センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
10話 平熱マン
10話
『平熱マン』は、一目で『呪われている』と分かる漆黒の鎧(装飾も禍々しい)を身にまとう、見た目は三十台後半くらいの、平均的な体躯(少し細め)をしている美形の中年だった。
柔らかな笑顔と、穏やかな雰囲気だが、それでも隠せない、漏れ出ている『覇気』に覆われている。
その美中年は、極めて優雅に、ゾメガとミシャンド/ラ、それぞれに目線を配ってから、
「お久しぶりですね、ゾメガさん、ミシャさん」
スっと通る美声でそう言った。
「ふぁっふぁ、そうじゃのう。ぬしと会うのも何百年ぶりじゃろうか」
「前に会ったのって……あら? いつだったかしら……」
「ゾメガさんとは232年ぶり。ミシャさんとは57年ぶりですね」
「げぇ……よく、そんな細かい事まで覚えているわね」
「はは、性分ですので」
ニコっと柔らかく微笑みながら、そう言うと、後ろの二人に目を配り、
「二人とも、ボクの家族に、ご挨拶を」
命じられて、平熱マンの右斜め背後に立つ『スーツに酷似した礼服(ただし、袖や腰回りに、かなり攻めた装飾が施されている)に身を包む、五十代後半くらいの風貌をしている、良い意味で脂の乗った、全体的にイイ感じのオッサン』が、
「はじめまして、ゾメガ・オルゴレアム剛魔至天帝陛下、ミシャンド/ラ邪幻至天帝陛下。私は、ゼノリカの天上、九華十傑の第3席。サトロワスと申します。第3アルファで太陽神の地位を預からせていただいております。以後、お見知りおきを」
その見た目は、超細マッチョの夏目漱石といった感じだった。
ビッチリすぎない七三分けの黒髪。
柔和な顔をしているが、威厳は感じさせている。
鋼のような肉体をしているが、決してムキムキではない。
少したっぷりめの口ヒゲを生やしているが、逆に清潔感を感じさせるほどに整っている。
全てが、ほどよくちょうどいい感じのオッサン。
それが、サトロワス。
そんなサトロワスに続いて、平熱マンの左斜め背後に立つ、豪奢なローブを纏った、『三十五歳前後の、ホドよく熟れている、エロ系ムチムチボディ』の艶やかな女性が、
「お初にお目にかかります、ゾメガ・オルゴレアム剛魔至天帝陛下、ミシャンド/ラ邪幻至天帝陛下。御目にかかる事が出来、光栄です。わたくしは、ゼノリカの天上、九華十傑の第5席。アルキントゥと申します。第5アルファで聖母という地位につかせていただいております」
そう言って、アルキントゥが頭を下げた直後、平熱マンが、
「彼女の称号は『聖母』ですが、役割としては、『全世界を統べる女帝』という立場ですので、『この場に立つに相応しくない』という事はないと思いますよ」
その発言に対し、ミシャンド/ラが、ひらひらと手を振りながら、
「別に、何も言うつもりはないわ。無能をこの場に連れてきて恥をかくのは、それを選んだ者だけ。もちろん、あまりにも下賤な者を九華に選ぶのは論外だけれど」
「ふぁっふぁ、平が無能を九華に選ぶようなマネなどすまいよ。平は、自分にも他人にも厳しい男じゃ。そして、我らと同じく、師を敬愛しておる。栄誉ある謁見の場に、価値なき者を連れてくるような愚行は犯さんじゃろう」
「当たり前の話です」
平熱マンが、深く頷いた。
会話が途切れたところで、ミシャンド/ラが背後に合図を出して、バロールとテリーヌに挨拶をさせる。
最後にゾメガの背後にいるジャミとパメラノが平熱マンに挨拶をした。
よどみなく、挨拶を交わし合うと、その場に、一瞬、シンと静寂が訪れた。
※ 三至天帝が直属配下の九華以外と会う事は、ほぼない。直属であっても、数百年に一度、会えるかどうかと言った程度。
本来、九華の者が『至天帝に拝謁する際』には、服装(色形はもちろん、身につける装飾品の総重量まで決められている)から時間(特定の日の特定の時間帯に『数秒だけ』と厳格にハッキリ決まっている)から場所(第2アルファにある『世界の中心』と呼ばれる場所以外で会ってはいけない)から理由(当然、ここが一番の難関。至天帝に会うとなると、よっぽどの理由が必要)から、とにかく無数の礼儀・作法があり、まず、『会って言葉をかわすだけ』でも、数日がかりの式典が開かれる(その式典の際に守らなければいけないマナーの量と質もハンパない。お辞儀の仕方一つとっても、『誰に、どのように』と一々決まっていて、かつ、それぞれ、まあまあ差があるため、ごまかしがきかない)のが当たり前であり、こんなパっと会って『はじめまして』など、本来ならば、ありえない。
――ゼノリカは、もともと、『世界を統治する組織を創ろう』というハッキリとした意志の元に設立された組織ではなかった。
今から8000年ほど前の『ある日』、
なんの前触れもなく唐突に、『やばい事件』が起きた。
その際に、ゾメガと平が『既にそれぞれ抱えていた統治機関』を合体させたのがキッカケで産まれた。
・ゼノリカ設立から現在までの流れ。
在る日、やばい事件発生(第2~第9アルファの全てをつなぐ『謎のゲート』が出現し、『全世界大混乱』からの『異世界大戦勃発』)。
↓
超優秀なセンエースの一派、当り前のように連日出動。
↓
なんか解決する。
↓
また、ヤベぇ問題おこる。
↓
なんか解決する。
↓
『少年マンガのお約束』そのまんまな『一連』の規模が、次第に大きくなる。
↓
これは、きっちりと組織化せんとアカン。
↓
結果、どんどん効率化していって、最終的に、
「は? 組織の名前? なんでもいいよ。え、俺が決めないとダメ? なんでやねん。あんなもん、ほぼほぼ、お前らの組織……まあいいけど……えっと……じゃあ、ゼノリカで。え? 意味? いや、別にないけど……なんか、今、パっと、中学時のノートを思い出しただけで……え、意味も必要? 別に意味とかないけど……えと、じゃあ……『なんかイイ感じに世界の全てをつつむ光』……的な感じで」
といった具合で名前がついた。
↓
そして、時と共に、どんどん肥大化&研磨されていって、
↓
バッキバキに格式ばってきて、ルールとか諸々がガッチガチになっていき、
↓
なんかエグい事になった ←今ここ
『平熱マン』は、一目で『呪われている』と分かる漆黒の鎧(装飾も禍々しい)を身にまとう、見た目は三十台後半くらいの、平均的な体躯(少し細め)をしている美形の中年だった。
柔らかな笑顔と、穏やかな雰囲気だが、それでも隠せない、漏れ出ている『覇気』に覆われている。
その美中年は、極めて優雅に、ゾメガとミシャンド/ラ、それぞれに目線を配ってから、
「お久しぶりですね、ゾメガさん、ミシャさん」
スっと通る美声でそう言った。
「ふぁっふぁ、そうじゃのう。ぬしと会うのも何百年ぶりじゃろうか」
「前に会ったのって……あら? いつだったかしら……」
「ゾメガさんとは232年ぶり。ミシャさんとは57年ぶりですね」
「げぇ……よく、そんな細かい事まで覚えているわね」
「はは、性分ですので」
ニコっと柔らかく微笑みながら、そう言うと、後ろの二人に目を配り、
「二人とも、ボクの家族に、ご挨拶を」
命じられて、平熱マンの右斜め背後に立つ『スーツに酷似した礼服(ただし、袖や腰回りに、かなり攻めた装飾が施されている)に身を包む、五十代後半くらいの風貌をしている、良い意味で脂の乗った、全体的にイイ感じのオッサン』が、
「はじめまして、ゾメガ・オルゴレアム剛魔至天帝陛下、ミシャンド/ラ邪幻至天帝陛下。私は、ゼノリカの天上、九華十傑の第3席。サトロワスと申します。第3アルファで太陽神の地位を預からせていただいております。以後、お見知りおきを」
その見た目は、超細マッチョの夏目漱石といった感じだった。
ビッチリすぎない七三分けの黒髪。
柔和な顔をしているが、威厳は感じさせている。
鋼のような肉体をしているが、決してムキムキではない。
少したっぷりめの口ヒゲを生やしているが、逆に清潔感を感じさせるほどに整っている。
全てが、ほどよくちょうどいい感じのオッサン。
それが、サトロワス。
そんなサトロワスに続いて、平熱マンの左斜め背後に立つ、豪奢なローブを纏った、『三十五歳前後の、ホドよく熟れている、エロ系ムチムチボディ』の艶やかな女性が、
「お初にお目にかかります、ゾメガ・オルゴレアム剛魔至天帝陛下、ミシャンド/ラ邪幻至天帝陛下。御目にかかる事が出来、光栄です。わたくしは、ゼノリカの天上、九華十傑の第5席。アルキントゥと申します。第5アルファで聖母という地位につかせていただいております」
そう言って、アルキントゥが頭を下げた直後、平熱マンが、
「彼女の称号は『聖母』ですが、役割としては、『全世界を統べる女帝』という立場ですので、『この場に立つに相応しくない』という事はないと思いますよ」
その発言に対し、ミシャンド/ラが、ひらひらと手を振りながら、
「別に、何も言うつもりはないわ。無能をこの場に連れてきて恥をかくのは、それを選んだ者だけ。もちろん、あまりにも下賤な者を九華に選ぶのは論外だけれど」
「ふぁっふぁ、平が無能を九華に選ぶようなマネなどすまいよ。平は、自分にも他人にも厳しい男じゃ。そして、我らと同じく、師を敬愛しておる。栄誉ある謁見の場に、価値なき者を連れてくるような愚行は犯さんじゃろう」
「当たり前の話です」
平熱マンが、深く頷いた。
会話が途切れたところで、ミシャンド/ラが背後に合図を出して、バロールとテリーヌに挨拶をさせる。
最後にゾメガの背後にいるジャミとパメラノが平熱マンに挨拶をした。
よどみなく、挨拶を交わし合うと、その場に、一瞬、シンと静寂が訪れた。
※ 三至天帝が直属配下の九華以外と会う事は、ほぼない。直属であっても、数百年に一度、会えるかどうかと言った程度。
本来、九華の者が『至天帝に拝謁する際』には、服装(色形はもちろん、身につける装飾品の総重量まで決められている)から時間(特定の日の特定の時間帯に『数秒だけ』と厳格にハッキリ決まっている)から場所(第2アルファにある『世界の中心』と呼ばれる場所以外で会ってはいけない)から理由(当然、ここが一番の難関。至天帝に会うとなると、よっぽどの理由が必要)から、とにかく無数の礼儀・作法があり、まず、『会って言葉をかわすだけ』でも、数日がかりの式典が開かれる(その式典の際に守らなければいけないマナーの量と質もハンパない。お辞儀の仕方一つとっても、『誰に、どのように』と一々決まっていて、かつ、それぞれ、まあまあ差があるため、ごまかしがきかない)のが当たり前であり、こんなパっと会って『はじめまして』など、本来ならば、ありえない。
――ゼノリカは、もともと、『世界を統治する組織を創ろう』というハッキリとした意志の元に設立された組織ではなかった。
今から8000年ほど前の『ある日』、
なんの前触れもなく唐突に、『やばい事件』が起きた。
その際に、ゾメガと平が『既にそれぞれ抱えていた統治機関』を合体させたのがキッカケで産まれた。
・ゼノリカ設立から現在までの流れ。
在る日、やばい事件発生(第2~第9アルファの全てをつなぐ『謎のゲート』が出現し、『全世界大混乱』からの『異世界大戦勃発』)。
↓
超優秀なセンエースの一派、当り前のように連日出動。
↓
なんか解決する。
↓
また、ヤベぇ問題おこる。
↓
なんか解決する。
↓
『少年マンガのお約束』そのまんまな『一連』の規模が、次第に大きくなる。
↓
これは、きっちりと組織化せんとアカン。
↓
結果、どんどん効率化していって、最終的に、
「は? 組織の名前? なんでもいいよ。え、俺が決めないとダメ? なんでやねん。あんなもん、ほぼほぼ、お前らの組織……まあいいけど……えっと……じゃあ、ゼノリカで。え? 意味? いや、別にないけど……なんか、今、パっと、中学時のノートを思い出しただけで……え、意味も必要? 別に意味とかないけど……えと、じゃあ……『なんかイイ感じに世界の全てをつつむ光』……的な感じで」
といった具合で名前がついた。
↓
そして、時と共に、どんどん肥大化&研磨されていって、
↓
バッキバキに格式ばってきて、ルールとか諸々がガッチガチになっていき、
↓
なんかエグい事になった ←今ここ
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
3
-
-
57
-
-
222
-
-
49989
-
-
15255
-
-
63
-
-
52
-
-
969
-
-
1980
コメント