センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)

閃幽零×祝@自作したセンエースの漫画版(12話以降)をBOOTHで販売中

16話 使えないグリムアーツ『一閃』。



 16話 使えないグリムアーツ『一閃』。


「ちっ……くっ……もぉお! 呪縛ランク2! 雷術ランク2! 一閃!!」


 己の不運を嘆きながら、一応、ためしに使ってみたものの、




「予想どおり、たいして強くない!」




 雷術ランク2を込めて、一閃を使ってみたものの、
 まあ、『普通に剣をふるだけ』よりは、確かに威力が上がっているものの、
 そこまで大した上昇ではなかった。


 100のダメージが120になった程度のもの。
 『斬撃が飛ぶようになる』という一番のウリは、現状だと『リーチが五センチ伸びただけ』とあまりにショボすぎて、効果を感じる事すら出来ない。




 ※ 『武術』が『グリムアーツ化』した際、初回ボーナスで、必ず『威力20%UP』がつく。
 正直、微妙な特典だが、しかし、つまりは、どんなグリムアーツでも、ないよりはあった方がましという事。
 ただ、その『威力20%UP』の効果すら、訓練を怠ると、『19%』・『18%』と落ちていく。




「くそ、使えねぇ! いや、でも、そりゃそうだろ! グリムアーツって、長期間修行してナンボの技だもん! ああ、もう、最っ悪! さいっっっ悪だ! こんな事になるなら、普通にステータスあげればよかった! この『即戦力しか必要としていない緊急事態』で、『ジックリ二軍枠』を引くとか、俺、どんだけ運がねぇんだよ! くそが!」




 嘆いていると、次のバスターデーモンが出現。
 テンパっている時の10秒は、恐ろしく短い。


「くそ、くそ、くそ! 呪縛ランク2っ!!」


 足止めの魔法を使うが、






「ググッ……ヌゥ!!」






 バスターデーモン(強)は、ゼンの呪縛を弾いた。


「でぇ?! うそぉ! もう、弾く?!」


 ゼンが絶望していると、バスターデーモンは、右の拳に力を込めながら、


「うぉお!!」


 突撃してきた。
 バスターデーモンは、拳闘士タイプの悪魔で、魔法はほとんど使えない(火力と耐久を上げるバフが少し使える。ランクは低い)。
 何も小細工せずに、ひたすら『コマンド:殴る』を続ける、パワー型のブンブン丸(グリムアーツは使えない)。


 なので、比較的、対処は楽な方なのだが、渾身の一撃をもらってしまうと、なかなか痛い。


「くっ」


 ゼンは、バスターデーモンの攻撃を避けようと必死、
 ――だが、普通に回避が遅れて、思いっきり一撃をもらってしまう。


「どわぁっ!! ……ちっ……」


 生命力バリアの減少、それに伴う激痛。
 その『痛み』は耐えられないほどじゃないし、ゼンの生命力バリアは膨大なので、結果、損傷はゼロに等しい。
 セットボーナスの『バリア再生力+2000』の効果も普通に発動しているため、減少したバリアも、すぐ元に戻る。




 ※ セットボーナスに対する妙なジャマー等は、すでに、センの手によってコントロールされている。
 セットボーナスのおかげで、ゼンのHP・MPの回復量はかなり大きい。
 しかし、無限サイクルが可能なほどの回復量ではない。










(こんな段階でダメージくらっているようじゃ、この先、どうなるんだ……)










 ゼンのステータスは、基本的に『レベル19程度』でしかないため、現在の『存在値50近く』になっているバスターデーモンの攻撃を避けるのは至難の業。


 とはいえ、生命力バリアのアドバンテージがハンパないため、
 ぶっちゃけ、まだしばらくは、たいしたダメージを負う事すらない。




「雷術ランク2! 一閃!!」




 現状だと、まだ、どうにか『攻撃を受けつつのゴリ押し』でもなんとか勝てる。




 だが、この『アホ丸出し脳筋戦法』が通用するのはいつまでだ?
 20匹目?
 30匹目?




 ……おそらく、50匹目には、もう通用していないだろう。




 どれほど楽観的に考えても、1000匹目に通用するとは思えない。
 1万匹目のモンスターには傷一つつける事はできず、
 10万匹目が相手ともなれば、瞬殺されるだろう。


 その段階でも、まだ10分の1。
 気が遠くなる地獄。




(GPでステータスを上げるしかない……問題は何をどれだけ上げるか……ポイントは残り2000)





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