センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
56話 究極超神センエース
56話
「ははははは! どういう原理だ?! なんだ、これ! 死ぬ前より遥かに強くなっているぞ! この力、貴様と同じ! 同じだ!! ふははははははははははは!! 今度こそ、私は完全な存在になったぁあああ!! はぁーーーーーー!!」
喜びを爆発させているサイケルをシカトして、
センは、『サイケルの奥』にいる、己の配下に意識を向けて、
(……すげぇな、アダム……)
絶賛した。
思わず微笑みながら、センは、心の中で、
(俺の無限転生を媒体にしただけでは、サイも、ここまで無茶な事にはならなかった。ほとんどがお前の力だ。アダム。お前が積み重ねてきた全て……とくと見せてもらったぞ……流石に、絶死のアリア・ギアスによるデスブーストには抵抗しきれなかったようだが、それは仕方な――)
「どうだ! あるか?! 今の私を殺し切る手が! 私を倒す手が、貴様にあるか!!」
(うるせぇなぁ……お前なんかどうでもいいんだよ……)
センはやれやれと溜息をつきながら、心の中でつぶやく。
(お前を倒す手段? あるさ……アダムを奪い返せばいい。そうすれば、テメェは、死なないだけのカスになる。後は、ボコボコにしてキューブ系の魔法で肉体ごとコアオーラを封じこんで終了だ。殺せはしないが、お前の生死なんか、どうでもいい。何もできない世界で永遠に生きていやがれ)
ゆえに、問題は……
(……問題は、どうやってアダムを奪い返すか……絶死のアリア・ギアスと、俺の無限転生が組み込まれたせいで、ようやく解けかけていたアダムのコアオーラがまた絡んじまった……)
センは、深く、静かに、息を吸い込む。
酸素を取り込んで、二酸化炭素を吐きだす。
その過程は何も変わらない(変えなかったと言った方が正しいが)。
もちろん、部分部分では違うが、概ねの流れは変わらない。
センは二度ほど深呼吸をする。
――正直言って、ここまでは余裕があった。
アダムを救うために、もちろん、ずっと全力を尽くしてはいたが、
ここまでは、『方法ならいくらでもある』という、心の余裕があった。
けれど、ここからは違う。
唯一の最善手のみを打つ。
(存在値は同等。戦闘力は俺の方が遥かに上だが、やつには無限蘇生というアドバンテージがある。この状況下で……ギリギリまで削る……)
スゥゥゥ。
ハァァァ。
センは、本気で集中する。
目を閉じて、再度深呼吸。
心が整っていく。
(復唱。ヤツの心を削りきる。そして、アダムを奪い返す)
センは、バっと目を開けて、
「――ミッション、了解」
己に課せられた責任を、
理解して、認める。
『死なないカンスト(サイケル)』の心を殺す。
恐ろしいほどの高難易度。
センは思う。
コレは、他の誰にもできない事。
実現可能なのは、この世でただ一人。
「存在値17兆。全世界最強の神。くだらない称号だ……しかし」
センは構える。
大きく足をあげて、虚空に、回転蹴りを放つ。
攻撃ではない。
手を合わすのと同じ。
単なる、本気で闘う前のルーティン。
シュンシュンと、二度ほど空に蹴りを放ち、
右腕で下弦を、左腕を上弦を描く。
しっかりと体をほぐしてから、
ダ、ダンッッ! と両足で地面を踏みしめて、グっと腰を入れる。
「……バカみたいに積み上げてきて、本当に良かった」
心から思う。
神の領域に至ってから、『力』は、ただ無意味に膨れ上がるばかりだった。
現世で、『誰かを救うための力』など、存在値1000もあれば充分だった。
それ以上は、いつだって、ただの数字でしかなかった。
存在値17兆。
現世では、なんの意味もなかった数字が、今、初めて、
――センの『力』になる。
「はぁぁぁああ……」
フツフツと、センのオーラが沸きあがっていく。
「――究極超神化3――」
磨き上げられた、淀みのないオーラで包まれる。
膨大なエネルギー。
呆れるほど大きくて、どこかせつない。
それを見たサイケルは、
「……この領域に至ったからこそ分かる。貴様は本物だ。その、途方もない力。だが、私には勝てない。なぜならば、私は死なないから」
少しも焦らず、ドッシリと落ちついて、そう言った。
サイケルは、
「私は必ず貴様を殺す。きっと、それで全てが終わる。貴様を殺した後も、私の命は続いていくだろう……が、そこから先は、ただの惰性。貴様を殺し、『最強という概念そのもの』が『完成』し……そして、全てが終わる。儚いな。しかし、それでいい……私はそのために産まれてきたのだろう」
まっすぐな目で、センを見つめて問いかける。
「最後だ。どうか、教えてくれ。私の『前』に立つ者よ。――貴様の名は?」
その純粋な眼差しに、センは応えた。
真剣なまなざしで、わずかもおどけることなく、
慰めの『弱い言葉』すら使わず、
堂々と、本気の名乗りをあげる。
「俺は究極超神の序列一位。神界の深層を統べる暴君にして、運命を調律する神威の桜華。
――舞い散る閃光、センエース」
先手、センエース。
盤上に、躊躇なく、
『神の一手』を放つ。
「ははははは! どういう原理だ?! なんだ、これ! 死ぬ前より遥かに強くなっているぞ! この力、貴様と同じ! 同じだ!! ふははははははははははは!! 今度こそ、私は完全な存在になったぁあああ!! はぁーーーーーー!!」
喜びを爆発させているサイケルをシカトして、
センは、『サイケルの奥』にいる、己の配下に意識を向けて、
(……すげぇな、アダム……)
絶賛した。
思わず微笑みながら、センは、心の中で、
(俺の無限転生を媒体にしただけでは、サイも、ここまで無茶な事にはならなかった。ほとんどがお前の力だ。アダム。お前が積み重ねてきた全て……とくと見せてもらったぞ……流石に、絶死のアリア・ギアスによるデスブーストには抵抗しきれなかったようだが、それは仕方な――)
「どうだ! あるか?! 今の私を殺し切る手が! 私を倒す手が、貴様にあるか!!」
(うるせぇなぁ……お前なんかどうでもいいんだよ……)
センはやれやれと溜息をつきながら、心の中でつぶやく。
(お前を倒す手段? あるさ……アダムを奪い返せばいい。そうすれば、テメェは、死なないだけのカスになる。後は、ボコボコにしてキューブ系の魔法で肉体ごとコアオーラを封じこんで終了だ。殺せはしないが、お前の生死なんか、どうでもいい。何もできない世界で永遠に生きていやがれ)
ゆえに、問題は……
(……問題は、どうやってアダムを奪い返すか……絶死のアリア・ギアスと、俺の無限転生が組み込まれたせいで、ようやく解けかけていたアダムのコアオーラがまた絡んじまった……)
センは、深く、静かに、息を吸い込む。
酸素を取り込んで、二酸化炭素を吐きだす。
その過程は何も変わらない(変えなかったと言った方が正しいが)。
もちろん、部分部分では違うが、概ねの流れは変わらない。
センは二度ほど深呼吸をする。
――正直言って、ここまでは余裕があった。
アダムを救うために、もちろん、ずっと全力を尽くしてはいたが、
ここまでは、『方法ならいくらでもある』という、心の余裕があった。
けれど、ここからは違う。
唯一の最善手のみを打つ。
(存在値は同等。戦闘力は俺の方が遥かに上だが、やつには無限蘇生というアドバンテージがある。この状況下で……ギリギリまで削る……)
スゥゥゥ。
ハァァァ。
センは、本気で集中する。
目を閉じて、再度深呼吸。
心が整っていく。
(復唱。ヤツの心を削りきる。そして、アダムを奪い返す)
センは、バっと目を開けて、
「――ミッション、了解」
己に課せられた責任を、
理解して、認める。
『死なないカンスト(サイケル)』の心を殺す。
恐ろしいほどの高難易度。
センは思う。
コレは、他の誰にもできない事。
実現可能なのは、この世でただ一人。
「存在値17兆。全世界最強の神。くだらない称号だ……しかし」
センは構える。
大きく足をあげて、虚空に、回転蹴りを放つ。
攻撃ではない。
手を合わすのと同じ。
単なる、本気で闘う前のルーティン。
シュンシュンと、二度ほど空に蹴りを放ち、
右腕で下弦を、左腕を上弦を描く。
しっかりと体をほぐしてから、
ダ、ダンッッ! と両足で地面を踏みしめて、グっと腰を入れる。
「……バカみたいに積み上げてきて、本当に良かった」
心から思う。
神の領域に至ってから、『力』は、ただ無意味に膨れ上がるばかりだった。
現世で、『誰かを救うための力』など、存在値1000もあれば充分だった。
それ以上は、いつだって、ただの数字でしかなかった。
存在値17兆。
現世では、なんの意味もなかった数字が、今、初めて、
――センの『力』になる。
「はぁぁぁああ……」
フツフツと、センのオーラが沸きあがっていく。
「――究極超神化3――」
磨き上げられた、淀みのないオーラで包まれる。
膨大なエネルギー。
呆れるほど大きくて、どこかせつない。
それを見たサイケルは、
「……この領域に至ったからこそ分かる。貴様は本物だ。その、途方もない力。だが、私には勝てない。なぜならば、私は死なないから」
少しも焦らず、ドッシリと落ちついて、そう言った。
サイケルは、
「私は必ず貴様を殺す。きっと、それで全てが終わる。貴様を殺した後も、私の命は続いていくだろう……が、そこから先は、ただの惰性。貴様を殺し、『最強という概念そのもの』が『完成』し……そして、全てが終わる。儚いな。しかし、それでいい……私はそのために産まれてきたのだろう」
まっすぐな目で、センを見つめて問いかける。
「最後だ。どうか、教えてくれ。私の『前』に立つ者よ。――貴様の名は?」
その純粋な眼差しに、センは応えた。
真剣なまなざしで、わずかもおどけることなく、
慰めの『弱い言葉』すら使わず、
堂々と、本気の名乗りをあげる。
「俺は究極超神の序列一位。神界の深層を統べる暴君にして、運命を調律する神威の桜華。
――舞い散る閃光、センエース」
先手、センエース。
盤上に、躊躇なく、
『神の一手』を放つ。
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