センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
38話 第三勢力の秘密。
気付いた時には白目をむいてその場に倒れ込むコーレン。
慌ててコーレンを支えるミハルド。
そんな二人の使徒に視線を向けることもなく、ケイレーンは、
「今回の件で、『フーマーの底が見えた』などと思ってもらいたくはない。負け惜しみに聞こえるかもしれないが――」
「別に、この闘いだけで、フーマーの軍事力に対する判断を下す気はない。けれど、『参謀(使徒)』の中に『敵を見誤る者がいる』という事実がある以上、フーマーの軍事面に対する評定にはマイナスをつけざるをえない。出し惜しみしないで、最大戦力を連れてくるべきだったわね」
ケイレーンの奥歯に圧力がかかった。
ギリっと小さな音がした。
隠そうとしても、隠しきれない羞恥。
(何もかもが裏目になっている……)
思考する。
挽回の手段を模索する。
そんなケイレーンに、ミシャは言う。
「さて、それじゃあ、ここから少し黙ってもらえる? あなたたちの手ゴマなんて、前座にすぎない。こちらとしては、ここからが本番なの」
「それは、どういう意味かね?」
尋ねるが、ミシャは、含みのある笑みを浮かべるだけで、答えを述べようとはしなかった。
(いったい、ここから、何が起こるという……)
この時点では、誰も、意味を解せなかった。
しかし、彼らは、すぐに、ミシャの言葉の意味を知る事になる。
★
『バロール&ジャミ』と『第三勢力』の戦闘がはじまってから、すでに数十秒以上が経過していた。
しかし、現状、場はこう着状態に陥っていた。
どちらもダメージを受けていない平衡状態。
一言で言うと、『バロール&ジャミ』と『第三勢力』の闘いは、『戦闘』にはなっていなかった。
距離をつめようと、あの手この手を駆使するバロールとジャミの二人だったが、
第三勢力の5人は、二人から距離をとるばかりでまったく闘おうとしないのだ。
(どういうつもりだ、あいつら)
(わからない……)
悩んでいると、
『第三勢力の女の一人(以降、A)』が、
「十分経過。のこり20分」
ふいにそうつぶやいた。
続けて、たんたんと、事務的に、
「今大会には、私達5名のほかにも、我々の組織から何名か参加しており、すでに、全員、本戦へ進むことが決まっている」
などと、ジャミ&バロールからしてみれば衝撃的な事実を告げる。
(はぁ? 特別な力を持っていそうな野郎はいなかったぞ……)
(他の試合もチェックはしていたが、フーマーからの刺客以外で、特別、優れている者はいなかったように思えたが……)
困惑している二人に、Aは、また、感情のない声で、事務的に、
「もし、貴様らがわれわれ全員を倒し、この大会で優勝する事ができたら、我々の秘密を話そう」
含みしかないその発言に、バロール&ジャミは、なんとも言えない渋い顔をして、
「……秘密、ねぇ」
「言いたいことがあるのなら、まわりくどいことをせずに、今、この場で言うといい。黙って聞いてあげよう」
一応、情報を引き出すためのジャブを打ってはみたものの、反応は驚くほど薄く、
というか、ジャミの言葉など、ほぼ完全にシカトなスタイルで、
「貴様らの組織が、我々の秘密を話すに値する器かどうか確かめてからだ。もし、それに値すると判断出来なかった場合、貴様たちを単なる障害物とみなし、全力で排除させてもらう」
などとふざけたことを言われて、バロールは、奥歯をギリっと噛みしめ、
「ナメた事ほざくじゃねぇか」
「しかし、単純で助かる。ズルズルと探り合いを続けるより、よっぽど建設的かつ合理的だ」
ジャミがそう言ったのを聞いて、Aは言う。
「それでは貴様らの選別を開始する。まずは、予選を突破できる力があるか。とくと見せてもらおう」
「偉そうな口をたたきやがって。何が選別だ、カスどもが……」
バロールは、オーラを充満させつつ、鬼の形相で、
「どこの誰を相手にしているか、身をもって教えてやる」
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