異世界の名のもとに!!

クロル

第14話 壱曁と■■と

 それで? どうしてボクが?

『似ていたから…と言うべきかしらね』

 似ていたって顔とか雰囲気とかがか?

『雰囲気は少しにているわ。だけどあなたには少し違う何かを感じるの』

 そうなのか?

まぁ、確かにボクには過去の記憶がない。だからその時の癖みたいなものがあるのかもしれないな。

『そんな事、初めて聞いたわ…。あなた記憶喪失なの?』

 うーん、どうなんだろうか。自分でもよく分かってないんだよな。

思い出そうとすると、何か、靄がかかったような感じになるんだ。だから一応、過去の記憶は無いってことにしてる。

『ふーん。壱曁から感じる不思議はそこにあるのね』

 不思議かぁ。…まぁいったんこの話は終わっておこうか。

『そうね。…そういや美鈴とクルが何か作ってるみたいよ?』

 なんか、嫌な予感が……。

不味いとか美味しいとかじゃなくて、もっと他の…。

『あなたの予感は当たりそうね♪』

 や、やめてくれよ、縁起でもないことを…。





「そろそろ晩御飯時ですね。住まわせてもらっている身、ご飯ぐらいは作りますよ」

『キッチンの場所まで案内するわ』

「…ってやめてくださいよ。脳内に直接なんて」

『あら、壱曁と同じ反応』

「まぁ、私とお兄ちゃんは一心同体ですから♪」

『ふふ。それはそうと、その光玉(こうぎょく)が案内してくれるわ』

「この目の前の光…ですか?」

『えぇ』


「――先を越されました…。クル!」

「なんですか? 私、お兄様の晩御飯を作るので忙しいのです。邪魔しないで下さい」

「お兄ちゃんに晩御飯作るのは私の役目なんですぅ!」

「――じゃあ、料理勝負を開催しましょう!」


「って犯人あんたじゃねーか!」

「あら、もう少し部屋でゆっくりするのかと思ったのだけど、存外早かったのね」

「いや、あんな意味深な事言われりゃあ来るよ」

「…なんの事、かしら?」



「え? …そりゃあ、犯人は時期現れるって。……え、まさか」



「あなたの思っている通り、私はそんな事言ってないわ」


「じゃあいったい……」






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