センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
60話 歪んだ神の欲望
60話
ホルスドの話を黙って聞いていたシグレは、眉間にしわをよせた渋い顔で、
「……えっと、ようわからんけど……そのイレギュラーっていうんは、もしかして神様の事?」
シグレの発言を受けて、ホルスドは、フンッと鼻で笑って、
「イレギュラーは、貴様に、『自身が神である』と名乗ったのか?」
「質問しとるんはあたしやけど……まあ、ええわ。えっと……名乗ったっていうか、見たら分かるっていうか、実際そうやったというか……」
「くく……無知とは恐ろしいな。本物の神の威光を知らぬ者は、少しばかりまぶしいだけの光を見ただけでも、すぐにそれを神だと誤解する……だが、下賤の者では、本物の神の威光には触れられない……結果、くすんだ光を愚かにも崇めてしまう……悲しい事だ」
やれやれと首をふるホルスド。
酷くイライラとする態度。
ホルスドの飾った仕草を見て、シグレは奥歯をかなり強めに噛んだ。
だが、そんな己の感情は、グっと抑えて、
「べつに、崇めてるわけやないけどなぁ。あたしは宗教大好きな人間ちゃうから。神様の実在が確認できたからぁ言うて、『神様、神様ぁ!』ってなる人間ちゃう。『ああ、おったんや。すごいな』くらい。……眷属かどうかって言われたら……言語とか金とか色々な力をもらったり、配下を数体借りてたりしてるから……まあ、そら、あたしは、確定で、あの神様の眷属なんやろうけど。……ただ、そんなべったりな関係でもない。というわけで……『という訳で』って言うんも、ちょっとおかしな話やけど、とりあえず、今日のところは見逃してくれへん?」
低姿勢で、余計な刺激を与えないような声音で、探るように、
「あたし、まだ死にたぁないねん」
「貴様を見逃す理由が、私には、あまりにも無さ過ぎる。貴様と神の関係が近いかどうかはどうでもいい。問題は『可能性がある』かどうかだ」
とりつくしまのないホルスドの態度を見て、
シグレは、即座に、『こいつとの会話は無意味』と判断し、
「……ニー、あのホルスなんとかってヤツに、あたしらが勝てる可能性ってどのくらいある?」
「余裕で皆無だよ。あいつの前だと、シグレはただの虫。ニーだって、ちょっと硬い虫でしかないよ。踏みつぶされて終わり」
「……く、ぁぁ、マジかぁ……てか、さっき頼んだ『救援要請』はどうなったん? 神様からの返事は?」
「接続できなかった。たぶん、御主人、今、究極超神化6を使っているんだと思う……その場合、最悪、一時間は通信できない。究極超神化6の変身自体は1分で終わるけど、そのあと、御主人、完全に無力化しちゃうから」
「……このクソ緊急事態に、神様、なんで、そんな、ワケ分からん事してんねん……」
「さて、祈りはすんだかな? では、そろそろ、悲鳴をあげてもらおうか。さっきも言ったから分かっていると思うが、もう一度だけ念を押しておこう。腹の底から声をだせ。イレギュラーが無視できないくらいの大声を頼むぞ」
そこで、ホルスドは、人さし指をシグレに向けた。
詠唱も何もしない。
力を込めているとも思えない。
しかし、指先がポっと光った。
そして、気付けば、シグレの足に穴があいていた。
ジュッっという、一瞬だけ、肉が焼ける音がして――
「ぐっ、あああああああ!!」
「シグレ!」
あまりの激痛に悲鳴をあげながら、横転し、身悶えるシグレ。
ニーが、シグレの頭から飛び降りて、シグレとホルスドの間に立つ。
ポヨンとはねながら、ホルスドを威嚇するニー。
ニーは、心の中で舌打ちする。
何かあれば、盾になるつもりで構えていた。
それなのに反応できなかった。
ホルスドの攻撃――威力はともかく、はやすぎる。
ポヨン、ふよん、と何度も跳ねながら、邪悪なオーラを放出する。
自分に対するヘイトを集めようとしている――が、
そんなニーをシカトして、ホルスドは、シグレを見下ろし、
「ふむ……思ったよりもいい声で鳴くじゃないか。少しだけそそる。見た目も悪くないし……ふむ、ただ殺すのはもったいか。……よし、光栄に思え、玩具にしてやる。もう少しだけ鳴かしてみて、イレギュラーの反応がないようだったら、壊してバラして組み立て直し、私の人形として使ってやる」
「屍姦趣味かい……けったくそわるい、くそぼけが……いったぁぁ……くぅう……」
「少し違うんだがな。魂を壊して、外殻だけを再生させ、時間をかけて完璧な人形にする、崇高な趣味。まあ、下賤の者では理解できんだろうな」
「理解できてたまるか、そんなもん……くそ……痛い、痛い、痛い……くそ」
「無駄に声を抑えるな。何度言わせるつもりだ、バカめ。我慢せずに鳴き続けろ。お前の役目は、できるだけ大きな声を出す事だ。さあ、全力でイレギュラーに助けをもとめろ」
そこで、ホスルドは、また、指を光らせた。
ニーが自身を盾にしようと動くが、まったく間に合わない。
当たり前のように、シグレの足に穴があく。
「あああああああああ!!」
「なかなか出てこないな……あまり、眷属には興味がないのか? まあ、いい。ならば、人形にして楽しむだけ。決して無駄な時間ではなかった。……あと2・3発ほど撃ってみて、イレギュラーから、なんの反応もなかったら、貴様の体で少しだけ遊んで、また、次の手段を考える事にしよう」
ホルスドの話を黙って聞いていたシグレは、眉間にしわをよせた渋い顔で、
「……えっと、ようわからんけど……そのイレギュラーっていうんは、もしかして神様の事?」
シグレの発言を受けて、ホルスドは、フンッと鼻で笑って、
「イレギュラーは、貴様に、『自身が神である』と名乗ったのか?」
「質問しとるんはあたしやけど……まあ、ええわ。えっと……名乗ったっていうか、見たら分かるっていうか、実際そうやったというか……」
「くく……無知とは恐ろしいな。本物の神の威光を知らぬ者は、少しばかりまぶしいだけの光を見ただけでも、すぐにそれを神だと誤解する……だが、下賤の者では、本物の神の威光には触れられない……結果、くすんだ光を愚かにも崇めてしまう……悲しい事だ」
やれやれと首をふるホルスド。
酷くイライラとする態度。
ホルスドの飾った仕草を見て、シグレは奥歯をかなり強めに噛んだ。
だが、そんな己の感情は、グっと抑えて、
「べつに、崇めてるわけやないけどなぁ。あたしは宗教大好きな人間ちゃうから。神様の実在が確認できたからぁ言うて、『神様、神様ぁ!』ってなる人間ちゃう。『ああ、おったんや。すごいな』くらい。……眷属かどうかって言われたら……言語とか金とか色々な力をもらったり、配下を数体借りてたりしてるから……まあ、そら、あたしは、確定で、あの神様の眷属なんやろうけど。……ただ、そんなべったりな関係でもない。というわけで……『という訳で』って言うんも、ちょっとおかしな話やけど、とりあえず、今日のところは見逃してくれへん?」
低姿勢で、余計な刺激を与えないような声音で、探るように、
「あたし、まだ死にたぁないねん」
「貴様を見逃す理由が、私には、あまりにも無さ過ぎる。貴様と神の関係が近いかどうかはどうでもいい。問題は『可能性がある』かどうかだ」
とりつくしまのないホルスドの態度を見て、
シグレは、即座に、『こいつとの会話は無意味』と判断し、
「……ニー、あのホルスなんとかってヤツに、あたしらが勝てる可能性ってどのくらいある?」
「余裕で皆無だよ。あいつの前だと、シグレはただの虫。ニーだって、ちょっと硬い虫でしかないよ。踏みつぶされて終わり」
「……く、ぁぁ、マジかぁ……てか、さっき頼んだ『救援要請』はどうなったん? 神様からの返事は?」
「接続できなかった。たぶん、御主人、今、究極超神化6を使っているんだと思う……その場合、最悪、一時間は通信できない。究極超神化6の変身自体は1分で終わるけど、そのあと、御主人、完全に無力化しちゃうから」
「……このクソ緊急事態に、神様、なんで、そんな、ワケ分からん事してんねん……」
「さて、祈りはすんだかな? では、そろそろ、悲鳴をあげてもらおうか。さっきも言ったから分かっていると思うが、もう一度だけ念を押しておこう。腹の底から声をだせ。イレギュラーが無視できないくらいの大声を頼むぞ」
そこで、ホルスドは、人さし指をシグレに向けた。
詠唱も何もしない。
力を込めているとも思えない。
しかし、指先がポっと光った。
そして、気付けば、シグレの足に穴があいていた。
ジュッっという、一瞬だけ、肉が焼ける音がして――
「ぐっ、あああああああ!!」
「シグレ!」
あまりの激痛に悲鳴をあげながら、横転し、身悶えるシグレ。
ニーが、シグレの頭から飛び降りて、シグレとホルスドの間に立つ。
ポヨンとはねながら、ホルスドを威嚇するニー。
ニーは、心の中で舌打ちする。
何かあれば、盾になるつもりで構えていた。
それなのに反応できなかった。
ホルスドの攻撃――威力はともかく、はやすぎる。
ポヨン、ふよん、と何度も跳ねながら、邪悪なオーラを放出する。
自分に対するヘイトを集めようとしている――が、
そんなニーをシカトして、ホルスドは、シグレを見下ろし、
「ふむ……思ったよりもいい声で鳴くじゃないか。少しだけそそる。見た目も悪くないし……ふむ、ただ殺すのはもったいか。……よし、光栄に思え、玩具にしてやる。もう少しだけ鳴かしてみて、イレギュラーの反応がないようだったら、壊してバラして組み立て直し、私の人形として使ってやる」
「屍姦趣味かい……けったくそわるい、くそぼけが……いったぁぁ……くぅう……」
「少し違うんだがな。魂を壊して、外殻だけを再生させ、時間をかけて完璧な人形にする、崇高な趣味。まあ、下賤の者では理解できんだろうな」
「理解できてたまるか、そんなもん……くそ……痛い、痛い、痛い……くそ」
「無駄に声を抑えるな。何度言わせるつもりだ、バカめ。我慢せずに鳴き続けろ。お前の役目は、できるだけ大きな声を出す事だ。さあ、全力でイレギュラーに助けをもとめろ」
そこで、ホスルドは、また、指を光らせた。
ニーが自身を盾にしようと動くが、まったく間に合わない。
当たり前のように、シグレの足に穴があく。
「あああああああああ!!」
「なかなか出てこないな……あまり、眷属には興味がないのか? まあ、いい。ならば、人形にして楽しむだけ。決して無駄な時間ではなかった。……あと2・3発ほど撃ってみて、イレギュラーから、なんの反応もなかったら、貴様の体で少しだけ遊んで、また、次の手段を考える事にしよう」
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