センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
27話 ――どれだけ――
27話
「いやいやいや! もちろん、頑張りますよ?! せっかく、異世界に行けるんですから、そりゃ、死ぬ気で頑張りますよ?! けど、そういう問題じゃなくないっすか? ゴミ以下が、ただ頑張ったところで、エリートな戦闘民族には勝てないでしょ?!」
正論を並べるセンに、神は、静かに、
「どれだけ――」
「ぇ?」
「どれだけ苦しくても、積め」
「……」
「どれだけ辛くても、どれだけ惨めでも……どんなに痛々しくても、それでも泥臭く……嫌になって投げ出したくなっても……生きるのが嫌になるほど心砕かれても……それでも積み重ねろ。積み重ね続けろ」
「……」
「そうすれば……勝てる。絶対に勝てる」
「……なんで……言い切れるんですか?」
そんな、当り前の疑問に対して、神は、
「さぁ」
太陽を包み込むような、無邪気なガキのソレよりも遥かに眩しい満天の笑顔で、ハッキリと、
「なんでだろうな」
そう言った。
神の言葉は、あまりにもあやふやで、論理性にかけていて、バカ丸出しだったが、しかし、なぜか、
「……ただ積み重ねろ、か……」
センの心に響いた。
きっと、それは、確かな重さを感じたから。
神の言葉が、ただの拙いギャグなんかじゃない、『本気のメッセージ』だと、なぜだか認識できたから。
「まあ、いっか……いいよ、積んでやる。やってやる……全部、乗り越えてやる」
「よく言った、セン。それでこそ……サイヤ人だ」
「え、俺、サイヤ人なんすか?」
「お前は第一アルファ人に決まっているだろう。なに言ってんだ、大丈夫か?」
(……ぅ、うぜぇ……ぁあ、どうしよう、シバきたくなってきた……でも、今の俺じゃあ、近づくことさえ無理だしなぁ……)
本気でイライラしだしたセンは、心の中で決意する。
(よし、決めた。必死に強くなって、いつか、必ず一発シバく。それを俺の最終目標にしよう。神に一発ぶちこむとか、無謀を通り越した目標だが、俺はやる。やってみせる)
センが歯噛みしている向こうで、神は、ぽりぽりと頬をかきながら、
(やべぇな……『自分』に対して偉そうにしている『今の状況』がしんどくなってきて、つい、要所要所でふざけちまう……あれだけ、お気楽系の神を嫌ってたってのに、自分がソレをやってどうすんだよ、ったく。……もう少し、頑張れ、俺……あとは、チートを与えて送りだすだけだろ……気をひきしめろ。ギャグに逃げるな、ちゃんとしろ)
心の中でそう呟いてから、
「それでは、そろそろ、お前に与えるチートについての説明をはじめよう」
「え、俺、チートもらえるんすか? なんか、そういうのは、もらえなさそうな感じだったのに」
「当たり前だろうが、お前ごときが、チートもなしに、どうやって超魔王を倒すんだよ。うぬぼれんな、カスが」
(強くなって、ぜったい一発殴る……いや、二発、殴る)
決意をさらに固めているセンの向こうで、
(チートなしでも、2000年くらい積めば、余裕で勝てるようになるだろうが、そこまで待ってられねぇんだよ……なにより、こいつには……)
神は、心の中で、そんな事をつぶやきながら、センの目をジっと見つめる。
(……『無限転生が備わっていない』って問題がある)
なんともおかしな話だが、このセンには、無限転生の特性が備わっていなかった。
このセンは間違いなく、センエース。
その証拠に、『世界一レベルが上がりやすい』という、唯一無二の特性は所有していた。
だが、このセンは、無限転生は持っていない。
その理由は――
「いやいやいや! もちろん、頑張りますよ?! せっかく、異世界に行けるんですから、そりゃ、死ぬ気で頑張りますよ?! けど、そういう問題じゃなくないっすか? ゴミ以下が、ただ頑張ったところで、エリートな戦闘民族には勝てないでしょ?!」
正論を並べるセンに、神は、静かに、
「どれだけ――」
「ぇ?」
「どれだけ苦しくても、積め」
「……」
「どれだけ辛くても、どれだけ惨めでも……どんなに痛々しくても、それでも泥臭く……嫌になって投げ出したくなっても……生きるのが嫌になるほど心砕かれても……それでも積み重ねろ。積み重ね続けろ」
「……」
「そうすれば……勝てる。絶対に勝てる」
「……なんで……言い切れるんですか?」
そんな、当り前の疑問に対して、神は、
「さぁ」
太陽を包み込むような、無邪気なガキのソレよりも遥かに眩しい満天の笑顔で、ハッキリと、
「なんでだろうな」
そう言った。
神の言葉は、あまりにもあやふやで、論理性にかけていて、バカ丸出しだったが、しかし、なぜか、
「……ただ積み重ねろ、か……」
センの心に響いた。
きっと、それは、確かな重さを感じたから。
神の言葉が、ただの拙いギャグなんかじゃない、『本気のメッセージ』だと、なぜだか認識できたから。
「まあ、いっか……いいよ、積んでやる。やってやる……全部、乗り越えてやる」
「よく言った、セン。それでこそ……サイヤ人だ」
「え、俺、サイヤ人なんすか?」
「お前は第一アルファ人に決まっているだろう。なに言ってんだ、大丈夫か?」
(……ぅ、うぜぇ……ぁあ、どうしよう、シバきたくなってきた……でも、今の俺じゃあ、近づくことさえ無理だしなぁ……)
本気でイライラしだしたセンは、心の中で決意する。
(よし、決めた。必死に強くなって、いつか、必ず一発シバく。それを俺の最終目標にしよう。神に一発ぶちこむとか、無謀を通り越した目標だが、俺はやる。やってみせる)
センが歯噛みしている向こうで、神は、ぽりぽりと頬をかきながら、
(やべぇな……『自分』に対して偉そうにしている『今の状況』がしんどくなってきて、つい、要所要所でふざけちまう……あれだけ、お気楽系の神を嫌ってたってのに、自分がソレをやってどうすんだよ、ったく。……もう少し、頑張れ、俺……あとは、チートを与えて送りだすだけだろ……気をひきしめろ。ギャグに逃げるな、ちゃんとしろ)
心の中でそう呟いてから、
「それでは、そろそろ、お前に与えるチートについての説明をはじめよう」
「え、俺、チートもらえるんすか? なんか、そういうのは、もらえなさそうな感じだったのに」
「当たり前だろうが、お前ごときが、チートもなしに、どうやって超魔王を倒すんだよ。うぬぼれんな、カスが」
(強くなって、ぜったい一発殴る……いや、二発、殴る)
決意をさらに固めているセンの向こうで、
(チートなしでも、2000年くらい積めば、余裕で勝てるようになるだろうが、そこまで待ってられねぇんだよ……なにより、こいつには……)
神は、心の中で、そんな事をつぶやきながら、センの目をジっと見つめる。
(……『無限転生が備わっていない』って問題がある)
なんともおかしな話だが、このセンには、無限転生の特性が備わっていなかった。
このセンは間違いなく、センエース。
その証拠に、『世界一レベルが上がりやすい』という、唯一無二の特性は所有していた。
だが、このセンは、無限転生は持っていない。
その理由は――
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