センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
2話 一秒間に2000万回(笑)
2話
そこには、ナルキナジードと闘っている『イレギュラー』の姿があった。
映像の開始は、戦闘が終わる直前だったようで、ぶつかりあいのシーンは数秒で終わり、
『なかなかの強さだったぞ、イレギュラーよ。まさか、この私が片腕を失うとは。これほどの激闘は久しぶりだった……楽しかったぞ』
『ちぃ! なまりすぎだろ、俺! いくら、存在値を200以下に抑えているとはいえ、こんなカスみたいなヤツにも勝てないとは……』
『なんだ、イレギュラーよ。まるで、先ほど闘った力よりも上の力があるような口ぶりじゃないか』
『当たり前だろ、ぼけ! 俺が本気になったら、お前なんか、一秒間に2000万回は死んでいるぞ!』
『そうか、恐いな』
『この野郎……今すぐ、その、可哀そうな人を見る目をやめろ! 俺は、一個も嘘はついてねぇ! 俺は天上のアバターラ! てめぇらとは存在の次元が違う究極神の化身!』
『天上のアバターラ……それが貴様の名前か?』
『別にその認識でも構わねぇ! どうでもいい! とにかく、俺は、俺の力を、必ず証明してみせるからな! てめぇらは好きにしていいって言われてんだ! 必ず、このクソなまった体を鍛え直して、皆殺しにしてやる! すぐに戻ってくるからな! 覚悟していやがれ!!』
そう叫んで、アバターラは、転移の魔石を砕いて、その場から姿を消した。
――そこで、映像は終わった。
見終わった直後、ホルスドが、
「戦闘シーンは少なかったが、あれだけでも充分に分かる。素晴らしい強さだ……」
「……まあ、弱くはないわね」
「強さも気になるところだが……発言の内容が最も気になったな。あのイレギュラー……天上のアバターラには、まだ上位の存在がいるのか?」
「いるんじゃない? 『本気になったら、ナルキを一秒間に2000万回殺せるヤツ』を従えている、もっと強い上位存在が……あー、こわい、こわい」
「……ダーキィは、ヤツの発言を、ただのハッタリと読むか?」
ダーキニィは、『ふん』と鼻で笑って、
「あたりまえでしょ。むしろ、あんた、あの発言を本気にしたの? 頭、大丈夫?」
「全てが事実だとは流石に思わない……ただ……」
「ただもクソもないっての。たまにいるのよね、ああいう大きな嘘ばっかりつくバカ」
「しかし、武の才は、本当に見事だった……本気の私と同等……いや、私より強いか?」
「闘い方次第でしょ。あのバトルスタイルを見る限り……たぶん、イレギュラーは、完全戦士タイプ。なら、魔法の組み方次第でいくらでも詰めれるわ。つまり、私には勝てない。あんたにもね。まあ、私達に近い実力なのは認めるけどね」
ダーキニィ・パラフュームは完全魔法使いタイプ。
高火力のタイマン攻撃魔法(メラ○ーマ的な)を主体とした、ガンガンいこうぜ型。
ホルスドはタンクタイプ。
高い防御力を活かした、『待ち』主体のカウンター型。
どちらも、『愚直な戦士タイプ』とは非常に相性がいい。
「どうやら、本当に、イレギュラーは、六番目の従属神になりそうだな……しかし、あの気性の荒さでは、なかなかうまくやっていくのが難しそうだ、やれやれ」
おだやかな性格をしているホルスドは、ささいな争いすら好まない。
同じ『大神』の下で、みな、仲良く、礼儀正しく、静かに、豊かに。
それをモットーにしている物腰柔らかな神。
それが、『本来』のホルスド・ガオン。
「大いなる主の力を見れば大人しくなるでしょ。どの世界から来たのか知らないけれど、あれだけの力があれば、今までは、まちがいなく、ぶっちぎりの最強だったはず。性格が歪んでもおかしくはないわ。けど、『本物の頂点』を見れば、考え方も変わるわよ。主の力の前では、誰もが平伏すしかない」
「ふっ……そうだな」
おだやかに笑うホルスド。
(大いなる主がおられるから、我々は無益な争いをせずにすむ)
ホルスドの望みは、いつだって、天国の安定。
あくまでも、大事なのは天国。
ゆえに、下界の事は、『正直、どうでもいい』と思っている。
下界の事は、下界の連中でどうにかすればいいというスタンス。
ホルスドにとって大事なのは、
友人であり家族であり良きライバルでもある五神の者達と、
親(血は繋がっていないが)であり王であり、なにより『己の神』である主だけ。
何か問題が起きても、『考えて対処をする』のは『主』であると考えているのも大きい。
もちろん、『手足として』なら、いくらでも動くつもりだが、自ら下界の事について『こうしよう、ああしよう』と考えようという気はサラサラない。
『偉大なる主』と『仲間』。
その二つだけがホルスドのすべて。
家族と、穏やかに仲良く出来ればそれでいい。
それがホルスド・ガオンの想い。
――そんなホルスド・ガオンの肩に、ダーキニィ・パラフュームは、ポンと手を置いて、
「さて、それじゃあ、いったん、帰りましょうか」
にこやかにそう声をかけた。
「向こうから勝手にやってくるそうだから、もう探す必要はないわ。『迎え撃つタイプ』の『試練』の準備をはじめましょう」
「全面的に賛成だ……が、眷属の方はどうする?」
「そうね、放置もなんだし……じゃあ、私のシャドーにでも監視させておきましょうか」
言いながら、ダーキニィは、両手で印をつくり、
「……どうやら、ホルスのシャドーを殺せるほどの眷属らしいから……少し強めに作っておいた方がいいかな。どうせアリア・ギアス特化で、たまたまハメられただけでしょうけど、警戒は大事よね……んー……このぐらいかな……【影分身、ランク15】……」
一瞬で形成される、ダーキニィそっくりのシャドー。
ダーキニィ本人と比べれば、かなり存在値は低いが、それでも、ホルスド・シャドーよりはかなり強い。
ダーキニィは、自身のシャドーに、
「眷属を見張っておいて。手は出さなくてもいいわ。何かあったら、随時報告を」
命令を受けると、ダーキニィ・シャドーは、ニっと微笑んで、
「了解」
そこには、ナルキナジードと闘っている『イレギュラー』の姿があった。
映像の開始は、戦闘が終わる直前だったようで、ぶつかりあいのシーンは数秒で終わり、
『なかなかの強さだったぞ、イレギュラーよ。まさか、この私が片腕を失うとは。これほどの激闘は久しぶりだった……楽しかったぞ』
『ちぃ! なまりすぎだろ、俺! いくら、存在値を200以下に抑えているとはいえ、こんなカスみたいなヤツにも勝てないとは……』
『なんだ、イレギュラーよ。まるで、先ほど闘った力よりも上の力があるような口ぶりじゃないか』
『当たり前だろ、ぼけ! 俺が本気になったら、お前なんか、一秒間に2000万回は死んでいるぞ!』
『そうか、恐いな』
『この野郎……今すぐ、その、可哀そうな人を見る目をやめろ! 俺は、一個も嘘はついてねぇ! 俺は天上のアバターラ! てめぇらとは存在の次元が違う究極神の化身!』
『天上のアバターラ……それが貴様の名前か?』
『別にその認識でも構わねぇ! どうでもいい! とにかく、俺は、俺の力を、必ず証明してみせるからな! てめぇらは好きにしていいって言われてんだ! 必ず、このクソなまった体を鍛え直して、皆殺しにしてやる! すぐに戻ってくるからな! 覚悟していやがれ!!』
そう叫んで、アバターラは、転移の魔石を砕いて、その場から姿を消した。
――そこで、映像は終わった。
見終わった直後、ホルスドが、
「戦闘シーンは少なかったが、あれだけでも充分に分かる。素晴らしい強さだ……」
「……まあ、弱くはないわね」
「強さも気になるところだが……発言の内容が最も気になったな。あのイレギュラー……天上のアバターラには、まだ上位の存在がいるのか?」
「いるんじゃない? 『本気になったら、ナルキを一秒間に2000万回殺せるヤツ』を従えている、もっと強い上位存在が……あー、こわい、こわい」
「……ダーキィは、ヤツの発言を、ただのハッタリと読むか?」
ダーキニィは、『ふん』と鼻で笑って、
「あたりまえでしょ。むしろ、あんた、あの発言を本気にしたの? 頭、大丈夫?」
「全てが事実だとは流石に思わない……ただ……」
「ただもクソもないっての。たまにいるのよね、ああいう大きな嘘ばっかりつくバカ」
「しかし、武の才は、本当に見事だった……本気の私と同等……いや、私より強いか?」
「闘い方次第でしょ。あのバトルスタイルを見る限り……たぶん、イレギュラーは、完全戦士タイプ。なら、魔法の組み方次第でいくらでも詰めれるわ。つまり、私には勝てない。あんたにもね。まあ、私達に近い実力なのは認めるけどね」
ダーキニィ・パラフュームは完全魔法使いタイプ。
高火力のタイマン攻撃魔法(メラ○ーマ的な)を主体とした、ガンガンいこうぜ型。
ホルスドはタンクタイプ。
高い防御力を活かした、『待ち』主体のカウンター型。
どちらも、『愚直な戦士タイプ』とは非常に相性がいい。
「どうやら、本当に、イレギュラーは、六番目の従属神になりそうだな……しかし、あの気性の荒さでは、なかなかうまくやっていくのが難しそうだ、やれやれ」
おだやかな性格をしているホルスドは、ささいな争いすら好まない。
同じ『大神』の下で、みな、仲良く、礼儀正しく、静かに、豊かに。
それをモットーにしている物腰柔らかな神。
それが、『本来』のホルスド・ガオン。
「大いなる主の力を見れば大人しくなるでしょ。どの世界から来たのか知らないけれど、あれだけの力があれば、今までは、まちがいなく、ぶっちぎりの最強だったはず。性格が歪んでもおかしくはないわ。けど、『本物の頂点』を見れば、考え方も変わるわよ。主の力の前では、誰もが平伏すしかない」
「ふっ……そうだな」
おだやかに笑うホルスド。
(大いなる主がおられるから、我々は無益な争いをせずにすむ)
ホルスドの望みは、いつだって、天国の安定。
あくまでも、大事なのは天国。
ゆえに、下界の事は、『正直、どうでもいい』と思っている。
下界の事は、下界の連中でどうにかすればいいというスタンス。
ホルスドにとって大事なのは、
友人であり家族であり良きライバルでもある五神の者達と、
親(血は繋がっていないが)であり王であり、なにより『己の神』である主だけ。
何か問題が起きても、『考えて対処をする』のは『主』であると考えているのも大きい。
もちろん、『手足として』なら、いくらでも動くつもりだが、自ら下界の事について『こうしよう、ああしよう』と考えようという気はサラサラない。
『偉大なる主』と『仲間』。
その二つだけがホルスドのすべて。
家族と、穏やかに仲良く出来ればそれでいい。
それがホルスド・ガオンの想い。
――そんなホルスド・ガオンの肩に、ダーキニィ・パラフュームは、ポンと手を置いて、
「さて、それじゃあ、いったん、帰りましょうか」
にこやかにそう声をかけた。
「向こうから勝手にやってくるそうだから、もう探す必要はないわ。『迎え撃つタイプ』の『試練』の準備をはじめましょう」
「全面的に賛成だ……が、眷属の方はどうする?」
「そうね、放置もなんだし……じゃあ、私のシャドーにでも監視させておきましょうか」
言いながら、ダーキニィは、両手で印をつくり、
「……どうやら、ホルスのシャドーを殺せるほどの眷属らしいから……少し強めに作っておいた方がいいかな。どうせアリア・ギアス特化で、たまたまハメられただけでしょうけど、警戒は大事よね……んー……このぐらいかな……【影分身、ランク15】……」
一瞬で形成される、ダーキニィそっくりのシャドー。
ダーキニィ本人と比べれば、かなり存在値は低いが、それでも、ホルスド・シャドーよりはかなり強い。
ダーキニィは、自身のシャドーに、
「眷属を見張っておいて。手は出さなくてもいいわ。何かあったら、随時報告を」
命令を受けると、ダーキニィ・シャドーは、ニっと微笑んで、
「了解」
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