センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
25話 レオン。
25話 レオン。
「な、なんともったいない。しかし、アダムさんに勝てたのは……いえ、勝てたと言っていいのか分からない状態ですが、とにかく、アダムさんとの戦闘で負けずにすんだのは、ボク一人の力ではなく――」
「ダレが、それだけっつった。アダムに勝てた褒美が、それだけのワケないだろう。PSRのアダム隊長をナメんなよ」
言うと、センは、
パァンッッ!
と、両手を合わせた。
その直後、平・ミシャ・ゾメガの周囲に、無数の神器が出現する。
「すべて、俺がお前ら用に創造した『三至天帝専用の究極超神器』だ」
それらを見た平は、目を丸くして、
「な、なんと……凄まじい……こ、これほどの宝をいただくワケには――」
「言ったはずだ。お前らには強くなってもらうと」
「「「……」」」
「俺の最大の望みは、お前らが、『今の俺』と同じ領域まで駆け上がる事。……正直、『ゾメガ・平・ミシャの三人も究極超神になってくれたらいいなぁ』程度にしか思っていなかったが、アダムに勝ったお前らを見て考えが変わった。お前らなら辿りつけると確信した。だから、お前らのために、貴重な素材も惜しみなくブチ込んで、専用の究極超神器を創ったんだ。お前らは、ラストエリクサー症候群の俺に、二度と手に入らない系の素材まで使わせた。その期待を絶対に裏切るな。『もったいなくて受け取れない』なんて寝言をほざいている暇があるなら、さっさと装備して機能を確かめろ」
「「「はっ!!」」」
慌てて、究極超神器に身を包むゾメガと平。
とんでもない装備を肌身で感じ、
(これは、ちょっと、凄すぎるのう……今の余では扱いきれんぞい……この神器とまともに向き合うという修行だけで、いったい、どれだけの時間を必要とするか……)
(極端に上がった出力に振り回されている自分――それすら想像できない。今まで使っていた装備と、レベルが……というか次元が違いすぎる。無数にあるセットボーナスの、たった一つをとっても、『グリムアーツの火力が12000000%アップ(ただし、熟練度SSS+以上のものだけ)』などと、子供の冗談みたいで……しかも、この1200万という数字は、あくまでも底値で、ここから、ボクの成長に比例して上昇していくタイプ……し、信じられない……)
ただただ困惑しつつも、
この装備を使いこなせるようになった自分を想像して興奮している二人。
そんな二人の横で、ミシャが
「あ、あの……セン様」
「どうした、ミシャ」
「こちらの、ミシャ専用に創造していただいたローブ……確かに、凄まじい神器なのですが……あの」
「ん? どこか気に入らないか? 調整ならいくらでも出来るから、好きに――」
「いえ、気に入らないというワケではなく……ミシャは……セン様からいただいた、このダッフルコート……『レオン』がすごく好きで……だから……」
だんだん小さくなっていく声。
そんなミシャに、
「そうか」
センは、ニっと微笑んで、
「せ、セン様っ」
ミシャの頭をソっとなでて、
「俺があげたコート、本当に大事にしてくれているんだな」
「は……はいっ。レオンは、一番の宝物です」
センは優しく頷いて、
「わかった。じゃあ、この『レオン』をベースにしよう。お前が、アイテムを凄く大事にしてくれることはよく分かったから、それを踏まえた上で特殊改造を施す」
言いながら、センは、ミシャのレオンに触れて、
「……うん、これなら、コアマテリアルを九十九神化させることができる。基礎スタイルはそのままに、ローブ(ミシャ用に設定した究極超神器)の性能を移すだけに留めて……外装も変えず……」
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