センエース~経験値12000倍のチートを持つ俺が200億年修行した結果~(コミカライズ版の続きはBOOTHにて販売予定)
-76598話 『そうだ、魔法を創ろう』
-76598話
深いため息とともに、『彼』は、頭を抱えてしまう。
呆れてしまう話なのだが、この数十万年間の間に、
人類は、
何度も何度も何度も何度も何度も何度も
『一人残らず』自滅していった。
「なんで、こうなる……」
まったく想定していなかったわけではないが、
しかし、人類は、想像以上におろかだった。
なぜか、人類は、ある程度進化すると、
必ず、核戦争やウイルス戦争を引き起こし、同族を残らず死滅させてしまう。
「なんで、こうなる……こうならないように、いろいろと手を加えてきたのに……」
気づけば、端末にインストールされている(アンロックされた)アプリの数は百種を超えていた。
アンロックされた機能は、どれも、すさまじい力を持っている。
しかし、その、どれを駆使しても、
『彼』が望む『人類の究極進化』は果たせなかった。
「俺は、もっと先へと進化したおまえたちを待っているのに……なんで……」
多種のアプリを駆使すれば、人類を再生させるのは難しくない。
事実、これまでに二十七回、『彼』は、人類を再生させてきた。
しかし、何度再生させても、人類は、ある程度進化したところで、何らかの凶悪な兵器を開発し、疑心暗鬼と悪意に汚れて、同種を殺し合い、あっさりと自滅してしまう。
何より辟易してしまうのは、滅亡の根源的理由が、
『神』だったことが少なくないこと。
――神様のために、異教徒を殺す――
そんな、まったく理解できない勘違いの果てに世界が終った回数が二ケタを超えている。
「なんでだ……なんで、手を取り合って成長しない。なぜ、自分たちを創った『神』という『親』の存在を信じているくせに、『親が子供同士の殺し合いなど望んでいるはずがない』という、当り前の事が想像できない? どうして、何度も何度も、無意味に争う? なぜ、同じ過ちばかりを、そう何度も繰り返すことができる?」
つい、頭をかきむしってしまう。
ため息がつきない。
呆然としてしまう。
なぜだか、人類の進化は、
必ず途中で止まってしまう。
究極の領域――『神の向こう側』へと届く前に、必ず死滅してしまう。
「もしかして、科学ですべてを解析できてしまうからダメなのか?」
そこで、『彼』は、ハっと気づく。
『世界のすべて』が、
『数式』という『怜悧な限界』で表現できてしまうからダメなのではないか?
「例えば、法則の根源が科学では絶対に解明しきれない力――『魔法』を主軸にすれば、或いは……」
『虚理』という特異な概念を世界に組み込むアプリが存在する。
かなり面倒なプログラミングが必要で、かつ、あらゆる限界値が、
最終的に『工学で再現できる力』・『数学と自然科学が辿り着けるボーダー』よりも若干低いので、無意味だと思い、無視していたが、
「使ってみるか……かなり、面倒だが、時間は無限にある」
『虚理』系のアプリ以外に、『無意味そうなアプリ』は一つも存在しなかった。
その事実が、逆に大きなヒントを『彼』に与えた。
もしかしたら人類の究極進化には、魔法が必要不可欠なのかもしれない。
頭の中で計算する。
魔法を使わせた場合における人類の未来。
悪くはない。
――だが、
「おそらく、それだけでは足りない……科学の代わりに魔法を使わせるだけでは、まだ足りない。もっと……人類が、『命をどう使うべきか』という『究極的な命題』の『答え』に辿りつくには、もっと……もっと、何か……何か……」
『彼』は考える。
頭を熱で満たす。
必死に考える。
――その果てに、
「そうだ!!」
電流、走る。
「天敵だ。人類を団結させ、果て無き進化を促す為には、勝てない敵を用意すればいい」
深いため息とともに、『彼』は、頭を抱えてしまう。
呆れてしまう話なのだが、この数十万年間の間に、
人類は、
何度も何度も何度も何度も何度も何度も
『一人残らず』自滅していった。
「なんで、こうなる……」
まったく想定していなかったわけではないが、
しかし、人類は、想像以上におろかだった。
なぜか、人類は、ある程度進化すると、
必ず、核戦争やウイルス戦争を引き起こし、同族を残らず死滅させてしまう。
「なんで、こうなる……こうならないように、いろいろと手を加えてきたのに……」
気づけば、端末にインストールされている(アンロックされた)アプリの数は百種を超えていた。
アンロックされた機能は、どれも、すさまじい力を持っている。
しかし、その、どれを駆使しても、
『彼』が望む『人類の究極進化』は果たせなかった。
「俺は、もっと先へと進化したおまえたちを待っているのに……なんで……」
多種のアプリを駆使すれば、人類を再生させるのは難しくない。
事実、これまでに二十七回、『彼』は、人類を再生させてきた。
しかし、何度再生させても、人類は、ある程度進化したところで、何らかの凶悪な兵器を開発し、疑心暗鬼と悪意に汚れて、同種を殺し合い、あっさりと自滅してしまう。
何より辟易してしまうのは、滅亡の根源的理由が、
『神』だったことが少なくないこと。
――神様のために、異教徒を殺す――
そんな、まったく理解できない勘違いの果てに世界が終った回数が二ケタを超えている。
「なんでだ……なんで、手を取り合って成長しない。なぜ、自分たちを創った『神』という『親』の存在を信じているくせに、『親が子供同士の殺し合いなど望んでいるはずがない』という、当り前の事が想像できない? どうして、何度も何度も、無意味に争う? なぜ、同じ過ちばかりを、そう何度も繰り返すことができる?」
つい、頭をかきむしってしまう。
ため息がつきない。
呆然としてしまう。
なぜだか、人類の進化は、
必ず途中で止まってしまう。
究極の領域――『神の向こう側』へと届く前に、必ず死滅してしまう。
「もしかして、科学ですべてを解析できてしまうからダメなのか?」
そこで、『彼』は、ハっと気づく。
『世界のすべて』が、
『数式』という『怜悧な限界』で表現できてしまうからダメなのではないか?
「例えば、法則の根源が科学では絶対に解明しきれない力――『魔法』を主軸にすれば、或いは……」
『虚理』という特異な概念を世界に組み込むアプリが存在する。
かなり面倒なプログラミングが必要で、かつ、あらゆる限界値が、
最終的に『工学で再現できる力』・『数学と自然科学が辿り着けるボーダー』よりも若干低いので、無意味だと思い、無視していたが、
「使ってみるか……かなり、面倒だが、時間は無限にある」
『虚理』系のアプリ以外に、『無意味そうなアプリ』は一つも存在しなかった。
その事実が、逆に大きなヒントを『彼』に与えた。
もしかしたら人類の究極進化には、魔法が必要不可欠なのかもしれない。
頭の中で計算する。
魔法を使わせた場合における人類の未来。
悪くはない。
――だが、
「おそらく、それだけでは足りない……科学の代わりに魔法を使わせるだけでは、まだ足りない。もっと……人類が、『命をどう使うべきか』という『究極的な命題』の『答え』に辿りつくには、もっと……もっと、何か……何か……」
『彼』は考える。
頭を熱で満たす。
必死に考える。
――その果てに、
「そうだ!!」
電流、走る。
「天敵だ。人類を団結させ、果て無き進化を促す為には、勝てない敵を用意すればいい」
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コメント
キャベツ太郎
言わせてくれ。私は帰ってきタァァァァァァァァ!!!
ノベルバユーザー45107
すごい!今の地球の人々に読ませたい
話でした。
楽しみです!
ばけねこ
『彼』って八木の事かな?