センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
39話 夜明け
39話 夜明け
「「……」」
リーンもサリエリも黙ってうつむく。
何も言えない。
ラムドがこの国に、誰よりも貢献してきたのは事実。
ぶっちゃけ、リーンとサリエリがいなくとも、
ラムドさえいれば、魔王国は成立する。
ラムドは、一貫して『自国の発展に興味がない』というスタンスだったが、
それでも、事実、魔王国は、ラムドがいたから発展し成長した。
頭も能力も、全てが、誰よりも優れている宰相。
『剣の腕』と『カリスマ』だけはリーンの方が上だが、
それ以外は全てラムドの方が上。
各国首脳の誰もが思っている、魔王国はラムドが創った国だと。
と、そこで、リーンが、うつむいたまま、
「……そ、そこまで言うのなら……さ、最初から……ぉ、お前が王になれば良かっただろう……」
ワナワナとふるえ、
「はじまりの、あの日……モンスター傭兵団を結成するとき、ワシは、お前に頼んだはずだ。お前こそが頭領に相応しいと、ワシはただのバカだからトップは張れないと、キチンと言ったはずだ! 剣しか取り得のないワシは、特攻隊長が似合いだと、最初にちゃんと言ったはずだ! しかし『面倒だから』と、頭の役目をワシに押し付けたのはお前だろう! お前がやってくれなかったから! ガラでもないのに、ワシが、ここまで必死にがんばってきたんだろう!」
「ああ、そうだな。で、だからなんだ? それでも、結果的に、お前が自分で選んだ道であることに変わりはないだろう。『誰もやってくれなかったから』なんて、なんの言い訳にもならない。それとも、まさか、この期に及んで『だから仕方ない』と自分の失態を肯定する気か? それとも、『もういいや』と全てを投げだすか? バカを丸出しにするのも大概にしておけ」
「……そこまで……言われるようなことを……してきたのか……ワシは……」
ぽろぽろと涙を流し、
「……ワシは、ただ、がんばって……みんなが幸せになるように……必死に、がんばって」
小さな両手をにぎりしめ、
クシャクシャの顔で、
「……なのに、なんで……みんなして……ワシを非難してばかり……」
そんなリーンに、
ゴートは言う。
「非難? アホをいうな。というか、いい加減、理解しろ。泣いたりわめいたりする前に、まず誇れ、我が王」
「ほこ……ぇ?」
「お前は確かに頑張った。必死になって、平和を体現させようとした。だからこそ、魔王国には強固な下地ができた。そして、大義名分も得た。いいか、我が王。現実を直視しろ。悲観する事など、実はナニもないんだ。すべて、俺のシナリオ通りに事が進んでいる」
「……シナリオ……どおり……」
「我が王リーン・サクリファイス・ゾーン。もう二度と振り返らなくていい。これからは前だけ見てろ。そうすれば、その手は、希望に届く。この俺が、お前の道を妨げる『全て』を殺してやる。くだらねぇ不条理を、イラつく不合理を、全部まるごと、たたっ切って、お前が望む、『本物の平和』って幻想を、『とびっきりの現実』に変えてやる!」
ラムドは、まっすぐに前を見つめ、
「もう、なにも心配しなくていい! 俺が連れていってやる! 全ての戦争の向こう! あまねく絶望の果て! 妄想のハッピーエンドじゃねぇ。リアルな『めでたしめでたし』をこの世界にくれてやる! 『輝く明日』を想える『本物の今日』へ辿り着いてやる!」
ゴートは、『ギリギリ、ラムドの部分』を残しながら、
しかし、
「忘れるな、リーン。いつだって、お前の隣には……俺がいるっ!」
ド直球で、溢れ出る『センエースの輝き』を魅せつけた。
――だから、結果、
「ほんとうに……できるのか……?」
リーンの心にも、未来が灯る。
その魂が、センエースを抱く。
而して、『妥協の仕方だけ上手くなる旅』が終わる。
全てを照らしてくれる『その光』は道標であり後光。
『暗闇の中で無様に怯えていた王』はもういない!
「出来るかどうかはどうでもいい。やると言っている。何もかも、最初はそこからだ。そして、俺の決断は揺るがない。絶対に折れてやらねぇと心に決めたから」
驚くほど、ラムドの言葉は、『リーンの心』の奥へ奥へと浸透していく。
『その背中についていきたい』と『魂の芯』が望んでいるのが分かった。
「いいかげん、腹を決めろ、リーン・サクリファイス・ゾーン。かつて、お前自身が言った言葉を思い出せ」
――平和を望むのは、平和になってからにしろ。
今は血に濡れて踊れ!
力なき正義は悪にも劣る!
闘え! ワシらは醜悪な殺戮兵器! 我ら魔王軍の脅威を世界に刻みこめ!
さあ、野郎ども!
声を嗄らして叫びやがれぇ! ワシらの血は何色だぁああ!
「まだ戦争は終わっていない。結局のところは、それだけの話。だから、終わらせにいく。その準備は整った。さあ、今こそ、声をからして叫べよ、我が王。俺達の血は何色だ?」
「「……」」
リーンもサリエリも黙ってうつむく。
何も言えない。
ラムドがこの国に、誰よりも貢献してきたのは事実。
ぶっちゃけ、リーンとサリエリがいなくとも、
ラムドさえいれば、魔王国は成立する。
ラムドは、一貫して『自国の発展に興味がない』というスタンスだったが、
それでも、事実、魔王国は、ラムドがいたから発展し成長した。
頭も能力も、全てが、誰よりも優れている宰相。
『剣の腕』と『カリスマ』だけはリーンの方が上だが、
それ以外は全てラムドの方が上。
各国首脳の誰もが思っている、魔王国はラムドが創った国だと。
と、そこで、リーンが、うつむいたまま、
「……そ、そこまで言うのなら……さ、最初から……ぉ、お前が王になれば良かっただろう……」
ワナワナとふるえ、
「はじまりの、あの日……モンスター傭兵団を結成するとき、ワシは、お前に頼んだはずだ。お前こそが頭領に相応しいと、ワシはただのバカだからトップは張れないと、キチンと言ったはずだ! 剣しか取り得のないワシは、特攻隊長が似合いだと、最初にちゃんと言ったはずだ! しかし『面倒だから』と、頭の役目をワシに押し付けたのはお前だろう! お前がやってくれなかったから! ガラでもないのに、ワシが、ここまで必死にがんばってきたんだろう!」
「ああ、そうだな。で、だからなんだ? それでも、結果的に、お前が自分で選んだ道であることに変わりはないだろう。『誰もやってくれなかったから』なんて、なんの言い訳にもならない。それとも、まさか、この期に及んで『だから仕方ない』と自分の失態を肯定する気か? それとも、『もういいや』と全てを投げだすか? バカを丸出しにするのも大概にしておけ」
「……そこまで……言われるようなことを……してきたのか……ワシは……」
ぽろぽろと涙を流し、
「……ワシは、ただ、がんばって……みんなが幸せになるように……必死に、がんばって」
小さな両手をにぎりしめ、
クシャクシャの顔で、
「……なのに、なんで……みんなして……ワシを非難してばかり……」
そんなリーンに、
ゴートは言う。
「非難? アホをいうな。というか、いい加減、理解しろ。泣いたりわめいたりする前に、まず誇れ、我が王」
「ほこ……ぇ?」
「お前は確かに頑張った。必死になって、平和を体現させようとした。だからこそ、魔王国には強固な下地ができた。そして、大義名分も得た。いいか、我が王。現実を直視しろ。悲観する事など、実はナニもないんだ。すべて、俺のシナリオ通りに事が進んでいる」
「……シナリオ……どおり……」
「我が王リーン・サクリファイス・ゾーン。もう二度と振り返らなくていい。これからは前だけ見てろ。そうすれば、その手は、希望に届く。この俺が、お前の道を妨げる『全て』を殺してやる。くだらねぇ不条理を、イラつく不合理を、全部まるごと、たたっ切って、お前が望む、『本物の平和』って幻想を、『とびっきりの現実』に変えてやる!」
ラムドは、まっすぐに前を見つめ、
「もう、なにも心配しなくていい! 俺が連れていってやる! 全ての戦争の向こう! あまねく絶望の果て! 妄想のハッピーエンドじゃねぇ。リアルな『めでたしめでたし』をこの世界にくれてやる! 『輝く明日』を想える『本物の今日』へ辿り着いてやる!」
ゴートは、『ギリギリ、ラムドの部分』を残しながら、
しかし、
「忘れるな、リーン。いつだって、お前の隣には……俺がいるっ!」
ド直球で、溢れ出る『センエースの輝き』を魅せつけた。
――だから、結果、
「ほんとうに……できるのか……?」
リーンの心にも、未来が灯る。
その魂が、センエースを抱く。
而して、『妥協の仕方だけ上手くなる旅』が終わる。
全てを照らしてくれる『その光』は道標であり後光。
『暗闇の中で無様に怯えていた王』はもういない!
「出来るかどうかはどうでもいい。やると言っている。何もかも、最初はそこからだ。そして、俺の決断は揺るがない。絶対に折れてやらねぇと心に決めたから」
驚くほど、ラムドの言葉は、『リーンの心』の奥へ奥へと浸透していく。
『その背中についていきたい』と『魂の芯』が望んでいるのが分かった。
「いいかげん、腹を決めろ、リーン・サクリファイス・ゾーン。かつて、お前自身が言った言葉を思い出せ」
――平和を望むのは、平和になってからにしろ。
今は血に濡れて踊れ!
力なき正義は悪にも劣る!
闘え! ワシらは醜悪な殺戮兵器! 我ら魔王軍の脅威を世界に刻みこめ!
さあ、野郎ども!
声を嗄らして叫びやがれぇ! ワシらの血は何色だぁああ!
「まだ戦争は終わっていない。結局のところは、それだけの話。だから、終わらせにいく。その準備は整った。さあ、今こそ、声をからして叫べよ、我が王。俺達の血は何色だ?」
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