センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
78話 アリと恐竜
78話
突撃し、拳を振るおうとした直前、
「……なんだ、『全力で動かしている時間』で七秒か……」
ピタっと停止してみると、視界に表示されている『いくつかのメーター』――その中の一つ、稼働時間を示す計器の動きが、かなりゆっくりになった。
システム解禁されてからというもの、ずっと、頭の中に、説明書が送り込まれてくる。
神からもらった穴だらけの情報とは違い、虫に食われたような部分は全くなかった。
「まったく動かなければ、もっと長く、このまま……いや、それでも、五分が限界か……全力で動くと合計17秒で停止……でも、改造する事で、その時間も延ばせると」
改造率は、どれだけ、このシステムに力を注いだかを示す証。
それが現在0%。
つまり、今が底値。
全ての値が、最も弱い状態。
「これでも一番弱い状態? ……えぐいな……ていうか、なんだ、このイカれた数字は……攻撃力、190億? ……こんなもん、歩くだけで星とか砕けるんじゃねぇか?」
自分の異常な力について、頭の中を探ってみると、
「……大きすぎる力は、コスモゾーンの法則に従ってコンパクト化され、常時、範囲が狭くなり、かつエネルギーの指向性が限りなく局所的かつ限定的になるため、過剰な破壊は起こらない……か。世界ってのは、良くできてんのね」
ゼンが、己の力を確認していると、
「ぁ……ぁ……」
ガチガチと歯を震わせているホルスドが、
「なんだ……それ……どういう……ありえない……動きがまったく見え……というか、そんな力……アロリリアが、一撃で爆散するなど……あんな破壊……ありえない……」
無様に、ワナワナと震えていた。
サードアイごときでは見通せないため、目の前にいるバケモノがどれだけ狂っているのか、ホルスドではデジタルに理解する事ができない。
しかし、爆裂したアロリリアの最後を見れば、『ケタが違う』という事くらいは分かる。
「こ、こんな……」
完全な思考停止状態に陥っているホルスドを見て、ゼンは、
「ちょうどいいから、実験させてもらうぞ。お前相手だったら、いくらでも残酷になれる」
そう呟くと、全力で、『自分』を制御しつつ、超高速で距離をゼロにして、右腕でホルスドの右肩を掴む。
(この肩を掴んでいるだけの状態。ホルスドの筋力がゴミみたいなもんだから、ほとんどエネルギーを使わずに済んでいる……とはいえ、何もしていない時と比べれば、当然、減りは多いか)
思案しながら、左腕で、ホルスドの右腕を引っこ抜いた。
力をこめすぎないよう、ソーっと、しかし、コンマ一秒を切る速度で――
「どぅぁあああああああああああああああああああ!!!」
噴き出した鮮血。
激痛に濡れた顔。
ゼンは、そんなホルスドの顔に愉悦はまったく覚えず、ただただ純粋に、
「アスラ・エグゾギア‐システムのコントロール……出来るには出来るけど……これ、すげぇ神経使うな……練習が必要だ。つっても、動かせる時間は数秒……で、限界がくると、俺、気絶しちまうのか……この力、凄まじいけど、かなり無茶な制限も多々ある……これから先、ちょっと……色々と考えねぇとな……」
ゼンが『先』を思案している間、
「いぃぃぃ……ぐぅ……」
ホルスドは、激痛に耐えながら、
「謝罪……するぅ……」
絞り出したような声で、
「全面的に謝罪する! 主を裏切って、貴様についても構わない! だから許せぇ! 殺すなぁ! 死にたくないぃいいい!」
「……」
「私を配下にできるのだ! これ以上の栄誉はあるまい! だから、許せぇ! 離せぇえええええ!」
「……お前、頭、大丈夫か? 最初から思っていたんだが、お前、情緒とか、考え方とか、いろいろおかしくね?」
「だまれぇえ! いいから、離せぇええ! 痛い、痛い、痛いぃいい! 私を誰だと思っている! 私は五神の一柱! ホルスド・ガオン! 尊き天使の第三位ぃいいい!」
突撃し、拳を振るおうとした直前、
「……なんだ、『全力で動かしている時間』で七秒か……」
ピタっと停止してみると、視界に表示されている『いくつかのメーター』――その中の一つ、稼働時間を示す計器の動きが、かなりゆっくりになった。
システム解禁されてからというもの、ずっと、頭の中に、説明書が送り込まれてくる。
神からもらった穴だらけの情報とは違い、虫に食われたような部分は全くなかった。
「まったく動かなければ、もっと長く、このまま……いや、それでも、五分が限界か……全力で動くと合計17秒で停止……でも、改造する事で、その時間も延ばせると」
改造率は、どれだけ、このシステムに力を注いだかを示す証。
それが現在0%。
つまり、今が底値。
全ての値が、最も弱い状態。
「これでも一番弱い状態? ……えぐいな……ていうか、なんだ、このイカれた数字は……攻撃力、190億? ……こんなもん、歩くだけで星とか砕けるんじゃねぇか?」
自分の異常な力について、頭の中を探ってみると、
「……大きすぎる力は、コスモゾーンの法則に従ってコンパクト化され、常時、範囲が狭くなり、かつエネルギーの指向性が限りなく局所的かつ限定的になるため、過剰な破壊は起こらない……か。世界ってのは、良くできてんのね」
ゼンが、己の力を確認していると、
「ぁ……ぁ……」
ガチガチと歯を震わせているホルスドが、
「なんだ……それ……どういう……ありえない……動きがまったく見え……というか、そんな力……アロリリアが、一撃で爆散するなど……あんな破壊……ありえない……」
無様に、ワナワナと震えていた。
サードアイごときでは見通せないため、目の前にいるバケモノがどれだけ狂っているのか、ホルスドではデジタルに理解する事ができない。
しかし、爆裂したアロリリアの最後を見れば、『ケタが違う』という事くらいは分かる。
「こ、こんな……」
完全な思考停止状態に陥っているホルスドを見て、ゼンは、
「ちょうどいいから、実験させてもらうぞ。お前相手だったら、いくらでも残酷になれる」
そう呟くと、全力で、『自分』を制御しつつ、超高速で距離をゼロにして、右腕でホルスドの右肩を掴む。
(この肩を掴んでいるだけの状態。ホルスドの筋力がゴミみたいなもんだから、ほとんどエネルギーを使わずに済んでいる……とはいえ、何もしていない時と比べれば、当然、減りは多いか)
思案しながら、左腕で、ホルスドの右腕を引っこ抜いた。
力をこめすぎないよう、ソーっと、しかし、コンマ一秒を切る速度で――
「どぅぁあああああああああああああああああああ!!!」
噴き出した鮮血。
激痛に濡れた顔。
ゼンは、そんなホルスドの顔に愉悦はまったく覚えず、ただただ純粋に、
「アスラ・エグゾギア‐システムのコントロール……出来るには出来るけど……これ、すげぇ神経使うな……練習が必要だ。つっても、動かせる時間は数秒……で、限界がくると、俺、気絶しちまうのか……この力、凄まじいけど、かなり無茶な制限も多々ある……これから先、ちょっと……色々と考えねぇとな……」
ゼンが『先』を思案している間、
「いぃぃぃ……ぐぅ……」
ホルスドは、激痛に耐えながら、
「謝罪……するぅ……」
絞り出したような声で、
「全面的に謝罪する! 主を裏切って、貴様についても構わない! だから許せぇ! 殺すなぁ! 死にたくないぃいいい!」
「……」
「私を配下にできるのだ! これ以上の栄誉はあるまい! だから、許せぇ! 離せぇえええええ!」
「……お前、頭、大丈夫か? 最初から思っていたんだが、お前、情緒とか、考え方とか、いろいろおかしくね?」
「だまれぇえ! いいから、離せぇええ! 痛い、痛い、痛いぃいい! 私を誰だと思っている! 私は五神の一柱! ホルスド・ガオン! 尊き天使の第三位ぃいいい!」
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