最弱属性魔剣士の雷鳴轟く
72話 相性最悪?
「どこまで行くの??」
掌から氷の塊を放ちつつ、肩に担がれたエヴァが俺に聞く。
こんな状態で放たれる氷の塊じゃ、グラキエースドラゴンに大したダメージは与えられないが、挑発には十分だろう。
「特にどこまでとか決めてるわけじゃないが……お、この辺がいいかな 止まるぞ」
俺は勢いを止めるため右足を前に出し、左足を曲げる。スライディングの用に体を斜めに倒してブレーキをかける。
雪が飛び、体が雪まみれになったが、気にしてられない。
ここは周りの三方は森になっていて、俺達が来た方向だけ開けてる。木を利用できるここなら、二人で戦うにはいいだろう。
「クァァァァァァ」
「ちゃんとついて来てるな。エヴァ大丈夫か?」
「うん……ちょっと酔ったけど」
俺は乗り物と同じ認識なのかよ。
獄化・地装衣は地獄の門を開いてる限りは無限に使えるが、逆に門を開き続けているせいでかなり疲れる
その為早期決着が望ましい。
「行くぞ! エヴァ!」
「うん!」
◇
「放て!」
ハンター隊から放たれた十数の矢が一直線に空を駆け抜け、ロックドラゴンに突き刺さる。
「グォォォォォォォォォォォォ」
本来、鱗鎧が剥がれてもその巨体に張り巡らされた本当の鱗は硬く、普通の矢程度では大したダメージにはならない。
が、ロックドラゴンはクロトの雷光・御神楽之劍によるダメージを受けている。更には耐性付きの皮膚を持つ、テリア山特有の魔物達用に加工された矢。
その二つが相まって今はダメージを与えている。
「このまま押し切れると思うか? アイリス」
「いや、たしかにこれまでの戦闘でハンター隊の矢が奴に通じるようにはなったが、あれじゃトドメはさせない」
「同意見だ。しかもまだ本気じゃないと見える」
「何か隠し玉があると踏んだほうがいいか」
「ん、何やってるんだ? あいつ」
見ると、今まで一方的に矢を受け、痛みに吠えていたロックドラゴンが今度は地面をかじっていた。
ガリガリと地面を削り、その岩を食べている。
「地面を……食ってる?」
「正確には、岩石か。ロックドラゴンの属性は岩石だからな」
「どういう事だ?」
「伝説の七頭のドラゴンは自分と同じ属性の物を食べることで強化される」
ロックドラゴンの全身についた傷が僅かではあるが消えていく。更に全身から魔力が漏れ出ている。ただ岩を食べただけでこの回復と魔力上昇。このまま好きにさせるわけにはいかないと誰しもが直感で感じる。
「まずいな……」
「ああ、せっかく弱らせたのにこのままじゃ……」
「違う。恐らくクロト達はそれを知らない。相手は氷竜、エヴァは氷術使い……」
「あ……」
◇
「おらっ!!」
俺は空中に居るグラキエースドラゴンの所まで飛び上がり、パワーアップされ、尚且つ獄気硬化で硬化させた拳で顎をアッパーで殴り飛ばす。
グラキエースドラゴンは涎を撒き散らしながら体をのけぞらせる、が流石は超級。すぐに体勢を立て直してくる。
「もう一発!」
踏ん張れない空中では力が入りにくいが、獄化・地装衣によって強化された今なら十分な威力になるだろう。
「おらぁ!」
「クァァァァァァァ」
右ストレートがグラキエースドラゴンの腹にヒット。体をくの字に曲げながら若干降下する。
俺はそのまま雷転移で地面に着地する。
「はぁはぁ……やっぱり獄化・地装衣での戦闘にまだ体がついていかないな」
「大丈夫?」
「ああ、なんとかな。それよりも空中に居られるのはきついな」
「クァァァァァァァ」
「やるしかねぇか」
俺はもう一度地面を蹴り、グラキエースドラゴン目掛けて飛ぶ。
掌から氷の塊を放ちつつ、肩に担がれたエヴァが俺に聞く。
こんな状態で放たれる氷の塊じゃ、グラキエースドラゴンに大したダメージは与えられないが、挑発には十分だろう。
「特にどこまでとか決めてるわけじゃないが……お、この辺がいいかな 止まるぞ」
俺は勢いを止めるため右足を前に出し、左足を曲げる。スライディングの用に体を斜めに倒してブレーキをかける。
雪が飛び、体が雪まみれになったが、気にしてられない。
ここは周りの三方は森になっていて、俺達が来た方向だけ開けてる。木を利用できるここなら、二人で戦うにはいいだろう。
「クァァァァァァ」
「ちゃんとついて来てるな。エヴァ大丈夫か?」
「うん……ちょっと酔ったけど」
俺は乗り物と同じ認識なのかよ。
獄化・地装衣は地獄の門を開いてる限りは無限に使えるが、逆に門を開き続けているせいでかなり疲れる
その為早期決着が望ましい。
「行くぞ! エヴァ!」
「うん!」
◇
「放て!」
ハンター隊から放たれた十数の矢が一直線に空を駆け抜け、ロックドラゴンに突き刺さる。
「グォォォォォォォォォォォォ」
本来、鱗鎧が剥がれてもその巨体に張り巡らされた本当の鱗は硬く、普通の矢程度では大したダメージにはならない。
が、ロックドラゴンはクロトの雷光・御神楽之劍によるダメージを受けている。更には耐性付きの皮膚を持つ、テリア山特有の魔物達用に加工された矢。
その二つが相まって今はダメージを与えている。
「このまま押し切れると思うか? アイリス」
「いや、たしかにこれまでの戦闘でハンター隊の矢が奴に通じるようにはなったが、あれじゃトドメはさせない」
「同意見だ。しかもまだ本気じゃないと見える」
「何か隠し玉があると踏んだほうがいいか」
「ん、何やってるんだ? あいつ」
見ると、今まで一方的に矢を受け、痛みに吠えていたロックドラゴンが今度は地面をかじっていた。
ガリガリと地面を削り、その岩を食べている。
「地面を……食ってる?」
「正確には、岩石か。ロックドラゴンの属性は岩石だからな」
「どういう事だ?」
「伝説の七頭のドラゴンは自分と同じ属性の物を食べることで強化される」
ロックドラゴンの全身についた傷が僅かではあるが消えていく。更に全身から魔力が漏れ出ている。ただ岩を食べただけでこの回復と魔力上昇。このまま好きにさせるわけにはいかないと誰しもが直感で感じる。
「まずいな……」
「ああ、せっかく弱らせたのにこのままじゃ……」
「違う。恐らくクロト達はそれを知らない。相手は氷竜、エヴァは氷術使い……」
「あ……」
◇
「おらっ!!」
俺は空中に居るグラキエースドラゴンの所まで飛び上がり、パワーアップされ、尚且つ獄気硬化で硬化させた拳で顎をアッパーで殴り飛ばす。
グラキエースドラゴンは涎を撒き散らしながら体をのけぞらせる、が流石は超級。すぐに体勢を立て直してくる。
「もう一発!」
踏ん張れない空中では力が入りにくいが、獄化・地装衣によって強化された今なら十分な威力になるだろう。
「おらぁ!」
「クァァァァァァァ」
右ストレートがグラキエースドラゴンの腹にヒット。体をくの字に曲げながら若干降下する。
俺はそのまま雷転移で地面に着地する。
「はぁはぁ……やっぱり獄化・地装衣での戦闘にまだ体がついていかないな」
「大丈夫?」
「ああ、なんとかな。それよりも空中に居られるのはきついな」
「クァァァァァァァ」
「やるしかねぇか」
俺はもう一度地面を蹴り、グラキエースドラゴン目掛けて飛ぶ。
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