センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
16話 使えないグリムアーツ『一閃』。
16話 使えないグリムアーツ『一閃』。
「ちっ……くっ……もぉお! 呪縛ランク2! 雷術ランク2! 一閃!!」
己の不運を嘆きながら、一応、ためしに使ってみたものの、
「予想どおり、たいして強くない!」
雷術ランク2を込めて、一閃を使ってみたものの、
まあ、『普通に剣をふるだけ』よりは、確かに威力が上がっているものの、
そこまで大した上昇ではなかった。
100のダメージが120になった程度のもの。
『斬撃が飛ぶようになる』という一番のウリは、現状だと『リーチが五センチ伸びただけ』とあまりにショボすぎて、効果を感じる事すら出来ない。
※ 『武術』が『グリムアーツ化』した際、初回ボーナスで、必ず『威力20%UP』がつく。
正直、微妙な特典だが、しかし、つまりは、どんなグリムアーツでも、ないよりはあった方がましという事。
ただ、その『威力20%UP』の効果すら、訓練を怠ると、『19%』・『18%』と落ちていく。
「くそ、使えねぇ! いや、でも、そりゃそうだろ! グリムアーツって、長期間修行してナンボの技だもん! ああ、もう、最っ悪! さいっっっ悪だ! こんな事になるなら、普通にステータスあげればよかった! この『即戦力しか必要としていない緊急事態』で、『ジックリ二軍枠』を引くとか、俺、どんだけ運がねぇんだよ! くそが!」
嘆いていると、次のバスターデーモンが出現。
テンパっている時の10秒は、恐ろしく短い。
「くそ、くそ、くそ! 呪縛ランク2っ!!」
足止めの魔法を使うが、
「ググッ……ヌゥ!!」
バスターデーモン(強)は、ゼンの呪縛を弾いた。
「でぇ?! うそぉ! もう、弾く?!」
ゼンが絶望していると、バスターデーモンは、右の拳に力を込めながら、
「うぉお!!」
突撃してきた。
バスターデーモンは、拳闘士タイプの悪魔で、魔法はほとんど使えない(火力と耐久を上げるバフが少し使える。ランクは低い)。
何も小細工せずに、ひたすら『コマンド:殴る』を続ける、パワー型のブンブン丸(グリムアーツは使えない)。
なので、比較的、対処は楽な方なのだが、渾身の一撃をもらってしまうと、なかなか痛い。
「くっ」
ゼンは、バスターデーモンの攻撃を避けようと必死、
――だが、普通に回避が遅れて、思いっきり一撃をもらってしまう。
「どわぁっ!! ……ちっ……」
生命力バリアの減少、それに伴う激痛。
その『痛み』は耐えられないほどじゃないし、ゼンの生命力バリアは膨大なので、結果、損傷はゼロに等しい。
セットボーナスの『バリア再生力+2000』の効果も普通に発動しているため、減少したバリアも、すぐ元に戻る。
※ セットボーナスに対する妙なジャマー等は、すでに、センの手によってコントロールされている。
セットボーナスのおかげで、ゼンのHP・MPの回復量はかなり大きい。
しかし、無限サイクルが可能なほどの回復量ではない。
(こんな段階でダメージくらっているようじゃ、この先、どうなるんだ……)
ゼンのステータスは、基本的に『レベル19程度』でしかないため、現在の『存在値50近く』になっているバスターデーモンの攻撃を避けるのは至難の業。
とはいえ、生命力バリアのアドバンテージがハンパないため、
ぶっちゃけ、まだしばらくは、たいしたダメージを負う事すらない。
「雷術ランク2! 一閃!!」
現状だと、まだ、どうにか『攻撃を受けつつのゴリ押し』でもなんとか勝てる。
だが、この『アホ丸出し脳筋戦法』が通用するのはいつまでだ?
20匹目?
30匹目?
……おそらく、50匹目には、もう通用していないだろう。
どれほど楽観的に考えても、1000匹目に通用するとは思えない。
1万匹目のモンスターには傷一つつける事はできず、
10万匹目が相手ともなれば、瞬殺されるだろう。
その段階でも、まだ10分の1。
気が遠くなる地獄。
(GPでステータスを上げるしかない……問題は何をどれだけ上げるか……ポイントは残り2000)
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