センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
25話 超魔王軍ゼノリカの脅威
25話
気付いた時、センは、『輝く場所』にいた。
淡い光で包まれた、幻想的な、煌めく雲の上。
上を見れば、インディゴブルーの空が広がっている。
ジオメトリを描く楕円の虹と、謳うように踊る無数の流星群。
オーロラも見えた。
右には弧状で、左には帯状。
そんな空のもっと上は、濡れたタオルで拭ったような、キラキラとした惑星の祭典。
朝で、昼で、夜だったんだ。
(イカれた場所だな…………もしかして、ここが…………神界……的な?)
呆けていると、背後から、
「セン」
声をかけられた。
視線を向けてみると、先ほどまで何もなかった場所に、力強く瞬く『火の玉』が出現していた。
そして、そこには、
「お前の願いは叶えてやった」
まばゆい後光に包まれた神が座していた。
とても人の手では創りだせないであろう『とても静かで小さな太陽』に、『何気なく』腰かけている。
その姿はまさしく神。
極まって厳かな空気の中、神は続ける。
「よって、対価を支払ってもらう」
まだ、理解が追いついた訳ではないが、
「……はい」
しかし、センは、ハッキリと頷いて、
「分かっています。確か、異世界で魔王を倒すんでしたっけ?」
「正式には『超魔王軍ゼノリカ』を倒してもらう」
「超魔王……っすか」
「お前が、これから挑む世界には、『リーン』という『魔王を名乗る幼女』がいるが、そいつは、ただの人間だ。『魔人と呼ばれている亜人の王』というだけで、正式な意味での『魔王』ではない。いわば、『自ら名乗った蔑称』と言ったところか。端的に言えば、魔王リーンは、悪でも闇でもない。つまり、お前が倒すべき敵ではない。お前の敵は、表ではなく裏にいる」
(裏……ねぇ。俺が倒すのはバラモスではなくゾーマ……的な? ふむ……まだ、詳細が分からないから何ともいえないが……こいつは、かなり色々と深く広そうだな)
「超魔王軍ゼノリカは、17軍からなる、とてつもなく大きな軍事組織だ。全世界を見渡しても間違いなく最大最強。まさしく究極の暴力装置」
「えぐいっすね」
「その通り。超魔王軍ゼノリカは凶悪最悪の脅威。超魔王軍ゼノ……ぁあ、鬱陶しい。これからは、超軍か、ゼノリカだけで行くぞ」
「ぁ、はい。お好きにどうぞ」
「ゼノリカは、全世界の『闇』を支配する地獄の軍団……それだけ強大な組織でありながら、表に、超軍の存在を知る者は、ほとんどいない」
「表には出ず、裏から全てを支配する……まさにラスボスって感じで痺れるじゃないっすか。倒し甲斐がありそうだ」
「最初に言っておくが、頭だけを殺しても、ヤツらは動く。全てを潰さなければ意味がない」
「へぇ、どっかの節足動物みたいな組織ですね」
「頭の名は、ゾメガ・オルゴレアム。絶悪で獰猛な、悪意を貪る超魔王」
「ぉお、名前からして、一筋縄じゃいかない感じがバリバリ出てますね」
「ゼノリカは、一応、ゾメガを頭としているが、実際には、三体のディザスター(存在するだけで大惨事なバケモノ)が同列の権限を持つ、ケルベロス体制だ」
「……それってうまく行くんですか? 頭が複数あると、混乱するって聞くんですが」
「ゆえに、ゾメガを正式な頭と設定して動く。どんな時でも、ゾメガの命令が最優先となる――が、しかし、ゾメガの命が最優先で守られる訳ではない。ゾメガが死ねば、残り二体のディザスターから、呼吸するように新たに王が産まれて再編される。やつらは死を恐れない。死を享受しているからだ」
「人気が出そうな組織っすね」
「超魔王軍には、『取られれば負ける王』というボーナス的な勝利条件はいない。イメージ的に、『飛車が三枚ある布陣』だと考えておけば間違いはない」
「なるほど。それで、他2枚の飛車はどういうヤツなんですか?」
「一枚は、世界喰いの異名を持つ、破滅と絶望を司る邪神『ミシャンド/ラ』。産まれおちただけで、世界一つを滅ぼした邪悪の化身」
「おお……産まれただけで世界を終わらせるとか……ハンパねぇ」
「最後の一枚は、最強の悪。ただひたすらに武を究めようと、もがきあがき続け、ついにはダークサイドに堕ちてしまった呪われし地獄の暗黒超勇者」
「勇者も魔王サイドっすか……なるほど、テンプレだけど、燃える展開じゃないっすか。で、そいつの名は?」
「やつの名は……『平熱マン』!」
「まさかの三段オチ?!」
気付いた時、センは、『輝く場所』にいた。
淡い光で包まれた、幻想的な、煌めく雲の上。
上を見れば、インディゴブルーの空が広がっている。
ジオメトリを描く楕円の虹と、謳うように踊る無数の流星群。
オーロラも見えた。
右には弧状で、左には帯状。
そんな空のもっと上は、濡れたタオルで拭ったような、キラキラとした惑星の祭典。
朝で、昼で、夜だったんだ。
(イカれた場所だな…………もしかして、ここが…………神界……的な?)
呆けていると、背後から、
「セン」
声をかけられた。
視線を向けてみると、先ほどまで何もなかった場所に、力強く瞬く『火の玉』が出現していた。
そして、そこには、
「お前の願いは叶えてやった」
まばゆい後光に包まれた神が座していた。
とても人の手では創りだせないであろう『とても静かで小さな太陽』に、『何気なく』腰かけている。
その姿はまさしく神。
極まって厳かな空気の中、神は続ける。
「よって、対価を支払ってもらう」
まだ、理解が追いついた訳ではないが、
「……はい」
しかし、センは、ハッキリと頷いて、
「分かっています。確か、異世界で魔王を倒すんでしたっけ?」
「正式には『超魔王軍ゼノリカ』を倒してもらう」
「超魔王……っすか」
「お前が、これから挑む世界には、『リーン』という『魔王を名乗る幼女』がいるが、そいつは、ただの人間だ。『魔人と呼ばれている亜人の王』というだけで、正式な意味での『魔王』ではない。いわば、『自ら名乗った蔑称』と言ったところか。端的に言えば、魔王リーンは、悪でも闇でもない。つまり、お前が倒すべき敵ではない。お前の敵は、表ではなく裏にいる」
(裏……ねぇ。俺が倒すのはバラモスではなくゾーマ……的な? ふむ……まだ、詳細が分からないから何ともいえないが……こいつは、かなり色々と深く広そうだな)
「超魔王軍ゼノリカは、17軍からなる、とてつもなく大きな軍事組織だ。全世界を見渡しても間違いなく最大最強。まさしく究極の暴力装置」
「えぐいっすね」
「その通り。超魔王軍ゼノリカは凶悪最悪の脅威。超魔王軍ゼノ……ぁあ、鬱陶しい。これからは、超軍か、ゼノリカだけで行くぞ」
「ぁ、はい。お好きにどうぞ」
「ゼノリカは、全世界の『闇』を支配する地獄の軍団……それだけ強大な組織でありながら、表に、超軍の存在を知る者は、ほとんどいない」
「表には出ず、裏から全てを支配する……まさにラスボスって感じで痺れるじゃないっすか。倒し甲斐がありそうだ」
「最初に言っておくが、頭だけを殺しても、ヤツらは動く。全てを潰さなければ意味がない」
「へぇ、どっかの節足動物みたいな組織ですね」
「頭の名は、ゾメガ・オルゴレアム。絶悪で獰猛な、悪意を貪る超魔王」
「ぉお、名前からして、一筋縄じゃいかない感じがバリバリ出てますね」
「ゼノリカは、一応、ゾメガを頭としているが、実際には、三体のディザスター(存在するだけで大惨事なバケモノ)が同列の権限を持つ、ケルベロス体制だ」
「……それってうまく行くんですか? 頭が複数あると、混乱するって聞くんですが」
「ゆえに、ゾメガを正式な頭と設定して動く。どんな時でも、ゾメガの命令が最優先となる――が、しかし、ゾメガの命が最優先で守られる訳ではない。ゾメガが死ねば、残り二体のディザスターから、呼吸するように新たに王が産まれて再編される。やつらは死を恐れない。死を享受しているからだ」
「人気が出そうな組織っすね」
「超魔王軍には、『取られれば負ける王』というボーナス的な勝利条件はいない。イメージ的に、『飛車が三枚ある布陣』だと考えておけば間違いはない」
「なるほど。それで、他2枚の飛車はどういうヤツなんですか?」
「一枚は、世界喰いの異名を持つ、破滅と絶望を司る邪神『ミシャンド/ラ』。産まれおちただけで、世界一つを滅ぼした邪悪の化身」
「おお……産まれただけで世界を終わらせるとか……ハンパねぇ」
「最後の一枚は、最強の悪。ただひたすらに武を究めようと、もがきあがき続け、ついにはダークサイドに堕ちてしまった呪われし地獄の暗黒超勇者」
「勇者も魔王サイドっすか……なるほど、テンプレだけど、燃える展開じゃないっすか。で、そいつの名は?」
「やつの名は……『平熱マン』!」
「まさかの三段オチ?!」
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