センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
71話 二重スパイ
71話 二重スパイ
『ゴート様は、今、ゼノリカから【巨悪となる】ことを命じられていると思いますが、それを、そのまま利用し、天国に、あなた様の飛び抜けた優秀さを示してください。そうすれば、向こうから近付いてくるはずです』
『二重スパイか……スリリングだな』
『その際、留意すべきは、力を見せすぎてはいけないという点です。もし、エレガが、あなた様という【エレガを殺せる力】を持った者の存在に気付いたら、エレガは対抗策としてフッキを使うでしょう。そうなれば勝ち目はなくなります』
『他人に断定されるとムカつくが……まあ、事実だな。正直、フッキ・ゴーレムには勝てる気がしない』
『世界を守るための手段は一つ。気付かれないよう、ソっとエレガのふところに忍び寄り、暗殺するしかありません』
『……暗殺ねぇ……しかし、ソっと踏み込むっつっても、それほどの力を持つヤツに正体がバレないようになんてできるものなのか? どうせ、そのエレガってやつもプロパティアイを持っているんだろう?』
『微力ながら力をお貸しします。まことに勝手ながら、あなた様のフェイクオーラを加工し、誰の目にも正体がバレないように致しました』
(そんな事まで出来るのか……このソルってやつ、本当に何者なんだ……神にしか出来ない術が使えて、エレガのような神にも抗おうとしているところから鑑みるに、こいつも、なんかしらの神なんだろうが……)
少しだけ沸いた疑念も、
『それでは、エレガ会暗殺計画をつめていきましょう』
ソルのマシンガントークに遮られる。
『まず、近々、フーマーの上層部が、ゴート様――正確には、ラムド・セノワールに近づいてくるはずです。ゼノリカとは別の、いわば【五神の下部組織】。偶像のセンエースではなく、エレガそのものに忠誠を誓っている飼い犬『フーマーの使途』、その一人になるようにと言い寄ってくるでしょう』
増えていく情報量。
処理がどんどん難しくなっていく。
『? それは……ん? どういうことだ? 使途と呼ばれているフーマーの最高位権力者集団は知識として知っているが……それが俺に接触してくる? いったい……』
『ハッキリ言います。勇者の襲来も、ゼノリカの陰謀も、すべて、エレガのシナリオ通りという事です』
『……ぇ……ぇと……』
いきなり飛躍しすぎて、処理しきれない。
しかし、そんなことはおかまいなしで、ソルは続ける。
『つまり、エレガはラムド・セノワールをとことん利用する気、という事です』
まだなにも理解できていないのに、バンと結論だけをたたきつけられる。
となると、以降は、その前提を補強するだけの時間になるわけで、
『――もうおわかりでしょう? エレガは、ゼノリカを通してラムドという存在を暴れさせ、無為な混沌を撒き散らそうとしているだけなのです』
その後の救済など起こらない。
ラムド・セノワールは、ただ、破滅を産むコマ。
闇に根を張る危険分子。
全方位の悪。
全ての元凶。
それが、ラムド・セノワールの役目だと、ソルは言う。
『勇者を、ゼノリカを、使途を利用し、ラムド・セノワールという、ちょうどいい悪――いわばガンを捏造し、このエレガが望まぬ進化を遂げた世界をフッキに滅ぼさせる理由にしようとしているのです』
『シミがついたのはソデだけ。けど、洗濯機には服をまるごといれる……みたいな?』
『エレガが、その汚れた服をぶちこもうとしているのは、洗濯機ではなく焼却炉です。新しい服が欲しくなったエレガは、興味がなくなった服を捨てる理由に、ラムド・セノワールというシミを利用しようとしている』
『ふ、む……』
結論が補強されていく。
理解に届き、だから疑問も沸く。
『一つ質問だ。エレガってのは、フッキをコントロールできるほどの圧倒的な力をもつ神なんだろう? なら、【俺というシミを世界につける】なんて面倒なマッチポンプをかまさず、ただ火をつければいいだけじゃ――』
『そこが、エレガの最も醜い点です。彼女は、これまでに人類を77回も、己のワガママで滅ぼしておきながら、まだ、崇高な神でありたがっているのです。世界が滅びるのは、自分のせいではなく、【汚れてしまった世界のせいだ】と責任をなすりつけようとしている』
――ソル史観、まとめ。
『勇者襲撃。エレガの試練。乗り越えられたら、ラムドは使途になる。確率は半々』
『そのタイミングで、ゼノリカがラムドに接触』
『結果、勇者を撃退。ラムドが使途になる資格を得る』
『その裏で、ラムドは、ゼノリカから巨悪になれと命じられる』
『フーマーの使途は、ラムドがゼノリカの密命を受けている事を知らない』
・今ココ↑
・これから↓
『世界の中枢の一部(フーマーの使途)として、ラムドが悪を拡散』
『フーマー混乱。――え、なにやってんの、ラムドくん?』
『秩序の象徴であるフーマーの混沌は、世界の混沌と同義』
『多角的かつ全方位に狂っていく歯車』
『しっちゃかめっちゃか』
『ゼノリカが救済に入る――その前に、』
『エレガの【こんな汚れた世界きらい、消えちゃえ、ぽいー】が実行』
『エレガと天国と五神だけ残して、あとは消滅』
マッチポンプ、終了。
明確な事実に、致命的な虚構を織り交ぜて、
確定で『面倒なすれ違い』が起こるシナリオを組んだソル。
ハッキリ言おう。
ソルは、ゴートを全力で騙しにかかっている。
その目的とは――
『ゴート様は、今、ゼノリカから【巨悪となる】ことを命じられていると思いますが、それを、そのまま利用し、天国に、あなた様の飛び抜けた優秀さを示してください。そうすれば、向こうから近付いてくるはずです』
『二重スパイか……スリリングだな』
『その際、留意すべきは、力を見せすぎてはいけないという点です。もし、エレガが、あなた様という【エレガを殺せる力】を持った者の存在に気付いたら、エレガは対抗策としてフッキを使うでしょう。そうなれば勝ち目はなくなります』
『他人に断定されるとムカつくが……まあ、事実だな。正直、フッキ・ゴーレムには勝てる気がしない』
『世界を守るための手段は一つ。気付かれないよう、ソっとエレガのふところに忍び寄り、暗殺するしかありません』
『……暗殺ねぇ……しかし、ソっと踏み込むっつっても、それほどの力を持つヤツに正体がバレないようになんてできるものなのか? どうせ、そのエレガってやつもプロパティアイを持っているんだろう?』
『微力ながら力をお貸しします。まことに勝手ながら、あなた様のフェイクオーラを加工し、誰の目にも正体がバレないように致しました』
(そんな事まで出来るのか……このソルってやつ、本当に何者なんだ……神にしか出来ない術が使えて、エレガのような神にも抗おうとしているところから鑑みるに、こいつも、なんかしらの神なんだろうが……)
少しだけ沸いた疑念も、
『それでは、エレガ会暗殺計画をつめていきましょう』
ソルのマシンガントークに遮られる。
『まず、近々、フーマーの上層部が、ゴート様――正確には、ラムド・セノワールに近づいてくるはずです。ゼノリカとは別の、いわば【五神の下部組織】。偶像のセンエースではなく、エレガそのものに忠誠を誓っている飼い犬『フーマーの使途』、その一人になるようにと言い寄ってくるでしょう』
増えていく情報量。
処理がどんどん難しくなっていく。
『? それは……ん? どういうことだ? 使途と呼ばれているフーマーの最高位権力者集団は知識として知っているが……それが俺に接触してくる? いったい……』
『ハッキリ言います。勇者の襲来も、ゼノリカの陰謀も、すべて、エレガのシナリオ通りという事です』
『……ぇ……ぇと……』
いきなり飛躍しすぎて、処理しきれない。
しかし、そんなことはおかまいなしで、ソルは続ける。
『つまり、エレガはラムド・セノワールをとことん利用する気、という事です』
まだなにも理解できていないのに、バンと結論だけをたたきつけられる。
となると、以降は、その前提を補強するだけの時間になるわけで、
『――もうおわかりでしょう? エレガは、ゼノリカを通してラムドという存在を暴れさせ、無為な混沌を撒き散らそうとしているだけなのです』
その後の救済など起こらない。
ラムド・セノワールは、ただ、破滅を産むコマ。
闇に根を張る危険分子。
全方位の悪。
全ての元凶。
それが、ラムド・セノワールの役目だと、ソルは言う。
『勇者を、ゼノリカを、使途を利用し、ラムド・セノワールという、ちょうどいい悪――いわばガンを捏造し、このエレガが望まぬ進化を遂げた世界をフッキに滅ぼさせる理由にしようとしているのです』
『シミがついたのはソデだけ。けど、洗濯機には服をまるごといれる……みたいな?』
『エレガが、その汚れた服をぶちこもうとしているのは、洗濯機ではなく焼却炉です。新しい服が欲しくなったエレガは、興味がなくなった服を捨てる理由に、ラムド・セノワールというシミを利用しようとしている』
『ふ、む……』
結論が補強されていく。
理解に届き、だから疑問も沸く。
『一つ質問だ。エレガってのは、フッキをコントロールできるほどの圧倒的な力をもつ神なんだろう? なら、【俺というシミを世界につける】なんて面倒なマッチポンプをかまさず、ただ火をつければいいだけじゃ――』
『そこが、エレガの最も醜い点です。彼女は、これまでに人類を77回も、己のワガママで滅ぼしておきながら、まだ、崇高な神でありたがっているのです。世界が滅びるのは、自分のせいではなく、【汚れてしまった世界のせいだ】と責任をなすりつけようとしている』
――ソル史観、まとめ。
『勇者襲撃。エレガの試練。乗り越えられたら、ラムドは使途になる。確率は半々』
『そのタイミングで、ゼノリカがラムドに接触』
『結果、勇者を撃退。ラムドが使途になる資格を得る』
『その裏で、ラムドは、ゼノリカから巨悪になれと命じられる』
『フーマーの使途は、ラムドがゼノリカの密命を受けている事を知らない』
・今ココ↑
・これから↓
『世界の中枢の一部(フーマーの使途)として、ラムドが悪を拡散』
『フーマー混乱。――え、なにやってんの、ラムドくん?』
『秩序の象徴であるフーマーの混沌は、世界の混沌と同義』
『多角的かつ全方位に狂っていく歯車』
『しっちゃかめっちゃか』
『ゼノリカが救済に入る――その前に、』
『エレガの【こんな汚れた世界きらい、消えちゃえ、ぽいー】が実行』
『エレガと天国と五神だけ残して、あとは消滅』
マッチポンプ、終了。
明確な事実に、致命的な虚構を織り交ぜて、
確定で『面倒なすれ違い』が起こるシナリオを組んだソル。
ハッキリ言おう。
ソルは、ゴートを全力で騙しにかかっている。
その目的とは――
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