センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
29話 着々と進んでいく旅立ちの準備
29話
「マジで頭痛ぇ……うぅ……」
頭痛にもだえているセンに、神は、
「これをやる。舐めておけ」
そう言われた直後、センの手の中に、フリ○クケースみたいなものが出現した。
もはや、驚く事もなく、センは、フタをあけて、掌の上で振ってみた。
何粒か、『ちょっと光っている、名状しがたい正露丸のようなもの』が出てきた。
(もはや、この程度の珍妙さでは動じない自分がいるな……)
センは、躊躇なく、ソレを、口の中に放り込む。
テロテロと舐めている途中、
「……メッチャまずいんすけど、これ、なんすか?」
正露丸をさらに煮詰めてしんどくしたような味がした。
「神実と言われている、神のプロテインだ。GLの経験値が稼ぎやすくなるというのが最大の特徴だが、足りない栄養素を補完してくれたりもする便利な食べ物」
「へぇ、仙豆みたいなものって事っすか?」
「体力は回復しないが、まあ、同じかそれ以上に便利な種だな。定期的に舐めておけ。勝手に補充されるようになっているから、なくなる心配はない」
「……はぁ、わかりました」
返事をしながら、頭の中で、
(足りない栄養を補ってくれる、か。……これがあれば、どんな状況下でも餓死はしなさそうだな……あとは、水の確保さえしとけおけば、どこでも生きられそうだ――ん?)
と、考えている途中で気付いた。
頭の痛みが和らいでいた。
重苦しい気持ち悪さと、ドロっとした眠気が溶けていく。
(……『ちゃんとした寝起き』みたいに、頭がスっとしてきた……確かに便利な食べ物だ)
頭が動きだしてすぐ、センは、自分の中に流れ込んできた情報の処理に着手する。
(……これがGODレベル……レベルアップによってHPとMPは上昇するが、他のステータスはあがらない。最も重要なのは『GLが上がった際に獲得できるGP』で自由に己をカスタムできるという成長要素。――本来ならば、『神』と呼ばれる高次生命にならなければ解放されない究極のシステム)
どんどん冴えわたってくる頭が、情報を端から整理していく。
瞬時かつ極端に増えた情報量という暴力が、センの脳を強烈に活性化させる。
むりやり本気を引き出された脳が、センを一段階上の存在へと押し上げる。
(……『普通のレベル』が『魂を奪わないと上がらない』のに対して、GLは何をしても上がる。そして、得られる力はどれも破格――これだけでもかなり有利なのに、『普通のレベルと並行して上げる事ができる』って点が、かなりのアドバンテージ。確かにチートだな。何より、『俺好み』って点が素晴らしい)
センはガキの頃から、『考える』のが好きだった。
素材をもとに、『どうすればどうなっていくか』を考えるのが大好きだった。
小説を読んでいる時も、自分なら『ああするこうする』と常に考えていた。
そして、考えて、『好みにあった結論』を出すと、『トコトン』やりこむ。
――だから、当然、かつての『センエース』もそうだった――
『外には強いヤツがたくさんいる』
『この村で得られる武器でそいつらを倒すのは難しい』
『金も素材もない』
『となれば、まずは下地』
『体を戦闘に慣れさせる』
『基礎を徹底させてから外に行こう』
『そのための最適は?』
『せっかくの異世界転生だ、できるだけ死にたくない』
『全てを満たした最適解とは?』
『その上で、自分の好みは?』
『この村の周りは、二か所ほど、スライムが大量に沸くボーナスポイントがある』
『下手にオーガやスケルトンを時間かけて倒すより、大量に沸くスライムを延々に殺した方が、いろんな意味でベストなんじゃ――』
『もっといい方法はきっとある』
『けど、今の俺はあまりにも無知で無力』
『ならば、やはり――』
『よし、決めた。しばらくはスライムを倒し続けよう。目標は10万匹。心が折れなければ、その10倍いこう』
――そして、結果、目標の200倍を達成したりする。
閃壱番とは、そういう人間だ。
「マジで頭痛ぇ……うぅ……」
頭痛にもだえているセンに、神は、
「これをやる。舐めておけ」
そう言われた直後、センの手の中に、フリ○クケースみたいなものが出現した。
もはや、驚く事もなく、センは、フタをあけて、掌の上で振ってみた。
何粒か、『ちょっと光っている、名状しがたい正露丸のようなもの』が出てきた。
(もはや、この程度の珍妙さでは動じない自分がいるな……)
センは、躊躇なく、ソレを、口の中に放り込む。
テロテロと舐めている途中、
「……メッチャまずいんすけど、これ、なんすか?」
正露丸をさらに煮詰めてしんどくしたような味がした。
「神実と言われている、神のプロテインだ。GLの経験値が稼ぎやすくなるというのが最大の特徴だが、足りない栄養素を補完してくれたりもする便利な食べ物」
「へぇ、仙豆みたいなものって事っすか?」
「体力は回復しないが、まあ、同じかそれ以上に便利な種だな。定期的に舐めておけ。勝手に補充されるようになっているから、なくなる心配はない」
「……はぁ、わかりました」
返事をしながら、頭の中で、
(足りない栄養を補ってくれる、か。……これがあれば、どんな状況下でも餓死はしなさそうだな……あとは、水の確保さえしとけおけば、どこでも生きられそうだ――ん?)
と、考えている途中で気付いた。
頭の痛みが和らいでいた。
重苦しい気持ち悪さと、ドロっとした眠気が溶けていく。
(……『ちゃんとした寝起き』みたいに、頭がスっとしてきた……確かに便利な食べ物だ)
頭が動きだしてすぐ、センは、自分の中に流れ込んできた情報の処理に着手する。
(……これがGODレベル……レベルアップによってHPとMPは上昇するが、他のステータスはあがらない。最も重要なのは『GLが上がった際に獲得できるGP』で自由に己をカスタムできるという成長要素。――本来ならば、『神』と呼ばれる高次生命にならなければ解放されない究極のシステム)
どんどん冴えわたってくる頭が、情報を端から整理していく。
瞬時かつ極端に増えた情報量という暴力が、センの脳を強烈に活性化させる。
むりやり本気を引き出された脳が、センを一段階上の存在へと押し上げる。
(……『普通のレベル』が『魂を奪わないと上がらない』のに対して、GLは何をしても上がる。そして、得られる力はどれも破格――これだけでもかなり有利なのに、『普通のレベルと並行して上げる事ができる』って点が、かなりのアドバンテージ。確かにチートだな。何より、『俺好み』って点が素晴らしい)
センはガキの頃から、『考える』のが好きだった。
素材をもとに、『どうすればどうなっていくか』を考えるのが大好きだった。
小説を読んでいる時も、自分なら『ああするこうする』と常に考えていた。
そして、考えて、『好みにあった結論』を出すと、『トコトン』やりこむ。
――だから、当然、かつての『センエース』もそうだった――
『外には強いヤツがたくさんいる』
『この村で得られる武器でそいつらを倒すのは難しい』
『金も素材もない』
『となれば、まずは下地』
『体を戦闘に慣れさせる』
『基礎を徹底させてから外に行こう』
『そのための最適は?』
『せっかくの異世界転生だ、できるだけ死にたくない』
『全てを満たした最適解とは?』
『その上で、自分の好みは?』
『この村の周りは、二か所ほど、スライムが大量に沸くボーナスポイントがある』
『下手にオーガやスケルトンを時間かけて倒すより、大量に沸くスライムを延々に殺した方が、いろんな意味でベストなんじゃ――』
『もっといい方法はきっとある』
『けど、今の俺はあまりにも無知で無力』
『ならば、やはり――』
『よし、決めた。しばらくはスライムを倒し続けよう。目標は10万匹。心が折れなければ、その10倍いこう』
――そして、結果、目標の200倍を達成したりする。
閃壱番とは、そういう人間だ。
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