ダイバー

空空 空

プロローグ

 雨の音がうるさい。
暗闇が鬱陶しい。
 水を跳ねあげながら、車の光が行き交う。
 誰も僕たちを見ない、誰も助けてくれない。
「........................」
 見下ろした“それ”の姿は、既に僕の知っていたものではなく、じゃあもう僕の大切なものはここにはないのだろうか?
 壊れてしまった人形を抱きかかえて、魔法の言葉を口にする。

「............ダイブ」

 雨は降り続ける。

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