センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
25話 ようやく、ようやく、ようやく、一次試験開始!
25話 ようやく、ようやく、ようやく、一次試験開始!
(これでも隠せなかったら、もう、直接交渉で黙らせようと思っていたが……)
『俺も参加しているってことは、他の人には言わないでね、神様との約束だぞっ☆ 約束やぶったら、針1000兆本、マジで飲ぉますっ☆』
で乗り切るしかないか、とも思っていたが、
(これならなんの問題もないな。おそらく、シグレの目は、ランク1000までのフェイクオーラは見破れるが、それ以上は見通せないってところかな……)
ホっとしていると、
――ちょうど、そのタイミングで、
「時間じゃな。では、これより、冒険者試験を開始する」
かなりの御高齢と見受けれれる爺さんがあらわれて、そう言った。
あまり張った声ではないのに、なぜかよく通る。
「私は、第一次試験・試験官のメービーという」
メービーは、こぎれいな老人だった。
白い髪とヒゲで、背が低い。
シワだらけだが、クシャクシャという感じではなく、丁寧に掘られた年輪といった感じ。
あまり腰は曲がっておらず、枯れた感じはしない。
メービーは言う。
「長い前置きなどはなしで、サクサクいくぞい。冒険者試験、一次試験、開始」
メービーの宣言を受けて、ホール全体に緊張が走る。
受験生たちの張り詰めた空気を割くように、
メービーが、パチンと指を鳴らした。
よく響く指の音。
――すると、受験生全員の手に、一枚の紙が出現した。
センは、自分の手の中にある紙をジっと見つめながら、
(2……か)
センの手の中にある紙には、細字で、
『2』と記されていた。
それ以外には何も書かれていない、簡素な紙。
(アダムは1で……シューリも1……ん、ゼンたちも全員1か……)
視線を周囲に向けてみると、知っている者たちは、全員が『1』と書かれていた。
『2』と書かれた紙を持っているのは、仲間内だと、センエースただ一人のみ。
(俺だけ数字が違う……か)
全体で見れば、2と書かれた紙を持っているのは、センだけではなかった。
ザっと見渡してみた感じ、2と書かれた紙を持っている者の割合は半分くらいだった。
(……さぁて……この数字は何かな)
などと考えていると、メービーが、
「全員の手に、『1』か『2』と書かれた紙が配られたはずじゃ。紙が配られていない者は? おらんな」
全体をグルっと確認すると、
「よし、では、1と書かれた紙を持っている者は、合格じゃ。お疲れさん。帰ってよいぞ。来週始まる二次試験までゆっくり休みなさい」
その言葉を受けて、全体がザワついた。
疑問を含んだ声が八方から漏れ聞こえてくる。
――当然の話。
だが、彼らの懐疑になど興味はないようで、
メービーはたんたんと続ける。
「2と書かれた紙を持っている者。不合格じゃ。来年、また挑戦しなさい。以上。これにて一次試験終了」
メービーがそう言い終えた瞬間、
2と書かれている紙を持っている者たちが、ほとんどいっせいに、
「はぁ?!」
「なに言ってんだ?!」
「ちょっと待てよ、おい!」
と、騒ぎ始めた。
騒ぎ声は次第に大きくなって、ホールを揺らすようになっていく。
「こんなの試験じゃねぇだろ!」
「紙をくばって、はい終了だぁ?! こんなもん、認められるか!」
騒ぎ方に際限がなくなっていく、『2の紙を持っている不合格者』たち。
『1の紙を持っている者たち』は、一応、『合格』と言われているので、
なんというか、『様子をうかがっている』といった感じ。
『帰っていい』とは言われたものの、
色々といきなりすぎているため、動き方を見失っているといったところ。
コメント
ノベルバユーザー333870
キチンww