センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

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36話 なぜ、ゼノリカにあらがう?



 36話 なぜ、ゼノリカにあらがう?




 ※ ゼノリカ宝物殿、補足。
 ゼノリカには宝物殿が複数存在し、『センエースが直接創ったアイテム』と、『そうではないアイテム』とで完全に区別されている。
 『第一宝物殿』~『第十七宝物殿』までの17個あって、センエース・コレクションが眠っているのは、ゼノリカ神層の最奥部にある第一宝物殿。
 ゼノリカ天上の職人が創った『最上位アイテム』は、『第二宝物殿』に保管されており、『第二宝物殿に保管されている至宝』は『ゼノリカ・コレクション』と呼ばれる。


 『ガチ・セレクション』>『センエース・コレクション』>『ゼノリカ・コレクション』


 基本的に、ゼノリカに所属する者にとって『最も重要な金庫』は、第二宝物殿であり、そこから、宝物殿番号が上がっていくにつれて、中身がショボくなっていく。
 ショボくなっていくとはいえ、それは、あくまでもゼノリカ視点の話。
 最もランクの低い『第十七宝物殿』に無造作な感じで押し込められ、ホコリをかぶっているものでも、実は、ゼノリカの外だと、どれも国宝級である。




 ★








「――神のシステムであるエグゾギアが使えるというのは、確かに、大きなアドバンテージ。だが、そこをおさえられたら、お前など、アビスにも勝てないザコでしかない。お前ごときでは、何をしようと、ゼノリカには勝てない。ゼノリカをナメるな」


「……」


「さて、そろそろ質問にうつろう。前提1・2・3をふまえて答えろ。――問い一」


 フッキは、ゼンの目をジっと見つめ、










「それでも、ゼノリカと闘うか?」










 そう問いかけた。
 ここまでの、『長ったらしい前提』とはうってかわって、
 質問そのものは実に簡素だった。


 そのシンプル極まりない質問に対して、
 ゼンは、










「引く理由が一個もない」










 迷いなく答える。
 よどみなく、躊躇なく、まっすぐに言い切った。


 ――ゼンは思う。


(エグゾギアが通じないっていうのは想定外だったが、ゼノリカがとんでもない相手だという事は最初から知っていた。銃を持ったオッサン以下の力しか持たない俺が、破壊王子三人を殺さないといけないと聞かされた時から、えげつない地獄の旅になる事は分かっていた)


 ゼンは、エグゾギアが使えるからゼノリカと闘おうと思った訳じゃない。
 だから、


「エグゾギアが通じないなら、それ以外の力を磨くだけだ」


 つまりは、それだけの話。


 ハッキリと言い切ったゼンに、フッキは、続けて言う。


「問い二。なぜ、そうまでして、ゼノリカに刃向う?」


 その質問に即答する事は出来なかった。
 ゼンは考える。
 自分が、ゼノリカに立ち向かう理由。


 数秒考えてから、ゼンは、


「……そうしなきゃいけない気がするから、かな」


 言葉を探しながら、そう言った。


「……」


 無反応なフッキに、ゼンは、


「よくわかんねぇ? まあ、だろうな。俺もぶっちゃけ、よくわかってねぇ。根本は、もちろん、『そういう約束だから』なんだけど……なんていうかな……それ以外にも、いろいろ……なんか、とにかく、いろいろ、言語化するのは難しいんだけど……『これは、俺がやらなきゃいけない』って、そんな気がするんだ」


 明確な理由はない。
 もしかしたら、あるのかもしれないが、自覚は出来ていない。


「あと、調子に乗った発言に聞こえるかもしれないっていうか……実際、不遜きわまりない発言だけど……なんか、これは、俺にしか出来ない気がするんだよね」


 ゼンは、自分を特別だとは思っていない。
 天才でもなければ、超人でもない。


 けれど、


「俺にしか出来ないっていう言い方は、流石に不遜すぎたな。……言い変えよう。つまり、えっと……そう、ほら、アレだ」


 そこで、ゼンは、








「俺以外なら、普通に諦めるだろ?」







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