センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
9話 独白 理由
9話
――200億年。
子供の冗談のような数字。
耐えきられる訳がないと、俺自身、途中で何度も思った。
途中っていうか、序盤かな。
とかく、最初の方がやばかった。
何度も壊れかけた。
はじけ飛ぶ直前までいった。
耐えられた理由はいくつかある。
倒したい敵がいた。
俺は『ひたすら同じことを繰り返す事』ができる性格だった。
強くなる事が好きだった。
すげぇ出来がいいCPU作成装置があった。
中は、まあまあ快適だった。
孤独にはなれていた。
いろいろ理由はあるが、一番は、やっぱり、
――助けたい女神がいたから――
シューリを失いたくねぇ。
あの200億年間の中で、『ソウルゲートをくぐる前の記憶』を大半失った(保存されていたため、外に出てすぐ取り戻した)が、その想いは消えなかった。
薄れる事さえなかった。
これはなかなか凄い事だと自分でも思った。
自画自賛!
……まあ、最後、ちょっとテレで茶化しちまったが、
俺が積み重ねた時間は決して冗談じゃない。
軽く自嘲気味に茶化すのが限界で、どうしても、冗談には出来ないんだ。
で、まあ、そんな感じで、俺は、神威の桜華になっちまったわけだ。
アポロギスを倒した事で、神の王になって(王になったといっても、実際のところは、ていよく押しつけられただけだが)、
真なる究極超神なんて看板を背負うようになって、
最果ての頂点に至って、
『ワガママに運命を調律する暴君』、
『舞い散る閃光』となった。
★
最強の神になるまでは、自由きままにやっていた。
苦しい事は多かったが(本当に多かったが)、それでも、まあ、わりと奔放に楽しく生きていた。
ただ、『神の王』になって以降の『現世に転生している際』は、現世の生命に対して、酷く気を使うようになった。
自分でも、どうかと思うほど、色々と『過保護』になった。
自然と、現世に生きる『弱い連中』を『裏』から守るための行動をとるようになった。
表には一切出なくなった。
『ただの神だったころから、ずっと、それなりに自重していた』が、神の王、神の神になってからは、完全に世界の影に潜むようになった。
ゼノリカのルールとか、そんなんじゃなく、『そこまで至った俺』が『現世の表』に出るのは『なんか違う』と、本当に、なんとなく思ってしまった。
ゆえに、
しがない商人とか、
しがない風来坊とか、
しがない作家とか、
しがない画家とか、
しがない料理人とか、
しがないカメラマンとか、
そんなんばっかりやっていた。
そんで、なんか面倒な事が起きそうな時は神として世界を救済する。
もちろん、正体は秘密♪
大いなる力には、大いなる責任が伴うって事くらい知っている、
親愛なる隣人センエース。
みたいな。
とにかく、神になって以降の俺は、本当に、
別にそうするつもりもなかったのだが、
なんだかんだ、結局、ちゃんと、神様をやっていたように思う。
秩序や命を、ただ守った。
やりたかった訳ではない。
……ここ大事。
考えたら分かるだろ。
何がおもしれぇんだよ、そんなもん。
それって、まさしく、俺の嫌いな『お使いゲー』じゃねぇか。
どこどこにいって、だれだれを助けて。
――てめぇでやれや。
もちろん、そういうのを楽しめるヤツもいるだろうぜ。
けど、俺はそうじゃなかった。
性格的に、お役所勤めはできねぇ。
そんだけ。
ぶっちゃけ、修行だけしていたかった。
強くなる事だけが喜びだった。
強くなるっていう言い方に限定すると、なんだか戦闘狂みたいに見えるかもしれないけれど、それとは少し違って、
なんていうか、
あえて整えて言うと、
『できる事』を増やしたかったんだよな。
盲目に『誰かを叩きつぶしたい』って訳じゃなく、
『気に入らない奴が目の前に現れた時に、叩き潰せるように』なりたかった。
――そんな感じ。
俺の、『強くなりたい』っていうのは、そういう意味。
『誰よりも強くなりたかった』って訳じゃなく(いや、まあ、もちろん、それも、夢の一つで……けど、そればっかりってわけじゃなく)、『夢を実現するための強さ』が欲しかった。
『戦闘の強さ』は、自由をえるために必要な最低限。
何をするにしても必要な根本。
世界を終わらせようとするバカをぶっとばせる力がないと、
世界が終わって、何もできなくなっちゃうからね。
一言で言えば、俺は、『こうしたい』と思った時に、
ちゃんとそれを実現させるための『力』が欲しかった。
そして、その力を得るために努力を積んでいる時間が好きだった。
結果だけではなく、過程も楽しめたのが大きかった。
あの200億年だって、前半は確かに色々とヤバかったが、
どうすればいいか分かってからの後半は、なんだかんだ楽しんでいたんだ。
いつだって、強くなり続ける事ができたから、
だから、俺は、どんな絶望にも耐えられた。
まだまだ先があると思っていたから、
どこまでいけるんだろうってワクワクしていたから余計に。
だからこそ、限界があると分かって絶望したんだ。
あれだけ忌避していたはずの、自殺を図るほどに。
――200億年。
子供の冗談のような数字。
耐えきられる訳がないと、俺自身、途中で何度も思った。
途中っていうか、序盤かな。
とかく、最初の方がやばかった。
何度も壊れかけた。
はじけ飛ぶ直前までいった。
耐えられた理由はいくつかある。
倒したい敵がいた。
俺は『ひたすら同じことを繰り返す事』ができる性格だった。
強くなる事が好きだった。
すげぇ出来がいいCPU作成装置があった。
中は、まあまあ快適だった。
孤独にはなれていた。
いろいろ理由はあるが、一番は、やっぱり、
――助けたい女神がいたから――
シューリを失いたくねぇ。
あの200億年間の中で、『ソウルゲートをくぐる前の記憶』を大半失った(保存されていたため、外に出てすぐ取り戻した)が、その想いは消えなかった。
薄れる事さえなかった。
これはなかなか凄い事だと自分でも思った。
自画自賛!
……まあ、最後、ちょっとテレで茶化しちまったが、
俺が積み重ねた時間は決して冗談じゃない。
軽く自嘲気味に茶化すのが限界で、どうしても、冗談には出来ないんだ。
で、まあ、そんな感じで、俺は、神威の桜華になっちまったわけだ。
アポロギスを倒した事で、神の王になって(王になったといっても、実際のところは、ていよく押しつけられただけだが)、
真なる究極超神なんて看板を背負うようになって、
最果ての頂点に至って、
『ワガママに運命を調律する暴君』、
『舞い散る閃光』となった。
★
最強の神になるまでは、自由きままにやっていた。
苦しい事は多かったが(本当に多かったが)、それでも、まあ、わりと奔放に楽しく生きていた。
ただ、『神の王』になって以降の『現世に転生している際』は、現世の生命に対して、酷く気を使うようになった。
自分でも、どうかと思うほど、色々と『過保護』になった。
自然と、現世に生きる『弱い連中』を『裏』から守るための行動をとるようになった。
表には一切出なくなった。
『ただの神だったころから、ずっと、それなりに自重していた』が、神の王、神の神になってからは、完全に世界の影に潜むようになった。
ゼノリカのルールとか、そんなんじゃなく、『そこまで至った俺』が『現世の表』に出るのは『なんか違う』と、本当に、なんとなく思ってしまった。
ゆえに、
しがない商人とか、
しがない風来坊とか、
しがない作家とか、
しがない画家とか、
しがない料理人とか、
しがないカメラマンとか、
そんなんばっかりやっていた。
そんで、なんか面倒な事が起きそうな時は神として世界を救済する。
もちろん、正体は秘密♪
大いなる力には、大いなる責任が伴うって事くらい知っている、
親愛なる隣人センエース。
みたいな。
とにかく、神になって以降の俺は、本当に、
別にそうするつもりもなかったのだが、
なんだかんだ、結局、ちゃんと、神様をやっていたように思う。
秩序や命を、ただ守った。
やりたかった訳ではない。
……ここ大事。
考えたら分かるだろ。
何がおもしれぇんだよ、そんなもん。
それって、まさしく、俺の嫌いな『お使いゲー』じゃねぇか。
どこどこにいって、だれだれを助けて。
――てめぇでやれや。
もちろん、そういうのを楽しめるヤツもいるだろうぜ。
けど、俺はそうじゃなかった。
性格的に、お役所勤めはできねぇ。
そんだけ。
ぶっちゃけ、修行だけしていたかった。
強くなる事だけが喜びだった。
強くなるっていう言い方に限定すると、なんだか戦闘狂みたいに見えるかもしれないけれど、それとは少し違って、
なんていうか、
あえて整えて言うと、
『できる事』を増やしたかったんだよな。
盲目に『誰かを叩きつぶしたい』って訳じゃなく、
『気に入らない奴が目の前に現れた時に、叩き潰せるように』なりたかった。
――そんな感じ。
俺の、『強くなりたい』っていうのは、そういう意味。
『誰よりも強くなりたかった』って訳じゃなく(いや、まあ、もちろん、それも、夢の一つで……けど、そればっかりってわけじゃなく)、『夢を実現するための強さ』が欲しかった。
『戦闘の強さ』は、自由をえるために必要な最低限。
何をするにしても必要な根本。
世界を終わらせようとするバカをぶっとばせる力がないと、
世界が終わって、何もできなくなっちゃうからね。
一言で言えば、俺は、『こうしたい』と思った時に、
ちゃんとそれを実現させるための『力』が欲しかった。
そして、その力を得るために努力を積んでいる時間が好きだった。
結果だけではなく、過程も楽しめたのが大きかった。
あの200億年だって、前半は確かに色々とヤバかったが、
どうすればいいか分かってからの後半は、なんだかんだ楽しんでいたんだ。
いつだって、強くなり続ける事ができたから、
だから、俺は、どんな絶望にも耐えられた。
まだまだ先があると思っていたから、
どこまでいけるんだろうってワクワクしていたから余計に。
だからこそ、限界があると分かって絶望したんだ。
あれだけ忌避していたはずの、自殺を図るほどに。
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コメント
ノベルバユーザー616683
センエースが本気で、何かの為、自分の為でもあるけど、純朴に自身の為にもう一度可能性という玩具を使って走り出すこの回………最高