センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
10話 水曜日のゼン
10話 水曜日のゼン
「……」
ゼンは絶句した。
ここまで、ほとんど何もしていないので、魔力も体力もほぼMAXで残っている。
なので、『10匹、20匹くらいなら、まあ、普通に対処出来る。最悪、その数が100匹まで伸びても、まあ、なんとか……』などと甘く考えていたのだ、
――が、まさかの100万匹。
そこまで数字がイカれてしまうと、残りの余裕はゼロを切る。
衝撃の中で、しかし、冷静に、
(一撃や二撃で殺せるバスターデーモンが100万匹なら、気力しだいで、どうとでもなる。10秒ごとに一匹で100万ってことは、1000万秒。およそ100日。『睡眠不要』のスペシャルはGPで買えるから、殺せるザコしか出てこないなら、あとは、俺の精神力・根性しだい……)
――ザコモンスター、10秒に一匹なら永遠に殺せる説。
――今回の検証者は、ゼン。
ちなみに、『睡眠不要』は『ブルーツースペシャル』なので、『1000GP』で買える。
ブルーツースペシャルは、かなり安いが、しかし、それは初回だけで、続けて他のブルーツースペシャルを買おうとすると、次は10万GPとなり、その次は1億GP、と、どんどん増えていくため、安いからと買い占める事は出来ない。
ちなみに、スペシャルのランクとお値段は↓の通り。
・レッドスペシャル 『マイナス1~』GP
・ブルースペシャル 『500』GP
・ブルーツースペシャル 『1000』GP
・ブルースリースペシャル 『100万』GP
・ゴールドスペシャル 『100億』GP
・プラチナスペシャル 『1兆』GP
レッドスペシャルを獲得した場合、マイナスが引かれるので、つまりGPが増える。
キツいレッドスペシャルをつけた場合、10万や100万がプラスされたりもする。
ようするに、GP的アリア・ギアスである。
(……10秒以内に殺せるうちは、俺の気力しだい……だが、時間内に殺せないぐらいの強さになってきたら……)
冷や汗が流れた。
絶望に包まれる。
あとは、数の暴力でボコボコにされて終了。
当然だが、100日も持たないので、使用後に気絶してしまうエグゾギアは使えない。
「ルール説明は以上。それでは頑張ってくれ」
そして、また、バスターデーモンが出現する。
心なしか、先ほどよりもムキムキ度合いが増している気がする。
「くっ! 呪縛ランク2!」
まだ、呪縛はきいてくれている。
HPにもそこまで変動はないのか、二撃で死んだ。
(やべぇ! マジか! マジで100万匹か?! やばい、やばい、やばい!)
10秒の休憩中、ゼンは必死に頭をまわす。
――どうやって、この絶望的な状況を切りぬける?
★
――そんなゼンを、どこかで見ている『神』がボソっと言う。
『まずは、一次試験。たかが100日。……ここで足切りをくらうようじゃ、俺のテストを受ける資格すらない』
『神』は、いっさいの情け容赦なくゼンを試す。
救いはない。
ゼンの地獄が始まる。
★
(エグゾギアは使えない……くそ、まとめて出てきてくれれば、100万匹だろうと、100億匹だろうと、余裕で殺せるのに!)
歯痒さに包まれていると、また、バスターデーモンが出現する。
「っ、呪縛ランク2!」
まだ、動きを止める事はできる。
だが『だんだん、利きづらくなっている』と感覚で分かる。
『固さ』も少しずつ増しているようで、
二撃でもオーバーキルではなくなってきた。
(おいおい……ちょっと待ってくれ……まだ十体も倒していないのに……こ、このペースで強化されたら、50匹もいかない内に、余裕で詰むぞ……)
ゼンは少し悩んだが、
(死んだら終わりで、ボーナスもクソもない……しゃーねぇ、レベル解禁してやる)
『GODレベルの仕様』で、レベル20より下なら、GL経験値のボーナスが膨大に入る。
そのため、ゼンは、ここまでは、あえてレベルを上げずにきた、
――が、こうなってしまえば仕方がない。
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