センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
20話 天空の淵
20話
アダムから、
『三至天帝と今後について会議をするから、お前ら、いったん、出ていけ』
と命じられた九華の者達は、『こういった場合』の規定通り、
『主の間』から出た左手、左翼廊に開口しているゲートをくぐった先にある、
『天空の淵』へと向かった。
天空の淵は、雲ひとつない青い空に、10脚の『淡く輝いている、神々しい装飾が施された、豪奢極まる玉座』が、環状かつ、向かい合うように浮かんでいるだけの味気ない空間。
九華に属する六人は、それぞれに与えられた玉座に腰かけて一息ついた。
張り詰めた緊張感からの解放感から、全員、呆けていたが、二十秒ほど経過した時、バロールが、
「……遠かった……」
何もない天を仰ぎながら、ボソっとそうつぶやいた。
周囲の空は、少し薄い藍だが、上空の向こうは、ジンと重たいインディゴブルー。
「果てなく、狂おしいほど……あれが神……我らの……すべての頂点……」
二つ隣の席に腰掛けているテリーヌが、視線を向けてきて、
「まるで、主の御力が理解できたような口ぶりだな」
バロールは、天を仰いだまま、
「茶化すな。見えてなどいない。そもそも、我々は、直接お会い出来てすらいないではないか」
感情を出すことなく、淡々と、
「……御姿を直接見る事が叶わないのは当然……それはいい……」
はじめから、偉大なる神と直接会えるなどとは思っていなかった。
そこまで夢見がちではない。
主を模したヤドリギか、式神か。
よくて『オーラドール』だと、最初から思っていた。
「問題は、ただの『化身』にすら……あれほどの覇気を纏わせられるという事実……あの太陽に座していた光は、ただの分身だ……どれほど精巧に、どれだけの生命力や魔力を注いだとしても、本人の半分以下の劣化品にしかならない分身……それなのに……その領域ですら、遠すぎて、何も見えなかった……」
思い出すだけで心が沸き立つ。
制限を少し解除して登場した、先ほどのアバターラの存在値は、1500オーバー。
バロールたちからすれば、どれほど強いのか、想像すらできない領域。
「神……神……ああ、酷い御方だ……知らなければ、幸せだったのに……」
『神帝陛下なんて存在が本当にいるのか?』と思っていた時は気楽だった。
見上げれば、いつだって、ギリギリ手が届くところに、心からの忠誠を誓った相手はいた。
お会いするのは大変だが、絶対に会えない訳ではない至高の存在が常に頭の上にいた。
『ミシャンド/ラという神を超えた至高の天帝』に、現世においては『最も近い法王』という破格の地位に至った超越者『ブナッティ・バロール』。
それで十分に幸せだった。
満たされていた。
与えられた特権に、破格の優越感を感じていられた。
しかし、今では『足りなさ』を覚えている。
どうやら、ミシャンド/ラ様は、さらなる高みに至ったらしい。
正直、何がなんだか『よくわからない』が、しかし、どうやら、間違いなく、ミシャンド/ラ邪幻至天帝陛下は、真に『神』を超えたっぽい。
これまで、最も崇拝していた相手が、もっと高い場所に昇った。
これは、とてつもなく素晴らしい事であり、喝采すべき事。
だというのに、
(主よ……)
心は、常に、その上のみを想うようになってしまった。
もちろん、バロールは、ミシャンド/ラの事を、今でも敬愛している。
あの御方は素晴らしい、と本気で思う。
けれど、
その上に御座す御方が――
あまりにも――
(主よ……一瞬だけでもいい……その威光に直接……)
麻薬に手を出した事はないが、
こんな感じなのだろうか、などと、ある種、不敬な事を想いながら、
いや、薬物などで、これほどの甘き痺れは得られまい、
と、一人で首を振る。
神の輝き、その余韻に、ただ身もだえする。
(ああ……主よ……)
アダムから、
『三至天帝と今後について会議をするから、お前ら、いったん、出ていけ』
と命じられた九華の者達は、『こういった場合』の規定通り、
『主の間』から出た左手、左翼廊に開口しているゲートをくぐった先にある、
『天空の淵』へと向かった。
天空の淵は、雲ひとつない青い空に、10脚の『淡く輝いている、神々しい装飾が施された、豪奢極まる玉座』が、環状かつ、向かい合うように浮かんでいるだけの味気ない空間。
九華に属する六人は、それぞれに与えられた玉座に腰かけて一息ついた。
張り詰めた緊張感からの解放感から、全員、呆けていたが、二十秒ほど経過した時、バロールが、
「……遠かった……」
何もない天を仰ぎながら、ボソっとそうつぶやいた。
周囲の空は、少し薄い藍だが、上空の向こうは、ジンと重たいインディゴブルー。
「果てなく、狂おしいほど……あれが神……我らの……すべての頂点……」
二つ隣の席に腰掛けているテリーヌが、視線を向けてきて、
「まるで、主の御力が理解できたような口ぶりだな」
バロールは、天を仰いだまま、
「茶化すな。見えてなどいない。そもそも、我々は、直接お会い出来てすらいないではないか」
感情を出すことなく、淡々と、
「……御姿を直接見る事が叶わないのは当然……それはいい……」
はじめから、偉大なる神と直接会えるなどとは思っていなかった。
そこまで夢見がちではない。
主を模したヤドリギか、式神か。
よくて『オーラドール』だと、最初から思っていた。
「問題は、ただの『化身』にすら……あれほどの覇気を纏わせられるという事実……あの太陽に座していた光は、ただの分身だ……どれほど精巧に、どれだけの生命力や魔力を注いだとしても、本人の半分以下の劣化品にしかならない分身……それなのに……その領域ですら、遠すぎて、何も見えなかった……」
思い出すだけで心が沸き立つ。
制限を少し解除して登場した、先ほどのアバターラの存在値は、1500オーバー。
バロールたちからすれば、どれほど強いのか、想像すらできない領域。
「神……神……ああ、酷い御方だ……知らなければ、幸せだったのに……」
『神帝陛下なんて存在が本当にいるのか?』と思っていた時は気楽だった。
見上げれば、いつだって、ギリギリ手が届くところに、心からの忠誠を誓った相手はいた。
お会いするのは大変だが、絶対に会えない訳ではない至高の存在が常に頭の上にいた。
『ミシャンド/ラという神を超えた至高の天帝』に、現世においては『最も近い法王』という破格の地位に至った超越者『ブナッティ・バロール』。
それで十分に幸せだった。
満たされていた。
与えられた特権に、破格の優越感を感じていられた。
しかし、今では『足りなさ』を覚えている。
どうやら、ミシャンド/ラ様は、さらなる高みに至ったらしい。
正直、何がなんだか『よくわからない』が、しかし、どうやら、間違いなく、ミシャンド/ラ邪幻至天帝陛下は、真に『神』を超えたっぽい。
これまで、最も崇拝していた相手が、もっと高い場所に昇った。
これは、とてつもなく素晴らしい事であり、喝采すべき事。
だというのに、
(主よ……)
心は、常に、その上のみを想うようになってしまった。
もちろん、バロールは、ミシャンド/ラの事を、今でも敬愛している。
あの御方は素晴らしい、と本気で思う。
けれど、
その上に御座す御方が――
あまりにも――
(主よ……一瞬だけでもいい……その威光に直接……)
麻薬に手を出した事はないが、
こんな感じなのだろうか、などと、ある種、不敬な事を想いながら、
いや、薬物などで、これほどの甘き痺れは得られまい、
と、一人で首を振る。
神の輝き、その余韻に、ただ身もだえする。
(ああ……主よ……)
「ファンタジー」の人気作品
-
暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが-
4.9万
-
転生貴族の異世界冒険録~自重を知らない神々の使徒~-
7万
-
クラス転移で俺だけずば抜けチート!?コミカライズ!-
4.8万
-
異世界支配のスキルテイカー ~ ゼロから始める奴隷ハーレム ~-
2.3万
-
妖刀使いがチートスキルをもって異世界放浪 ~生まれ持ったチートは最強!!~-
1.6万
-
劣等眼の転生魔術師 ~ 虐げられた元勇者は未来の世界を余裕で生き抜く ~-
1.1万
-
勇者になれなかった俺は異世界で-
2.4万
-
引きこもりLv.999の国づくり! ―最強ステータスで世界統一します―-
2.3万
-
転生貴族のハーレムチート生活【120万pv突破】-
5.5万
書籍化作品
-
【コミカライズタイトル:恋と不眠と小説と】大好きな作家の担当編集になったけど、ワンナイトした男性でした-
57
-
【書籍化】王宮を追放された聖女ですが、実は本物の悪女は妹だと気づいてももう遅い 私は価値を認めてくれる公爵と幸せになります【コミカライズ】-
103
-
どうにもならない社長の秘密-
769
-
没落貴族の俺がハズレ(?)スキル『超器用貧乏』で大賢者と呼ばれるまで-
267
-
『元SSSランクの最強暗殺者は再び無双する』-
1513
-
お久しぶりです。俺と偽装婚約してもらいます。~年下ワケあり生真面目弁護士と湯けむり婚前旅行~-
140
-
日替わり転移 ~俺はあらゆる世界で無双する~(※MFブックスから書籍化)-
1360
-
ガベージブレイブ【異世界に召喚され捨てられた勇者の復讐物語】-
550
-
年下御曹司は白衣の花嫁と極夜の息子を今度こそ! 手放さない-
150

コメント
コメントを書く