センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
3話 予選の最終ステージ。
3話 予選の最終ステージ。
ゼンが、
(気絶したあとは、いつもどおり、ニーに運んでもらうとして……あとは、この黒トカゲの倒し方。いや、こいつ一匹だけなら、別に俺が出なくてもいいかな。ハルス相手にいまさら隠さなくてもいいかもしれないが、あえて見せつける必要もないし……)
などと、考えていると、
「最終ステージは、ここまでとはガラっと趣を変えて、個々の実力を試させてもらう」
その発言を聞いて、ゼンチームのメンバー全員の耳がピクっと動く。
「一人一人に試練を受けてもらい、クリアできた者だけが外に出られるというシステム。ちなみに、それぞれが、どの試練を受けるかも、クジで決めようと思っている。異論・反論は受け付けない。ここでは私がルールだ」
その発言を受けて、ハルスが、
(別におかしな話じゃねぇ……『99階だと嘘をついて精神を削ってきた』のも、『最終的には個々の実力を試す』というのも、『冒険者試験らしい』っちゃらしい……となると、やはり、俺が見落としただけで、何かしら、ここまで辿り着く方法があったんじゃ――)
と、考えていると、
「ちなみに言っておこうか。正直、驚かされている。君たちは、ここまで自力でボスを倒してきたわけだが……まさか、そんな事が出来る者がいるとは思わなかった」
その発言を受けて、ハルスがグっと眉間にしわを寄せた。
と同時に、ゼンが、
「はぁ? ってことは、もしかして、『別に、あいつらを倒さなくとも、ここまで辿り着く方法はあった』ってこと?」
「逆に、なぜ『ない』と思えたのか不思議なのだが?」
イラっとした顔をしているゼンの横で、
ハルスが、心の中で、
(やはり、か。しかし、どんな方法が――)
「ちなみに、種明かしをする気はない。無意味だからな」
というか、そんなものはないから。
『こじつけの説明』をしようかと、『セン』は悩んだが、
『別に、そこでリアリティを出す必要性はない』と判断したため、削られたのだった。
「さて、それではそろそろはじめよう。最初の挑戦者は君だ。クジをひきたまえ」
指を指されたハルスの目の前に、例の『神社でよく見るタイプの筒』が出現した。
ハルスは、
(確かに、どんな種があったのか、いまさら説明されても意味はないな)
心の中でそうつぶやいてからサクっとクジをひく。
ハルスが引いた『棒みたいなモノ』の先には、象形文字のよう何かが書かれているが、この世界で使われている言葉ではないので、ハルスたちでは読みとることができない。
ハルスが、
「おい、これは何――」
と、アビスに尋ねようとしたところで、
ハルスの手の中から、筒と棒が消えて、
気付いた時には、
どちらもアビスの手の中にあった。
アビスは、『ハルスが引いた棒の先に書かれている象形文字』をサクっと確認してから、
「89番か。おやおや、これは大変だな。大凶だ」
言いながら、その棒を片手で、パキっとへし折った。
すると、ハルスの前に、ジオメトリが出現し、
そこから、二体のモンスターが出現する。
「ワンダーナイト(強)と悟鬼(強)の二体を同時に倒せ。それが君に課せられた、予選のラストミッションだ。ちなみに言っておくが、この闘いでは、これまでのような『抜け道』は存在しない。勝てなければ死ぬしかない。存在しない『他の方法』など探さず、目の前の敵にだけ集中して闘う事を強くお勧めする」
(……それもウソである可能性はゼロじゃないが……もし、本当に俺が大凶を引いたのであれば、この状況は、ありえないってほどじゃない。そもそもパラソルモン攻略という大凶を引いておいて、またさらに、ここでも大凶を引いている訳だからな……)
大凶に大凶を重ねた結果だというのなら、
この二体は、『妥当』――とは言えないものの、
『不条理が過ぎる』と叫び嘆くほどの相手ではない。
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
310
-
-
15255
-
-
222
-
-
353
-
-
93
-
-
70813
-
-
58
-
-
2288
-
-
3431
コメント