センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
65話 ようやく繋がる。
65話 ようやく繋がる。
『……しないではなく、出来ない、ねぇ。あんた、いちいち怪しいな。ちなみに、俺の主観・視点では、【そういう言い回し】って、だいたい、嘘つきの常套手段なんだよ。【そう言っておけば騙せるだろ感】をヒシヒシと感じてしまう。……そんな俺の猜疑心を、あんたは、どう乗り越える? ちゃんと言葉にして言っておくが、今のところ、あんたと俺の信頼関係は絶望的だぜ』
『疑われても仕方がないと思います。しかし、本当に説明出来ないのです。もうしわけありません』
ソルは、心がこもっているように聞こえなくもない言葉でそう謝罪をしてから、
『……今の私では、ギリギリでも、【あなた様とUV1様の蘇生に関しては、私自身の力というより、かなり無茶なアリア・ギアスを使ったから成せた】という事くらいしか言えないのです。押しつけがましい事は言いたくありませんが、ゴート様を蘇生させるために、私はかなり無茶をしました』
『……メチャクチャおしつけがましい……が、これは、それを言わせるまで踏み込んだ俺に責任があるな』
そこでゴートは、二秒ほど沈黙し、
『もし、あんたの言う事が全て事実だったとしたら、俺はあんたに最大級の感謝をしなければいけないだろう。まだ、嘘かほんとか分からないから、真正面から感謝の言葉は述べられない……が……いい加減、『事実だ』と仮定しないと話が進みそうにないから、とりあえず、それが事実だったとして対応させてもらおうか。助かった。感謝する』
『いえ、ゴート様に死なれては、私が困るというだけです』
『正直だな……嫌いじゃない。信用度が少しあがった。で?』
『どうしても、ゴート様にご相談したい事がございまして、こうして話しかけた次第です。お時間、いただけますか?』
『……暫定的とはいえ、命の恩人をないがしろにする気はない。……で?』
『本題の前に、まずは、前提として、フッキ・ゴーレムについて、ただしく理解していただかないといけません』
『っ?! アレについて何か知っているのか?!』
『はい。全てではありませんが』
『……教えてくれ。ぜひ。アレはなんだ? なんであんなにメチャクチャな強さを持っている? ぁあ、いや、それよりも、あいつが外に出る可能性について聞きたい。何よりもまずはそこだ。というか、そこ以外はどうでもいい』
焦って早口になるゴートに、ソルはたんたんと、
『フッキ・ゴーレムは、あの場所から動けません。つまり、フッキ・ゴーレムが外に出る事はありません』
『……そう、なのか…………そう、か』
あからさまにホっとするゴート。
別に、まだソルを完全に信用したというワケではない――が、しかしソルの発言が事実なら、こんなに嬉しい事はない。
『ただし、それは、突発的な事故等でフッキ・ゴーレムが外に出てしまう事はないという意味でしかありません。フッキ・ゴーレムの【製作者】が望めば、フッキ・ゴーレムはなんでもできます。外に出ることも、世界を焼き尽くすことも』
ソルの発言を聞いて、
『……』
グっと奥歯を噛んだゴート。
眉間にしわがよって、ギリギリと歯が軋む。
この声の主に対して殺意が沸いた。
――なんだ、その逆撫でするような言い回し、おちょくってんのか?
と、怒りが込み上げてきた。
同じ絶望でも、一度上げてから落とされた方が濃度は高まる。
ゴートが文句を言うよりもはやく、ソルは続ける。
『……フッキ・ゴーレム。あれは神の最高傑作』
『……神?』
そこで、ピンと閃くゴート。
『まさか、アレの製作者ってのは、センエースか?』
フッキ・ゴーレムほどのバケモノを創造できるとなれば、最高峰の神に違いない。
そして、ゴートの知識にある神の中の最高峰は、
ゼノリカが信仰している神の中の神、神帝陛下センエース。
もしそうならば――と、思考が続きそうになったところで、ソルが、遮るように、
『いえ、センエースは単なる偶像です』
断言した。
ハッキリと言い捨てる。
『誰もが心に描く理想のヒーロー。つまりはフィクション。実在はしません』
――いるかもしれない。
――いないかもしれない
――いたらいいなぁ。
――いないだろうなぁ。
そんな議論をかっ飛ばして、
ソルは、ハッキリと、
『存在はしない』と断言してしまった。
ソルの発言を受けて、
(……ふぅん……まあ、だろうな)
ゴートは素直に頷いた。
ソルはセンエース不在説の根拠を提示した訳ではない。
だが、それでも、スっと入ってきてしまった。
『そんなもんいる訳がない』という常識的前提が強すぎた結果。
『フッキの製作者――この世界の神の名前は、エレガ・プラネタ。強大な力を持つ神々をたばねる天帝。不条理でワガママな最低の神です』
『……しないではなく、出来ない、ねぇ。あんた、いちいち怪しいな。ちなみに、俺の主観・視点では、【そういう言い回し】って、だいたい、嘘つきの常套手段なんだよ。【そう言っておけば騙せるだろ感】をヒシヒシと感じてしまう。……そんな俺の猜疑心を、あんたは、どう乗り越える? ちゃんと言葉にして言っておくが、今のところ、あんたと俺の信頼関係は絶望的だぜ』
『疑われても仕方がないと思います。しかし、本当に説明出来ないのです。もうしわけありません』
ソルは、心がこもっているように聞こえなくもない言葉でそう謝罪をしてから、
『……今の私では、ギリギリでも、【あなた様とUV1様の蘇生に関しては、私自身の力というより、かなり無茶なアリア・ギアスを使ったから成せた】という事くらいしか言えないのです。押しつけがましい事は言いたくありませんが、ゴート様を蘇生させるために、私はかなり無茶をしました』
『……メチャクチャおしつけがましい……が、これは、それを言わせるまで踏み込んだ俺に責任があるな』
そこでゴートは、二秒ほど沈黙し、
『もし、あんたの言う事が全て事実だったとしたら、俺はあんたに最大級の感謝をしなければいけないだろう。まだ、嘘かほんとか分からないから、真正面から感謝の言葉は述べられない……が……いい加減、『事実だ』と仮定しないと話が進みそうにないから、とりあえず、それが事実だったとして対応させてもらおうか。助かった。感謝する』
『いえ、ゴート様に死なれては、私が困るというだけです』
『正直だな……嫌いじゃない。信用度が少しあがった。で?』
『どうしても、ゴート様にご相談したい事がございまして、こうして話しかけた次第です。お時間、いただけますか?』
『……暫定的とはいえ、命の恩人をないがしろにする気はない。……で?』
『本題の前に、まずは、前提として、フッキ・ゴーレムについて、ただしく理解していただかないといけません』
『っ?! アレについて何か知っているのか?!』
『はい。全てではありませんが』
『……教えてくれ。ぜひ。アレはなんだ? なんであんなにメチャクチャな強さを持っている? ぁあ、いや、それよりも、あいつが外に出る可能性について聞きたい。何よりもまずはそこだ。というか、そこ以外はどうでもいい』
焦って早口になるゴートに、ソルはたんたんと、
『フッキ・ゴーレムは、あの場所から動けません。つまり、フッキ・ゴーレムが外に出る事はありません』
『……そう、なのか…………そう、か』
あからさまにホっとするゴート。
別に、まだソルを完全に信用したというワケではない――が、しかしソルの発言が事実なら、こんなに嬉しい事はない。
『ただし、それは、突発的な事故等でフッキ・ゴーレムが外に出てしまう事はないという意味でしかありません。フッキ・ゴーレムの【製作者】が望めば、フッキ・ゴーレムはなんでもできます。外に出ることも、世界を焼き尽くすことも』
ソルの発言を聞いて、
『……』
グっと奥歯を噛んだゴート。
眉間にしわがよって、ギリギリと歯が軋む。
この声の主に対して殺意が沸いた。
――なんだ、その逆撫でするような言い回し、おちょくってんのか?
と、怒りが込み上げてきた。
同じ絶望でも、一度上げてから落とされた方が濃度は高まる。
ゴートが文句を言うよりもはやく、ソルは続ける。
『……フッキ・ゴーレム。あれは神の最高傑作』
『……神?』
そこで、ピンと閃くゴート。
『まさか、アレの製作者ってのは、センエースか?』
フッキ・ゴーレムほどのバケモノを創造できるとなれば、最高峰の神に違いない。
そして、ゴートの知識にある神の中の最高峰は、
ゼノリカが信仰している神の中の神、神帝陛下センエース。
もしそうならば――と、思考が続きそうになったところで、ソルが、遮るように、
『いえ、センエースは単なる偶像です』
断言した。
ハッキリと言い捨てる。
『誰もが心に描く理想のヒーロー。つまりはフィクション。実在はしません』
――いるかもしれない。
――いないかもしれない
――いたらいいなぁ。
――いないだろうなぁ。
そんな議論をかっ飛ばして、
ソルは、ハッキリと、
『存在はしない』と断言してしまった。
ソルの発言を受けて、
(……ふぅん……まあ、だろうな)
ゴートは素直に頷いた。
ソルはセンエース不在説の根拠を提示した訳ではない。
だが、それでも、スっと入ってきてしまった。
『そんなもんいる訳がない』という常識的前提が強すぎた結果。
『フッキの製作者――この世界の神の名前は、エレガ・プラネタ。強大な力を持つ神々をたばねる天帝。不条理でワガママな最低の神です』
コメント