号は、
「九華の第九席レミングウェイ・カティ……火力はハンパないが、紙装甲の回避タンク型。最初に対処したかった相手……ここまでの流れは完璧。どうやら、俺は『本物』と違って、かなり『運』もいいらしい。この調子だと、最速で『最果て』に辿りつけるかもなぁ……」
ブツブツと意味不明な事を言っている。
そんなP型センエース1号の前で、カティは、オーラを練り直す。
「……無限に蘇生できるわけがない……すでに20回も殺しているのなら、流石にそろそろ尽きるはず……今は、燃え尽きる前の輝き……そのはず……」
常識を並べていくカティ。
その間に整っていく気血。
カティは、
「とりあえず、10回殺す……足りなければ、100回殺す……それだけの話」
そう呟いてから飛び出した。
両腕にオーラをぶちこんで、P型センエースをボコボコにしようとする。
だが、
「さっきお前に殺されたのは、死角からの不意打ちがキレイに決まりすぎたから、それだけだ……無駄に粘ってきたUV6に大分疲弊させられてもいたしなぁ……ハッキリ言うが、ジャミ以外の九華じゃ、今の俺は、そう簡単には殺せねぇよ」
「ぐぶっ!」
つっこんできたカティに膝でカウンターを入れて、そのままの勢いで、
「お前の武は、すでに死をもって体感した……」
カティの顔面に右の拳を叩きこむ。
強大な一撃。
相当のパワー。
「ぐぁあ!」
吹っ飛ばされるカティ。
空中で停止し、
右手の甲で口元をぬぐう。
血が出ていた。
真っ赤な血。
それを見て、カティは、ギリっと奥歯をかんだ。
「……くそったれ……自動蘇生スキルが面倒なだけじゃなく、普通に強いじゃないか……」
悲痛の声をもらしたカティに、P型センエース1号は言う。
「九華の第九席レミングウェイ・カティ。正直、もう、お前だけじゃモノたりねぇ。さっさと潰して、九華のオカワリをもらう」
言ってから、心の中で、
(……もう、ある程度の強さまできた。ここからは巻きでいかせてもらう。なんせ、『タイムリミットは、あと二時間ほど(センの一次試験における拘束時間)』しかないんでなぁ……のんびりと遊んでいるヒマはねぇんだわ)
そこから、豪速。
P型センエース1号は、迷いのない踏み込みで、カティを制圧していく。
カティも、最初は、それなりに対処できていたが、しかし、次第においつかなくなる。
闘えば闘うほど強くなる、P型センエース1号という、この異常。
ほんの数分の戦闘で、P1は、カティの目ではとらえきれない速度で空間を駆けるようになった。
「くっ――」
P1の刺突を、カティは、なんとか回避した――
が、その直後!
P1が剣を捨て、両手をカティに向けて叫ぶ!
「異次元砲!!」
「っ、ぃ、異次元砲っっ!!」
なんとか反応できたカティも、異次元砲を放った。
互いに異次元砲を撃ちあって、その特殊エネルギーを相殺する。
異次元砲を相殺されたのを確認したP1は、舌打ちをして、
(ちっ、まだ貫けねぇか。……『貫通属性だぁ』っつってんのに、同ランクで撃ちあうと相殺するってのが、異次元砲のダルいところだよなぁ)
異次元砲は、無属性かつ貫通属性の必殺光線。
唯一、対抗できるのは、『同程度の魔力を注いだ異次元砲』のみ。
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