センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
33話 みるがいい! これが本物の勇気だ!!
33話
「なぜ、解析できないのか分からないが……解析できないのなら、丸のみしてしまえばいいだけのこと。ただ、このままでは食べ辛いな……頭と肢体と体をバラバラにさせてもらおうか」
そう言って、高速の踏み込みで掴みかかってきたサイケル。
胸倉に伸びてきた手を、センは、つまらなそうに見下ろしていた。
左足を下げ、半身になっての軽いスウェー。
当然のようにスルリと避けるセンに、
「避けるな、鬱陶しい」
速度を上げて、再度掴みかかってくるサイケルの足を、
センは、回避のついでで、
「そりゃ」
と、軽く払う。
「ぬぉっ」
わずかにバランスを崩して前のめりになったサイケル。
絶妙な位置に落ちてきた、
その頭部に、センは、照準を定める。
軸足の親指に力を込める。
ドンっと地面に圧がかかった。
センは、その場で、グルンッと豪速ターンして、
「――『閃拳』!!」
サイケルの顔面に、凶悪なグリムアーツを叩きこむ。
遠心力に心を込めて、左腕を思いっきり引きながら、右腕を突きだす。
ドゴンッッと爆発的な音をたてて、サイケルは、十メートルほど吹っ飛んだ。
一見、ただの正拳突き。
実際、ただの正拳突き。
センのグリムアーツ『閃拳』は、ただ繰り返してきた正拳突きでしかない。
しかし、ただ愚直に繰り返してきたからこそ辿りつける高みというのがある。
プラス、『アリア・ギアス』による強化もかかっているため、その性能は破格。
「どうよ、自分の名前を技名にする、この勇気。そして、技名を叫ばなければ発動しないようにするという、この狂気! 俺こそが真の勇者。そうだろう?」
「……凄まじいグリムアーツ……」
サイケルは起き上がり、土埃を払いながら、
「だが、軽い。貴様の力では、私の防御を貫く事はできない」
それを聞いて、
「はは、ズレた事言ってんな」
センは鼻で笑う。
「……なに?」
「ターン性のRPGでもやっているつもりかよ。崩しの小技をくらっておいて、軽いもクソもあるかってんだ。何されたかすら分かっていないマヌケが一丁前のセリフを吐いてんじゃねぇ」
センは、腰を落として、右ひじを鋭角に曲げて、右拳を顎の下まで持っていく。
左腕はユラリと引きながら90度を保つ。
「ハッキリ言ってやろうか。お前はアダムよりも遥かに弱い。積み重ねたモノが何もなく、本当に、ただ無様に膨張しただけの醜い数字の塊でしかない。闘うに値しない。それなのに、勘違いしてイキっている。そのザマが、不快なタイプの異世界モノ主人公とかぶって非常に気分が悪い」
センは、
「アダムを奪っておきながら、それだけの力しか持たないという事実も腹立たしい。……お前のお粗末な頭では理解できないだろうが、あいつが積み上げてきた結晶は、本当に美しいんだ。神闘を経てすらいないというのに、戦闘力だけなら全世界で七番目という、そのイカれた軌跡。最高カッケェ。だから、俺はあいつの無礼を全て許し、その上、パシリになる事さえ許した」
感情を殺した顔でサイケルを睨みつけ、
「そんなアダムを、お前は、俺から奪った。アダムに相応しくないカスがアダムと同化しているという事実に、今の俺は、割とマジでイラついている。よって、これから、俺は、お前に、大人げなく――」
凍えるような声で、
「――理不尽を執行する」
「なぜ、解析できないのか分からないが……解析できないのなら、丸のみしてしまえばいいだけのこと。ただ、このままでは食べ辛いな……頭と肢体と体をバラバラにさせてもらおうか」
そう言って、高速の踏み込みで掴みかかってきたサイケル。
胸倉に伸びてきた手を、センは、つまらなそうに見下ろしていた。
左足を下げ、半身になっての軽いスウェー。
当然のようにスルリと避けるセンに、
「避けるな、鬱陶しい」
速度を上げて、再度掴みかかってくるサイケルの足を、
センは、回避のついでで、
「そりゃ」
と、軽く払う。
「ぬぉっ」
わずかにバランスを崩して前のめりになったサイケル。
絶妙な位置に落ちてきた、
その頭部に、センは、照準を定める。
軸足の親指に力を込める。
ドンっと地面に圧がかかった。
センは、その場で、グルンッと豪速ターンして、
「――『閃拳』!!」
サイケルの顔面に、凶悪なグリムアーツを叩きこむ。
遠心力に心を込めて、左腕を思いっきり引きながら、右腕を突きだす。
ドゴンッッと爆発的な音をたてて、サイケルは、十メートルほど吹っ飛んだ。
一見、ただの正拳突き。
実際、ただの正拳突き。
センのグリムアーツ『閃拳』は、ただ繰り返してきた正拳突きでしかない。
しかし、ただ愚直に繰り返してきたからこそ辿りつける高みというのがある。
プラス、『アリア・ギアス』による強化もかかっているため、その性能は破格。
「どうよ、自分の名前を技名にする、この勇気。そして、技名を叫ばなければ発動しないようにするという、この狂気! 俺こそが真の勇者。そうだろう?」
「……凄まじいグリムアーツ……」
サイケルは起き上がり、土埃を払いながら、
「だが、軽い。貴様の力では、私の防御を貫く事はできない」
それを聞いて、
「はは、ズレた事言ってんな」
センは鼻で笑う。
「……なに?」
「ターン性のRPGでもやっているつもりかよ。崩しの小技をくらっておいて、軽いもクソもあるかってんだ。何されたかすら分かっていないマヌケが一丁前のセリフを吐いてんじゃねぇ」
センは、腰を落として、右ひじを鋭角に曲げて、右拳を顎の下まで持っていく。
左腕はユラリと引きながら90度を保つ。
「ハッキリ言ってやろうか。お前はアダムよりも遥かに弱い。積み重ねたモノが何もなく、本当に、ただ無様に膨張しただけの醜い数字の塊でしかない。闘うに値しない。それなのに、勘違いしてイキっている。そのザマが、不快なタイプの異世界モノ主人公とかぶって非常に気分が悪い」
センは、
「アダムを奪っておきながら、それだけの力しか持たないという事実も腹立たしい。……お前のお粗末な頭では理解できないだろうが、あいつが積み上げてきた結晶は、本当に美しいんだ。神闘を経てすらいないというのに、戦闘力だけなら全世界で七番目という、そのイカれた軌跡。最高カッケェ。だから、俺はあいつの無礼を全て許し、その上、パシリになる事さえ許した」
感情を殺した顔でサイケルを睨みつけ、
「そんなアダムを、お前は、俺から奪った。アダムに相応しくないカスがアダムと同化しているという事実に、今の俺は、割とマジでイラついている。よって、これから、俺は、お前に、大人げなく――」
凍えるような声で、
「――理不尽を執行する」
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