センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
21話 発展途上。
21話 発展途上。
――20日分ほど、時間が経過した。
グリムアーツを極めるのは、おそろしく時間がかかる。
上達には、年単位かかるのが当たり前。
だが、年単位必要というのは『常人』が『まとも』にやった場合の話。
『頭おかしいヒーロー』が『極限状態』で、
休むことなく、ただひたすらに積み重ね続けた結果、
「――波動一閃――」
「ギャァアアアッッ!!」
ほんの20日程度の時間で、ゼンの一閃は、価値あるグリムアーツへと成長した。
飛翔する斬撃は、モンスターを一瞬で消滅させる。
ジオメトリから出現すると同時の即退場。
消滅を確認することなく、ゼンは、目を閉じて、剣を鞘におさめ、
「すぅう……はぁぁ……」
5秒間の瞑想を開始する。
ゼンは、『一閃』に、5秒瞑想(閉眼状態かつ、生命力バリアが消失している状態)してから使用した際には、威力の高い『波動一閃』になるというアリア・ギアスをかけた。
他にも、いくつか、自分にアリア・ギアスを積もうと試みたのだが、
大半は、『何か』によって却下された。
『何か』に許された『いくつかのアリア・ギアス』によって瞬間火力を上げたゼンは、
そのケタ違いの精神力を軸に、十秒ごとに出現する敵を殺し続けた。
『出現するモンスター』は間違いなく強くなり続けた。
ちょっとずつ、ちょっとずつ、攻撃力も防御力も厄介さも、確実に上がっていった。
だが、次第に、その上昇値は、ゼンの上昇値に追いつかなくなっていく。
そして、その差は、ここから更に広がっていく。
ゼンは、まだまだ強くなり始めたばかりだった。
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《レベル》 【19】
《GODレベル》 【123352】
[生命力バリア] 【少ない】
[MP] 【少ない】
[スタミナ] 【少ない】
「攻撃力」 【39(+1550)】
「魔法攻撃力」 【15(+500)】
「防御力」 【29(+300)】
「魔法防御力」 【19(+500)】
「敏捷性」 【23(+1750)】
「耐性値」 【33(+950)】
「バリア再生力」 【17(+2700)】
「魔力回復力」 【9(+2700)】
「スタミナ回復速度」 【12(+1200)】
「反応速度」 【26(+1250)】
11111111111111111111111111111111111111
★
さらに、地獄は積み重なった。
日数に換算すれば、50日ほど。
それだけの時間、休むことなく闘い続けていながら、
ゼンは、まだ折れていなかった。
――ゼンの姿を見て、アビスは、心底から驚愕する。
『ご、50万匹目も撃破……バカな……限界を迎えるどころか……そ、その鋭さは、増していくばかり……し、信じられない……』
ゼンは止まらない。
ひたすらに強くなっていく。
その異様に、アビスは、恐怖すら覚えた。
『気力はとっくに尽きているはず……なぜ、まだ動ける……なぜ、まだあがける……』
とまらない成長。
ゼンは、まだまだ発展途上。
剣一つをとっても半人前のハーフサイズ以下。
途方もない数の一閃を振ってきたが、
いまだ、『熟練度B(ほぼマスターしたと言ってもいい)』の壁を超えられていない。
価値のあるグリムアーツにはなったが、まだまだ一流のグリムアーツではない。
ゼンの一閃は、まだまだ未熟。
しかし、そのことが、むしろ、ゼンの魂を支えていた。
(頭がおかしくなるくらい、一閃を振ってきた……だが、俺は、まだ、一閃をまるで使いこなせていない……)
しかし、けれど、ゼンは、自分が、一閃を『どのくらい』使いこなせていないか、分かるようになっていた。
果てなき道の、『スタート地点に立っている』と理解できるくらいは強くなれた。
その実感、高揚感――
――少しだけ、解放された気がした。
己の弱さを知ったことで、むしろ、自由になれた気がしたんだ。
(遠いな……『強さ』の果ては……辿りつける気がしない……だが、それでいい……)
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