センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
11話 ロリコン疑惑
11話
ハルスは、ニーを注視しながら、心の中で、
(しかし、ほんと強ぇな……神獣扱いも頷ける……)
ボソっとそう呟いてから、シグレの顔に視線を向けて、
(それに引き換え、この女は弱ぇ……とても、これほどの『魔』と契約が結べる召喚士とは思えない……おそらく、自力で契約した訳じゃないな……召喚獣側から選ばれただけの線が濃厚)
そういう事も、ままある。
力以外の特別な資質が認められたり、その血族に代々伝わっていたりなどなど、様々な理由で、『高位の召喚獣』が、その存在値にそぐわない者と契約するという事も、ない話ではない。
(ここらじゃ見かけねぇ服装から察するに、フーマーの東方に隠れ住んでいるって噂の希少民族、その上位者の直系ってところか? 東方は、妙な力を持った連中の巣窟だって噂だからなぁ……俺の目では分からない何かを持っている可能性は高い。こいつの妙な喋り方や服装、感じる品位から推測するに、ありそうな線は……『次の長』となる者が、『掟か何か』で力を示さなくてはいけなくなり、『代々伝わる聖獣』を従えて冒険者試験を受けにきた……ってところか? まあ、当たらずとも遠からずってところだろうぜ)
シグレのバックボーンを予測していると、
「黙ってへんで、そっちも名乗ってや」
そう言われて、ハルスは、コンマ数秒だけ思案してから、
「……ハルス。魔人」
簡素に自己紹介をした。
ハルス・レイアード・セファイルメトスならばともかく、ハルスという名前だけなら、珍しくはない。
『ハルス』という名は、王族だけが名乗れる特別な名前などではなく、世界中を探せば万単位で見つかる、普通の名前。
「ハルスやな。よろしく。そっちの子は?」
シグレに問われると、セイラは立ちあがり、
「セイラです。はじめまして。一応、魔法使いです」
「へぇ、ほんま? めっちゃ若いのに、凄いなぁ。もしかして、見た目と違って、実は中身お婆ちゃんとか?」
「ぁ、いえ、普通に十歳です」
「十歳で、魔法とか使えるんや。凄いなぁ。尊敬するわ」
「バカか、てめぇ」
ハルスから飛んできた言葉に、シグレはピクっと額をひくつかせた。
(……バカ? 初対面の他人に、よぉ、そんなこと言えんな……)
シグレの心中などおかまいなしに、ハルスは続ける。
「素質さえあれば、二歳のガキでも魔法は使える。大事なのは、どのランクの魔法が使えるか。その点で言えば、このガキはカスだ」
「は、ハルスが凄すぎるだけで、私は、カスじゃないよ」
ハルスの袖をくいくいと引きながら、不満をあらわにするセイラ。
ハルスは顔をゆがませて、
「いちいち、さわってくんな。鬱陶しい」
セイラの腕を払った。
「むぅ~」
セイラは、さらに不満顔を加速させた。
その直後、ニっとイタズラな笑顔で微笑んで、
「ハルス、私を抱っこしなさい」
「なっ……」
セイラの『命令』を受けて、ハルスはビクっと体を震わせる。
「ぬ……て、てめぇ……」
「ハルス、はやく。これは命令」
「……ぐぬぅ……」
苦い顔を浮かべながら、ハルスは、向かい合う形で、セイラを膝の上にのせて、しっかりと抱きしめた。
「えへへへ」
ハルスの胸に顔をうずめて、嬉しそうに微笑むセイラ。
「……何がしたいんだ、クソが……つぅか、もういいだろ、降りろ、セイラ」
「短い……もっと」
「なんなんだ、てめぇは。秒単位でウザくなっていきやがってぇ……ぁあ、殺してぇ……殺して自由になりてぇ……昨日までの俺に対する嫉妬が止まらねぇ……なんで、こんな事になっちまったんだ……」
その二人の姿を見て、シグレが、
「もしかして、ロリコ……」
と言いかけたその瞬間、ハルスから、尋常じゃない殺気が飛んできた。
「それを口にしたら戦争だ……本気で敵と認定する」
「恐ぁ……ちょっと確認しようとしただけやん。そんなキレんなや、なんやねん」
シグレは、少しイラついた顔で、しかし、一応、低姿勢で、
「わかった、わかった。別におちょくったりせぇへんから、睨むんやめてぇや」
「二度とナメた口をきくな。詮索もするな。俺がここにいる理由、このガキを守っている理由、その他、何もかも、俺に関する情報を得ようとするな。この条件をのむなら、雇われてやる。分かったら、返事しろや、クソアマ」
「……」
プチっと、静かに、切れる音がした。
シグレは、グっと前に身をのりだして、
「理由は聞かん。あんたの態度から、ロリコンって訳でもないんやろう。もろもろ、興味ないって訳やないけど、聞かれたくない言うなら聞かん。けどなぁ、それは人としてのマナー。人間関係で当然の事……別に、それを守るんは、あたしにとって礼儀の一つ。けど、事実として、あんたは、あたしに、それを要求した。……ほな、あんたもそれにならえや」
キっと睨みつけて、
「おどれ、ずっと、態度、おかしいやろ。なんやねん、クソアマて。それが、雇用主に対する態度か、ボケぇ。へりくだれとは言わんけど、今のあんたは、既に、あたしにメシを食わせてもらっとる立場やど。キャラでやっとんか素なんか知らんけど、最低限の態度っちゅうもんがあるやろ。雇われてやる、やと? この状況で言えるセリフか? ぁあ? ちょっとは考えてモノ喋れや」
ハルスは、ニーを注視しながら、心の中で、
(しかし、ほんと強ぇな……神獣扱いも頷ける……)
ボソっとそう呟いてから、シグレの顔に視線を向けて、
(それに引き換え、この女は弱ぇ……とても、これほどの『魔』と契約が結べる召喚士とは思えない……おそらく、自力で契約した訳じゃないな……召喚獣側から選ばれただけの線が濃厚)
そういう事も、ままある。
力以外の特別な資質が認められたり、その血族に代々伝わっていたりなどなど、様々な理由で、『高位の召喚獣』が、その存在値にそぐわない者と契約するという事も、ない話ではない。
(ここらじゃ見かけねぇ服装から察するに、フーマーの東方に隠れ住んでいるって噂の希少民族、その上位者の直系ってところか? 東方は、妙な力を持った連中の巣窟だって噂だからなぁ……俺の目では分からない何かを持っている可能性は高い。こいつの妙な喋り方や服装、感じる品位から推測するに、ありそうな線は……『次の長』となる者が、『掟か何か』で力を示さなくてはいけなくなり、『代々伝わる聖獣』を従えて冒険者試験を受けにきた……ってところか? まあ、当たらずとも遠からずってところだろうぜ)
シグレのバックボーンを予測していると、
「黙ってへんで、そっちも名乗ってや」
そう言われて、ハルスは、コンマ数秒だけ思案してから、
「……ハルス。魔人」
簡素に自己紹介をした。
ハルス・レイアード・セファイルメトスならばともかく、ハルスという名前だけなら、珍しくはない。
『ハルス』という名は、王族だけが名乗れる特別な名前などではなく、世界中を探せば万単位で見つかる、普通の名前。
「ハルスやな。よろしく。そっちの子は?」
シグレに問われると、セイラは立ちあがり、
「セイラです。はじめまして。一応、魔法使いです」
「へぇ、ほんま? めっちゃ若いのに、凄いなぁ。もしかして、見た目と違って、実は中身お婆ちゃんとか?」
「ぁ、いえ、普通に十歳です」
「十歳で、魔法とか使えるんや。凄いなぁ。尊敬するわ」
「バカか、てめぇ」
ハルスから飛んできた言葉に、シグレはピクっと額をひくつかせた。
(……バカ? 初対面の他人に、よぉ、そんなこと言えんな……)
シグレの心中などおかまいなしに、ハルスは続ける。
「素質さえあれば、二歳のガキでも魔法は使える。大事なのは、どのランクの魔法が使えるか。その点で言えば、このガキはカスだ」
「は、ハルスが凄すぎるだけで、私は、カスじゃないよ」
ハルスの袖をくいくいと引きながら、不満をあらわにするセイラ。
ハルスは顔をゆがませて、
「いちいち、さわってくんな。鬱陶しい」
セイラの腕を払った。
「むぅ~」
セイラは、さらに不満顔を加速させた。
その直後、ニっとイタズラな笑顔で微笑んで、
「ハルス、私を抱っこしなさい」
「なっ……」
セイラの『命令』を受けて、ハルスはビクっと体を震わせる。
「ぬ……て、てめぇ……」
「ハルス、はやく。これは命令」
「……ぐぬぅ……」
苦い顔を浮かべながら、ハルスは、向かい合う形で、セイラを膝の上にのせて、しっかりと抱きしめた。
「えへへへ」
ハルスの胸に顔をうずめて、嬉しそうに微笑むセイラ。
「……何がしたいんだ、クソが……つぅか、もういいだろ、降りろ、セイラ」
「短い……もっと」
「なんなんだ、てめぇは。秒単位でウザくなっていきやがってぇ……ぁあ、殺してぇ……殺して自由になりてぇ……昨日までの俺に対する嫉妬が止まらねぇ……なんで、こんな事になっちまったんだ……」
その二人の姿を見て、シグレが、
「もしかして、ロリコ……」
と言いかけたその瞬間、ハルスから、尋常じゃない殺気が飛んできた。
「それを口にしたら戦争だ……本気で敵と認定する」
「恐ぁ……ちょっと確認しようとしただけやん。そんなキレんなや、なんやねん」
シグレは、少しイラついた顔で、しかし、一応、低姿勢で、
「わかった、わかった。別におちょくったりせぇへんから、睨むんやめてぇや」
「二度とナメた口をきくな。詮索もするな。俺がここにいる理由、このガキを守っている理由、その他、何もかも、俺に関する情報を得ようとするな。この条件をのむなら、雇われてやる。分かったら、返事しろや、クソアマ」
「……」
プチっと、静かに、切れる音がした。
シグレは、グっと前に身をのりだして、
「理由は聞かん。あんたの態度から、ロリコンって訳でもないんやろう。もろもろ、興味ないって訳やないけど、聞かれたくない言うなら聞かん。けどなぁ、それは人としてのマナー。人間関係で当然の事……別に、それを守るんは、あたしにとって礼儀の一つ。けど、事実として、あんたは、あたしに、それを要求した。……ほな、あんたもそれにならえや」
キっと睨みつけて、
「おどれ、ずっと、態度、おかしいやろ。なんやねん、クソアマて。それが、雇用主に対する態度か、ボケぇ。へりくだれとは言わんけど、今のあんたは、既に、あたしにメシを食わせてもらっとる立場やど。キャラでやっとんか素なんか知らんけど、最低限の態度っちゅうもんがあるやろ。雇われてやる、やと? この状況で言えるセリフか? ぁあ? ちょっとは考えてモノ喋れや」
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