センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
32話 第三勢力。
延々にゴチャゴチャとふざけた事をのたまい続けているモンジンに背を向けて、どうにか距離を取ろうとしている二人。
二人は、呆れ交じりに、通信魔法を使って、
(このガキの目標は存在値1京だそうだぜ。どう思う? ゼノリカ一意識が高いジャミ・ラストローズ・B・アトラー猊下的には)
(……『意識が高い』の定義がイマイチ理解できないから、返答しようがない。ただ、目標とは『闇雲に大きくすればいい』というモノではないという教訓を得る事ができて良かったと思う)
(ひとつ成長できてよかったな。――で、このガキどうする? いくらシカトを貫いても、ずっとついてくるぜ)
(そうだな。いい加減、鬱陶しいし、テキトーに眠らせて――)
と、その時だった。
二人の背筋に、ビリィっと電流が走る。
「「っっ?!」」
背後から感じた『強烈な視線』。
二人は、ほぼ同時に、
バッッ!
と振り返った。
「お、おい、なんだよ、急にこっち向いて、びっくりするじゃねぇか」
驚いてビクっとしているモンジンの事はシカトして、二人は、モンジンの後方20メートルくらいのところから、ジャミたちを睨みつけている五人の女に視線を向ける。
(ジャミ、あいつら……)
(ああ、ただ者ではない……五聖命王の方々にも匹敵するほどのオーラ……)
モンジンの後方、ジャミとバロールの視線の先にいるのは、お揃いの黒いコートに身を包む謎の女たちだった(あまりにも謎が過ぎる五人組だった。いったい、何ダムと何ーリと何聖命王の三姉妹なんだ……)。
仮面をかぶっているので、顔の特定は出来ないし、バロールたちの目では特定できないため、どの程度の脅威かデジタルには測定できないが、『見えない』というだけで、あの女たちがいかにヤバいかはよくわかった。
と、そこで、
(――どうやら、釣れたようね)
ミシャから通信魔法が入って、ジャミとバロールは、ビクっと肩を震わせ、
(ミシャンド/ラ様?!)
(ぁ、あの妙な女どもについて、何か御存じで?)
背筋を伸ばして、耳だけに集中する二人に、ミシャは、
(いえ、何も知らないわ。ただ、おそらく、そこにいる彼女達こそが、警戒していた『第三勢力』だろうという事くらい)
(だ、第三勢力?)
(ええ、前々から不穏な空気は感じていたのだけれど、これまで実態は掴めなかった存在。われわれ『ゼノリカ』と『この世界』のどちらにも属さない謎の勢力)
(そ、そんなものが……)
(気付きもしませんでした……)
「おーい、ちょっと? 聞いてる? どうしたの? ねぇ」
二人の顔の前で手をフリフリしながらそんな事を言っているモンジンを、とにかく全力でシカトして、二人は、ミシャの声だけに集中する。
(バロール、ジャミ、両名に命じる。この世界の上層部に、レイモンドの力を見せつけるというミッションと並行して、第三勢力の情報を奪取しなさい)
((かしこまりました))
声には出さず、しかし、心の中で、敬意と覚悟を込めた返事をした二人を見て、
「どうしたんだ、きゅうにそんなこわばった顔をして。……ぁ! もしかして、俺にビビってんのか?! あーあー、なるほど、これまでも、シカトしていたワケじゃなく、あまりにも俺にビビりすぎていたってわけか。まったく、ほんとーに、しょうがない連中だなぁ」
などと、ごちゃごちゃ言っているモンジンを完全にシカトして、
バロールとジャミの両名は集中して魔力とオーラを練り上げていく。
すると、五人の女性たちは、殺気を消して、奥へと下がっていった。
それをみて、
(どうやら、やつら、この場で襲ってくる気はないようだな)
(……あの者達のナンバープレートは250番台だった。私達と同じブロック)
(なるほど。武舞台の上でやる気ってことか)
そこで、バロールは、少し悩んで、
(しかし、第三勢力ねぇ……もしかして、やつらが、今回、『闇に潜む巨悪』を目指す事になった大本の理由か?)
(ふむ……その可能性もなくはないな。悪を理解せねば対処が難しい相手……)
二人は、呆れ交じりに、通信魔法を使って、
(このガキの目標は存在値1京だそうだぜ。どう思う? ゼノリカ一意識が高いジャミ・ラストローズ・B・アトラー猊下的には)
(……『意識が高い』の定義がイマイチ理解できないから、返答しようがない。ただ、目標とは『闇雲に大きくすればいい』というモノではないという教訓を得る事ができて良かったと思う)
(ひとつ成長できてよかったな。――で、このガキどうする? いくらシカトを貫いても、ずっとついてくるぜ)
(そうだな。いい加減、鬱陶しいし、テキトーに眠らせて――)
と、その時だった。
二人の背筋に、ビリィっと電流が走る。
「「っっ?!」」
背後から感じた『強烈な視線』。
二人は、ほぼ同時に、
バッッ!
と振り返った。
「お、おい、なんだよ、急にこっち向いて、びっくりするじゃねぇか」
驚いてビクっとしているモンジンの事はシカトして、二人は、モンジンの後方20メートルくらいのところから、ジャミたちを睨みつけている五人の女に視線を向ける。
(ジャミ、あいつら……)
(ああ、ただ者ではない……五聖命王の方々にも匹敵するほどのオーラ……)
モンジンの後方、ジャミとバロールの視線の先にいるのは、お揃いの黒いコートに身を包む謎の女たちだった(あまりにも謎が過ぎる五人組だった。いったい、何ダムと何ーリと何聖命王の三姉妹なんだ……)。
仮面をかぶっているので、顔の特定は出来ないし、バロールたちの目では特定できないため、どの程度の脅威かデジタルには測定できないが、『見えない』というだけで、あの女たちがいかにヤバいかはよくわかった。
と、そこで、
(――どうやら、釣れたようね)
ミシャから通信魔法が入って、ジャミとバロールは、ビクっと肩を震わせ、
(ミシャンド/ラ様?!)
(ぁ、あの妙な女どもについて、何か御存じで?)
背筋を伸ばして、耳だけに集中する二人に、ミシャは、
(いえ、何も知らないわ。ただ、おそらく、そこにいる彼女達こそが、警戒していた『第三勢力』だろうという事くらい)
(だ、第三勢力?)
(ええ、前々から不穏な空気は感じていたのだけれど、これまで実態は掴めなかった存在。われわれ『ゼノリカ』と『この世界』のどちらにも属さない謎の勢力)
(そ、そんなものが……)
(気付きもしませんでした……)
「おーい、ちょっと? 聞いてる? どうしたの? ねぇ」
二人の顔の前で手をフリフリしながらそんな事を言っているモンジンを、とにかく全力でシカトして、二人は、ミシャの声だけに集中する。
(バロール、ジャミ、両名に命じる。この世界の上層部に、レイモンドの力を見せつけるというミッションと並行して、第三勢力の情報を奪取しなさい)
((かしこまりました))
声には出さず、しかし、心の中で、敬意と覚悟を込めた返事をした二人を見て、
「どうしたんだ、きゅうにそんなこわばった顔をして。……ぁ! もしかして、俺にビビってんのか?! あーあー、なるほど、これまでも、シカトしていたワケじゃなく、あまりにも俺にビビりすぎていたってわけか。まったく、ほんとーに、しょうがない連中だなぁ」
などと、ごちゃごちゃ言っているモンジンを完全にシカトして、
バロールとジャミの両名は集中して魔力とオーラを練り上げていく。
すると、五人の女性たちは、殺気を消して、奥へと下がっていった。
それをみて、
(どうやら、やつら、この場で襲ってくる気はないようだな)
(……あの者達のナンバープレートは250番台だった。私達と同じブロック)
(なるほど。武舞台の上でやる気ってことか)
そこで、バロールは、少し悩んで、
(しかし、第三勢力ねぇ……もしかして、やつらが、今回、『闇に潜む巨悪』を目指す事になった大本の理由か?)
(ふむ……その可能性もなくはないな。悪を理解せねば対処が難しい相手……)
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