センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
異世界大戦編 中編
中編
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『……もう……どうしたらいいか、分からないのです。この、クソ以下の地獄でしかない戦争を終わらせたい! しかし、ボクの力ではどうする事もできないのです! 戦火は広がり続ける! バカは裏切りを! クズは死を撒き散らす! 終わらない、終わらない、終わらない! ボクは! いったい、なんのために!』
『前を向け、平』
『師よ! ボクは! 自分の無力さが憎い! ボクは――』
『命令だ。前を向け』
『……』
『答えろ。お前の目の前には、誰がいる?』
『……師が』
『そうだ。ここには俺がいる』
センは、ニっと太陽を巻きこむように笑って、
『見せてやるよ、希望。殺してやるよ、全部。豊かさを履き違えて幻想の既得権にとり憑かれたゴキブリどもを、神を理由にして自分の弱さから逃げるバカどもを、戦争を終わらせまいとする悪意そのものを、不条理を、不合理を、……グッチャグッチャになった、疑心暗鬼という世界のコード、その混沌を、……全部、まるごと、たたっ切って、前よりも綺麗に結び直してやるよ。根こそぎ、終わらせてやる。すべての絶望を殺してやる。世界を救ってやる』
『師よ……しかし……』
『黙って聞いてろ。今、世界に響かせる。俺の想い……俺の全部……』
センは、肺が爆発するほど息を吸って、
『ヒーロー見参!!!』
『虚像の光』を叫び、センは戦火に身を投じた。
当時のセンは、すでに、『英雄なんて偶像』を信じられるほど幼くはなかった。
けれど、センは、血に濡れて、ボロ雑巾になりながら、
それでも、ヒーローを『騙り』ながら、命を燃やして、闘い続けた。
その背中に、多くの者がついてきた。
ハッキリ言おう。
騙したんだ。
『俺は英雄だ』と、
『だから大丈夫だ』と、
真っ赤な大嘘をついて、
盛大に世の中を騙して、
『地道』に、勢力を拡大させていった。
叫べば終わる戦争などない。
尺の決まった特撮じゃないんだ。
地獄は決めゼリフ一つじゃ終わらない。
戦争は長く続いた。
多くの血が流れた。
戦火が広がりすぎた。
それぞれの世界が有する戦力が強大すぎた。
世界一つという戦力と資源。
それが全部で8つ。
世界の数が絶妙だったというのも、あそこまでこじれた理由の一つ。
社会学的、統計学的、人間学的、
後のこじつけとも言えたが、そうでもないとも言えた。
数秘術的に強いパワーを持つとか、
達成と利益を追求する数字だとか、
横に傾けたら無限になるとか、
そういうギャグではなく……
8というカルマ。
因果という自己矛盾。
そんなくだらない事は、おいておいて……
~~の条約が結ばれれば、どうにか終わる。
そう思った矢先、破壊工作でおじゃん。
~~かけはしとなろうとした世界があった。
その世界は、
『まだ、この戦争を終わらせてもらっては困るのですよ』
クズ共の手によって、『消滅』した。
平和を愛した世界が消滅したことで、戦争は加速した。
8が7になっても、ラッキーには移行しなかった。
だから、そんなギャグじゃねぇんだよ。
戦争は次のステージに至った。
世界の消滅をきっかけに、平和を愛している者まで、武器をとったからだ。
脆い正義は、より憤怒を燃え上がらせる。
正義感は、何をしても許されるという大義名分、心の免罪符になった。
多くが、正義を叫んで目の前の命を壊す。
武の才能のある者は、子供でも容赦なく投入して、
押し切ろうとして、耐えられ、被害だけが増えて――
なんども、なんども、
なんども、なんども、
そんな事ばかりを繰り返して――
どうにか整ってきた『平和』を叫ぶ勢力と、
もろい弱さと身勝手に駆られた対抗勢力と、
どちらにも属さないコウモリの第三勢力と、
どこにでもいる不気味なダークホースとが、
くりかえす。
終わりなく。
『地味』な地獄が、延々と続く。
70年。
泥沼になった地獄が、さらに地獄を呼ぶ。
悪意と憎悪は、収まりかけた火種を胞子のように撒き散らす。
『統制されていない生命』という『業』。
むき出しの『魔』が、鬼や龍を超えた悪そのものとなり、世界を覆い尽くす。
このまま世界は、ゆるやかに死んでいく。
誰もがそう思った。
センを信じた者たちも、
最後には、みんな諦めた。
――むりだ。
これは終わらない――
……それでも、センは、闘い続けた。
全世界の誰よりも、その身に傷を刻みながら、
どんな地獄を前にしても、
それでも!!
――皆が望むヒーローを演じ続けた――
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『……もう……どうしたらいいか、分からないのです。この、クソ以下の地獄でしかない戦争を終わらせたい! しかし、ボクの力ではどうする事もできないのです! 戦火は広がり続ける! バカは裏切りを! クズは死を撒き散らす! 終わらない、終わらない、終わらない! ボクは! いったい、なんのために!』
『前を向け、平』
『師よ! ボクは! 自分の無力さが憎い! ボクは――』
『命令だ。前を向け』
『……』
『答えろ。お前の目の前には、誰がいる?』
『……師が』
『そうだ。ここには俺がいる』
センは、ニっと太陽を巻きこむように笑って、
『見せてやるよ、希望。殺してやるよ、全部。豊かさを履き違えて幻想の既得権にとり憑かれたゴキブリどもを、神を理由にして自分の弱さから逃げるバカどもを、戦争を終わらせまいとする悪意そのものを、不条理を、不合理を、……グッチャグッチャになった、疑心暗鬼という世界のコード、その混沌を、……全部、まるごと、たたっ切って、前よりも綺麗に結び直してやるよ。根こそぎ、終わらせてやる。すべての絶望を殺してやる。世界を救ってやる』
『師よ……しかし……』
『黙って聞いてろ。今、世界に響かせる。俺の想い……俺の全部……』
センは、肺が爆発するほど息を吸って、
『ヒーロー見参!!!』
『虚像の光』を叫び、センは戦火に身を投じた。
当時のセンは、すでに、『英雄なんて偶像』を信じられるほど幼くはなかった。
けれど、センは、血に濡れて、ボロ雑巾になりながら、
それでも、ヒーローを『騙り』ながら、命を燃やして、闘い続けた。
その背中に、多くの者がついてきた。
ハッキリ言おう。
騙したんだ。
『俺は英雄だ』と、
『だから大丈夫だ』と、
真っ赤な大嘘をついて、
盛大に世の中を騙して、
『地道』に、勢力を拡大させていった。
叫べば終わる戦争などない。
尺の決まった特撮じゃないんだ。
地獄は決めゼリフ一つじゃ終わらない。
戦争は長く続いた。
多くの血が流れた。
戦火が広がりすぎた。
それぞれの世界が有する戦力が強大すぎた。
世界一つという戦力と資源。
それが全部で8つ。
世界の数が絶妙だったというのも、あそこまでこじれた理由の一つ。
社会学的、統計学的、人間学的、
後のこじつけとも言えたが、そうでもないとも言えた。
数秘術的に強いパワーを持つとか、
達成と利益を追求する数字だとか、
横に傾けたら無限になるとか、
そういうギャグではなく……
8というカルマ。
因果という自己矛盾。
そんなくだらない事は、おいておいて……
~~の条約が結ばれれば、どうにか終わる。
そう思った矢先、破壊工作でおじゃん。
~~かけはしとなろうとした世界があった。
その世界は、
『まだ、この戦争を終わらせてもらっては困るのですよ』
クズ共の手によって、『消滅』した。
平和を愛した世界が消滅したことで、戦争は加速した。
8が7になっても、ラッキーには移行しなかった。
だから、そんなギャグじゃねぇんだよ。
戦争は次のステージに至った。
世界の消滅をきっかけに、平和を愛している者まで、武器をとったからだ。
脆い正義は、より憤怒を燃え上がらせる。
正義感は、何をしても許されるという大義名分、心の免罪符になった。
多くが、正義を叫んで目の前の命を壊す。
武の才能のある者は、子供でも容赦なく投入して、
押し切ろうとして、耐えられ、被害だけが増えて――
なんども、なんども、
なんども、なんども、
そんな事ばかりを繰り返して――
どうにか整ってきた『平和』を叫ぶ勢力と、
もろい弱さと身勝手に駆られた対抗勢力と、
どちらにも属さないコウモリの第三勢力と、
どこにでもいる不気味なダークホースとが、
くりかえす。
終わりなく。
『地味』な地獄が、延々と続く。
70年。
泥沼になった地獄が、さらに地獄を呼ぶ。
悪意と憎悪は、収まりかけた火種を胞子のように撒き散らす。
『統制されていない生命』という『業』。
むき出しの『魔』が、鬼や龍を超えた悪そのものとなり、世界を覆い尽くす。
このまま世界は、ゆるやかに死んでいく。
誰もがそう思った。
センを信じた者たちも、
最後には、みんな諦めた。
――むりだ。
これは終わらない――
……それでも、センは、闘い続けた。
全世界の誰よりも、その身に傷を刻みながら、
どんな地獄を前にしても、
それでも!!
――皆が望むヒーローを演じ続けた――
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