センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
23話 『究極超神センエース』VS『フッキ・ゴーレム』
23話 『究極超神センエース』VS『フッキ・ゴーレム』
『無能の世界ではマシな方かもしれんが、神の世界ではゴミでしかない』
「神の世界ねぇ……お前は『そこ』を知ってんのか?」
『お前ごときでは理解できないだろうが、俺は、そのステージにたっている』
「いや、ステージとか、そういう抽象的な事じゃなく、『神の世界』という場所を知っているかという質問だったんだが……まあ、いいや。めんどくせぇ」
言ってから、センは両手の指をバキバキっと鳴らし、
「質疑応答なんかしなくとも、奪ってからメモリを解析すればそれで事足りる。俺は別に効率厨さんじゃねぇが、無駄に時間を浪費するのが趣味って訳でもないんでね」
ツラツラとそう言って、
「とりあえず、まずは分解させてもらう」
『やれやれ。格の違いも分からない無能が、息まきやがって……目障りだ。現実に潰されて死ね。究極を超えた果て、その更に先へと至った力を知るがいい』
そこまでは黙って話を聞いていたアダムだったが、
「む、無能だと……全世界の太陽、偉大なる煌めきの頂点、この上なく尊い大御神である主上様に対し……が、が、ガラクタがぁ……」
ブチ切れた顔で、
「主上様、アレを分解する御役目、どうか私に」
「んー……」
そこで、センは数秒考えてから、
「いや、アレは俺のおもちゃだ。手は出すな」
「っ……おおせのままに」
アダムを抑えつけてから、センは一歩前に出て、
「さぁて、それじゃあ、はじめようか。遊んでやるよ、ガラクタ。お前に、究極を超えた果て、そのさらに先の先の先の先の先にある風景を見せてやる」
『虫ケラが不用意に粋がるな、みっともない』
やれやれとでも言いたげに首をふってから、
『世界の真理を知るがいい』
言って、フッキ・ゴーレムは、ググっと身を低くした。
センにロックオンし、デコピンの構えを取る。
ダンっと、その巨体を軽快に駆動させ、
ほぼ一瞬で、センの目の前まで距離を詰め、バチンと弾こうとしたが、
『――っ?』
デコピンをしようとした直前で、センの姿がフッキの視界から消えた。
即座に、警戒レベルを引き上げて、周囲全方位をサーチするが、どこにもいない。
影も形も残滓もない。
だが、二秒後、
「まだ、究極超神化7には届いていないが、どうにか、無詠唱かつ一瞬での究極超神化6への変身は可能に出来た。これが如何に『とんでもない偉業』なのかすら、お前程度では理解できないだろう」
どこからともなく、そんな声が聞こえてきた。
『どこだ……どこにいる……?? この声……いったい、どこから聞こえている……これは、どういうことだっ……っっ!』
ただ声だけを感じる。
それ以外は何も感じられない。
奇妙だった。
自身に何が起こっているか、まるで理解できない。
「お前の存在値は、確かに神の領域にある。驚愕すべき莫大な数字だ――が、お前の場合、本当にただの数字でしかない」
『なにをわけのわからないことを! それより、いったい、どこから――』
「メモリに刻め。学習する機会をくれてやる。神の世界では、『レベルを上げて物理で殴る』は通じない。もう一歩『ナナメ上』の世界にいけば、また話は変わってくるが、お前はその領域には達していない」
その言葉を最後に、フッキ・ゴーレムの視界が真っ暗になった。
処理スペースは残っている。
高速処理用の『感覚』は在る。
だが、視界が暗い。
何も見えない。
奪われた――と、気付けもしないまま、
「認識の改竄と、完全なる『闇の世界』の創造。対抗策を持たないお前は、最初から詰んでいたって話。……まさか、この俺と、殴り合いや照射の撃ちあいが出来るとでも思ったか?」
『い、いったい……なにが……』
「数字しか『誇れる背中』を持たない虫ケラよ。気付いていないようだから、特別に優しく教えてやる。――頭が高い。お前が立っているソコは、神の御前である」
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