センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
33話 あくまでも、孫だから。
33話 あくまでも、孫だから。
センは、五聖命王の姉妹達に対して、完全に一線を引いている。
よくも悪くも、センにとって彼女達は『孫』なのだ。
アダムに対する『感情・想い』とは違い、センの『彼女達に対するソレ』は、
完全に、『孫に対する慈しみでしかない』と分かっている。
そして、三姉妹も、男女の意味で『センとどうにかなりたい』とは思っていない。
『そういう関係になりたくない』というワケではなく、『たまたま孫と言う立場にあるから過分な恩寵を賜っているだけであり、自分達ごときではセンエースという偉大な神の伴侶として相応しくない』と、彼女達側からも一線を引いているのだ。
『そういう意味』で、彼女達には『シューリが想うところの可能性』がゼロ。
だから、シューリは、センとの距離が近い彼女たちに、嫉妬や憤怒の感情を抱かない。
もっと大胆に言えば、シューリは、彼女達の事を『センのペット』のように思っている。
旦那になついている犬や猫。
嫉妬する嫁もいるのかもしれないが、シューリはそういう女じゃない。
距離が近すぎるため、若干、イラっとすることもなくはないが、
そんなことでイラっとする方がみっともない、とシューリは考えてしまう。
※ アダムも、シューリから、センと三姉妹の関係(両方が一線を引いているという事実。所詮はペットみたいなもの)を聞かされているので、センとの距離が近い三姉妹に対して、強く嫉妬したりはしない。
強く嫉妬しないだけで、普通に、『私の神に近づくんじゃねぇ』とは思っている。
ただ、主が彼女達を拒んでいるワケでもないため、接近禁止命令を出すワケにもいかない。
『私以外の女に、その玉体を触れさせないで』と懇願したいという想いはあるが、『ペットにすら接近禁止命令を出す束縛女』の面倒臭さぐらいは理解できるので、結果、『う~ん、まあ……う~ん』と我慢するに至っている。
逆に、三姉妹側からのシューリに対する感情は、『同族』。
センから『酒神終理は、お前たちと同じで、俺の娘とか孫とか、あるいは妹とか、そういう感じのアレ的なやつ』と言われているので、三姉妹は、シューリのことを、『ならば姉妹だ』と認識している。
『心底から、そう思えるはずはない』が、しかし、姉妹として受け入れようと、努力は尽くした。
三姉妹は、シューリのことを、『いろいろ面倒』だとか『変態』だとか思っているが、自分達と同じく、『偉大なる神を愛する家族』として受け入れている。
シューリは、それなりに長く五聖命王として生きてきて、彼女達三姉妹の事を理解した結果、流石に同族だとは思えないが、『旦那が飼っているペット』という程度には思えるようになった。
『旦那が飼っている』という重要項目が消えれば、彼女達など、シューリにとっては単なる『現世の虫ケラ』だが、センエースという繋がりがある限り、シューリは、彼女たちのことを『大事なペット(つまりは家族)』だと認識して接すると決めている。
――銃崎から受け取った資料を、あらかた読み終えたセンは、
「準備は整ったようだな」
「はい、お爺様。いつでも実行可能です」
「よっしゃ、じゃあ、パメラノに指示を出してくれ。これより、『オペレーション・J』を開始する」
命じると、心理、麗理、界理の三姉妹は、スクっと立ちあがって、
「「「かしこまりました」」」
優雅にお辞儀をして行動を開始する。
そんな中、ただ一人、センにもたれかかったままのシューリに、銃崎が言う。
「ほら、仕事よ、たちなさい」
「オイちゃんは、お兄の腕の中を守護するため、このまま、『オペレーション・H(昼寝)』に移行する予定でちゅから、どうぞ、おかまいな――」
「はやくっ」
「ふぁ~い」
銃崎に腕を引っ張っていかれるシューリの背中を見送ってから、
センは、ウーンと伸びをしながら、
「さぁて、と……はたして、Jの神種は芽吹くかなぁ」
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