異世界の名のもとに!!

クロル

第4話 初めての異世界! それは人生最大の娯楽である!

「お兄ちゃん 起きてください!」
 美鈴の声が聞こえる。 その声は次第に大きくなりボクを起こそうとしている。
もう起きる時間なんだろうか。もしもこのまま目覚めなかったら、美鈴はどんな顔をするのだろう……。
「おはよう、美鈴」
「おはようじゃ ありませんよ!」
 ボクが起きるなり、美鈴は頬を膨らませこっちへ駆け寄ってきた。
何だろう。ボク、悪いことしてしまったか。それにしても、美鈴のこの表情かわいいな……。っは、ち、違うぞ。ボクはそんなんじゃない。
「かわいいな…」
「え?………///」
 っあ、声に出てた。 とうの美鈴は、頬を紅くして恥ずかしそうにしている。しかももじもじしながら。
なんだ? 美鈴が変だぞ。こんな美鈴は始めてみた。まぁこれも新鮮だから良しとしよう。
「な、なあ美鈴? さっき話があったんじゃないか?」
「そ、そうでした。まったく、お兄ちゃんがからかうから、忘れそうになったじゃないですか!」
 ボクは、それに苦笑いをして誤魔化した。変態等のレッテルを貼られたらボクの威厳が無くなる。……いや待て、もう威厳なんてないんじゃ?
「それでいったいどうしたんだ?」
「どうしたもこうしたも、お兄ちゃん転生してからなかなか起きないんだもの。心配したんですよ!?」
「そ、そうか。それは心配かけたな。すまない」
 美鈴より転生に時間がかかったんだな。まあ、そんなこともあるだろう。おそらく神秘的都合上で時間がかかったとかそんな感じだろう。
「にしても、ここどこだろう」
「さあ? 私はお兄ちゃんが起きるまで傍に居たから、わからないです」
 こまったなあ。……そうだ巫女さんからスマホ貰ったんだった。これで地図とか見れるんじゃないか?
予想的中。やはり地図は便利だなぁ
「美鈴。地図見たところ、5キロ進んだ先に王都があるぞ」
「え…5キロって。 お兄ちゃん♪」
 美鈴が笑顔でボクの腕を引っ張ってきた。なるほど、言いたいことはわかった。しかし。
「断る。言っとくがボクは面倒事は嫌いなのでな」
「えー、酷いよお兄ちゃーん」
「酷くなーい」
 そう言い残してボクは歩き出した
「あっ、ほっていくなんて酷いじゃないですか?!」
「さぁさぁ、駄弁ってないで行くよー」






 街に着くと人が賑わっている。街市場等が並んでいた。
「はあ、はあ、はあ。 つ、疲れた~。引き籠りにはきつい」
「お兄ちゃん、お疲れ~」
 ボクは美鈴をおぶってここまで歩いてきた。何故か、美鈴は2キロ歩いた時ぐらいから疲れたとボクにへばり着いてくるから仕方なくおぶることになった。
「お疲れですね~」
「まったく、兄の使い方が酷いな」
「気にしなーい、気にしなーい♪」
 ボクは今にも倒れそうななかで宿屋を探した。スマホで。
「って、早く降りてよ!」
「てへっ♪」
 美鈴は笑顔でそう言って、ボクの背中から降りた。



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