センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
33話 俺たちは家族だ。家族とは助け合うもの。というわけで、俺がピンチになったら助けるように。
33話 俺たちは家族だ。家族とは助け合うもの。というわけで、俺がピンチになったら助けるように。
(いまのところ、何がなんだか、まったくわからないが……状況証拠から、その第三勢力とかってやつも、ゼノリカと同じく、この世界に干渉しようとしていると考えるべきか?)
(そうだな。本格的に動き出しはじめたセノリカに対する牽制……あるいは、宣戦布告なのかもしれない)
(ハシャぎやがって……しかし、ゼノリカに対抗できる存在がいるとは思えねぇが……)
(私もそう思うが、事実、先ほどの女たちには、異質な迫力があった。……今の状況では、君が言うように、何が何だか分からないが……もしかしたら、本当に、『先生』が言っていたような事が起こっているのかもしれない)
(パメラノ殿が言っていたこと? ……ああ、『ゼノリカ以上の悪が現れたらどうこう』ってやつのことか。それは、ありえねぇよ、ジャミ。状況証拠から鑑みるに、『悪を理解せねば対処が遅れてしまうであろう厄介な相手』である可能性は高いが、『ゼノリカを超える悪の組織』なんざ存在しうるワケがない。先ほどの女どもの気配は確かに不気味で強大だったが、結局のところ、『対処がしんどそうな相手』というだけで、決して『ゼノリカが勝てない相手』というワケじゃない。意味のない不安は根こそぎ捨てろ。これから俺たちは、磨いてきた武をもって、やつらに、ゼノリカの威を示す。それだけだ)
(ああ……そうだな。確かに、それだけのことだ)
そんな二人の前で、モンジンは、呑気を貫いて、
「いいか、お前ら、同盟を組む以上、俺たちは家族だ。家族とは、どんな時でも助け合うもの。というわけで、まあ、ないとは思うが、俺がピンチになったら全力で助けるように。当然、俺も、お前らがピンチになったら、助けにいく事を、比較的前向きに検討する方向で善処する予定で対処する」
(で、このアホどうする?)
(好きにほざかしておけばいい。『こんなのの相手をしている余裕』は本格的になくなった。ここからは、全力で放っておく)
(……だな)
★
「――もしかして、あの『230番』が、あなたたちのいう『出来る者』?」
VIPルームで予選を観戦している『この世界の上位者』たち。
この中でも最も権威がある『フーマーの使徒』たちが座している席の『隣に用意された席』に腰掛けているミシャは、真横にいるケイレーンに、ボソっとそう声をかけた。
「ほう、素晴らしい。なかなかの慧眼だ」
現在は、予選の五回戦(200番~250番。ジャミたちの予選の一戦前)。
その試合で、順調に周囲をボコボコにしている一人の男(230番)。
「動きを見ればわかるわよ。……そんなことより、ねぇ、あの程度が、あなたたちの言う『出来る者』なの? だとしたら、滑稽ね。話にならないわ」
「ふふ……若いな。230番には、『本戦まで力を温存するように』と言ってある。つまり、本当の実力は、あの程度じゃ――」
「隠している力を踏まえた上で言っているに決まっているでしょ? バカなの?」
「……」
ケイレーンは、そこで、薄い笑みを浮かべた。
ケイレーンが怒りを我慢する時の表情。
いい加減ミシャの性格にも慣れてきたので、彼女のとことんまでナメきった態度に対し、いちいち本気で憤りを感じる事はないが、ケイレーンも人間なので『イラッ』とするのを完全に抑える事はできない。
――ミシャが続けて言う。
「天下のフーマーが用意してくれたオモチャだから、少しは楽しめるかと思ったけれど、どうやら、とんだ期待外れだったみたいね」
「用意した『出来る者』は一人ではない。君の『家族』が参加する次のブロックにも2人ほど忍ばせてある。結論は、予選最終ブロックの結果を見るまでとっておいた方が賢明だと思うがね」
(いまのところ、何がなんだか、まったくわからないが……状況証拠から、その第三勢力とかってやつも、ゼノリカと同じく、この世界に干渉しようとしていると考えるべきか?)
(そうだな。本格的に動き出しはじめたセノリカに対する牽制……あるいは、宣戦布告なのかもしれない)
(ハシャぎやがって……しかし、ゼノリカに対抗できる存在がいるとは思えねぇが……)
(私もそう思うが、事実、先ほどの女たちには、異質な迫力があった。……今の状況では、君が言うように、何が何だか分からないが……もしかしたら、本当に、『先生』が言っていたような事が起こっているのかもしれない)
(パメラノ殿が言っていたこと? ……ああ、『ゼノリカ以上の悪が現れたらどうこう』ってやつのことか。それは、ありえねぇよ、ジャミ。状況証拠から鑑みるに、『悪を理解せねば対処が遅れてしまうであろう厄介な相手』である可能性は高いが、『ゼノリカを超える悪の組織』なんざ存在しうるワケがない。先ほどの女どもの気配は確かに不気味で強大だったが、結局のところ、『対処がしんどそうな相手』というだけで、決して『ゼノリカが勝てない相手』というワケじゃない。意味のない不安は根こそぎ捨てろ。これから俺たちは、磨いてきた武をもって、やつらに、ゼノリカの威を示す。それだけだ)
(ああ……そうだな。確かに、それだけのことだ)
そんな二人の前で、モンジンは、呑気を貫いて、
「いいか、お前ら、同盟を組む以上、俺たちは家族だ。家族とは、どんな時でも助け合うもの。というわけで、まあ、ないとは思うが、俺がピンチになったら全力で助けるように。当然、俺も、お前らがピンチになったら、助けにいく事を、比較的前向きに検討する方向で善処する予定で対処する」
(で、このアホどうする?)
(好きにほざかしておけばいい。『こんなのの相手をしている余裕』は本格的になくなった。ここからは、全力で放っておく)
(……だな)
★
「――もしかして、あの『230番』が、あなたたちのいう『出来る者』?」
VIPルームで予選を観戦している『この世界の上位者』たち。
この中でも最も権威がある『フーマーの使徒』たちが座している席の『隣に用意された席』に腰掛けているミシャは、真横にいるケイレーンに、ボソっとそう声をかけた。
「ほう、素晴らしい。なかなかの慧眼だ」
現在は、予選の五回戦(200番~250番。ジャミたちの予選の一戦前)。
その試合で、順調に周囲をボコボコにしている一人の男(230番)。
「動きを見ればわかるわよ。……そんなことより、ねぇ、あの程度が、あなたたちの言う『出来る者』なの? だとしたら、滑稽ね。話にならないわ」
「ふふ……若いな。230番には、『本戦まで力を温存するように』と言ってある。つまり、本当の実力は、あの程度じゃ――」
「隠している力を踏まえた上で言っているに決まっているでしょ? バカなの?」
「……」
ケイレーンは、そこで、薄い笑みを浮かべた。
ケイレーンが怒りを我慢する時の表情。
いい加減ミシャの性格にも慣れてきたので、彼女のとことんまでナメきった態度に対し、いちいち本気で憤りを感じる事はないが、ケイレーンも人間なので『イラッ』とするのを完全に抑える事はできない。
――ミシャが続けて言う。
「天下のフーマーが用意してくれたオモチャだから、少しは楽しめるかと思ったけれど、どうやら、とんだ期待外れだったみたいね」
「用意した『出来る者』は一人ではない。君の『家族』が参加する次のブロックにも2人ほど忍ばせてある。結論は、予選最終ブロックの結果を見るまでとっておいた方が賢明だと思うがね」
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