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35話 ゼノリカの天下、百済の頭目

 35話


 カースの防御力は決して低くない。
 戦闘力はカス(現闘でも中の上くらい。神闘視点だとクソ以下)だが、ステータスは、現世基準だと、どれも高水準。
 体力はそれなり。硬さも申し分なし。そして、俊敏性が高いので、その気になれば回避タンクとしても使える(回避タンクとして優秀という訳ではないが)。


 本来のカースソルジャーは、『敵の周りをチョロチョロと走り回って、なるべく長時間生き残り、相手にデバフをなすりつけること』が目的の召喚獣。
 つまり、そう簡単に殺せる召喚獣ではない。


 ――だというのに、
 一瞬で、三体が戦闘不能状態にまで陥ってしまった。


「三体を一度に殺してしまうと完全消滅してしまうそうだから、一匹だけ半殺しで許してやったわ」


 UV1の言うように、二体は完全に消滅してしまったが、一体は、ズタズタのハチの巣状態で膝をついているものの、どうにか生き残っていた。


「私の慈悲に感謝しなさい」


 ニタっと黒く微笑むUV1。
 もちろん『カースを完全に消滅させなかった理由』は慈悲によるものじゃない。
 カースがいなくなると、今後のミッションに問題が生じるから。
 ゼノリカが利用しようとしている『ラムド』は、『カースあってこそ』だから。
 それだけ。
 だが、別に、全てを正直に伝える必要はない。
 今、この瞬間のUV1がこなしているミッションは、ゴートを黙らせること。
 ならば、ここは、サラっと『おためごかしておく』のがベスト。
 当然の趨勢すうせい


 ――などと計算しているUV1の向こうで、ゴートは、


「ぁ……ぁ……なっ……なにが起き……」


 茫然としていた。
 理解が追いつかない。


「バカな……ありえない……カースソルジャーは、一体でも、世界最強の勇者と同等だぞ……間違いなく、戦闘においては世界最高峰の召喚獣なんだ……な、なのに……一瞬……こ、こんなこと……」


 スリーピース・カースソルジャーが瞬殺されて、心底から愕然としたその理由は至極単純。


 ラムド(本物)が、事前に、サードアイでUV1を見通したため、ラムド(38歳のセンエース)も『UV1が相当な強者だ』と理解していた。
 UV1は間違いなく、圧倒的な強者。
 今のゴートでは絶対に勝てない超人。
 だが、ゴートに『理解できた』のはそこまで。


 具体的に、UV1がどの程度の強者なのかを想像する事はできなかった。


 当然の話。
 この世界の存在値平均は15前後(時代によって12だったり、17だったり)。
 最高峰強者(表)の存在値でも100以下。
 それが、この世界の常識。
 10以下はゴミ。
 20以上なら、まあ優秀。
 30あれば、どの分野でも重宝される超一流の人材。
 50を超えていれば、異常な領域。
 70~80は、支配者級。
 90を超えれば突然変異。


 勇者は、90を超えている突然変異。
 この世界では最強の超人。


 その勇者に、タイマンでは負けたが、三体同時で相手すれば楽勝できる『スリーピース・カースソルジャー』の存在値は150前後(カースソルジャー1体の存在値は105)。


 この世界において、存在値という概念は100前後で頭打ちするもの。
 テストの点に置き換えれば分かりやすいかもしれない。
 平均15点しか取れない、クソ難しいテスト。
 そのテストで満点近くをとれる、飛び抜けた天才の勇者。
 間違いなく天才の魔王やラムド。
 凄まじい天才の勇者をも超えている超天才のカースソルジャー。




 それが、ゴートの視点。
 この世界における常識。
 理解できる認知の範囲。




 それと比べて、ゼノリカはどうか。
 UV1の力はどうか。




 ゼノリカの天下、百済くだらの頭目。
 まだ神族ではないが、神の候補者にまで上り詰めたUV1の存在値は、










 『377』。










 かつ、戦闘力も、現世水準だと『異常なほど高い』という評価になる。
 つまり、信じられないくらい強い。
 あえていうならば、
 神のように強い。


 その異常な強さは、ゴート(ラムドにとっても、38歳のセンエースにとっても)に想像できる範囲を遥かに超えていた。











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