悪役令嬢の影武者を嫌々演じて十年、憎っくき本物に『ざまぁ』したけど? 本当の悪役はアイツだった……!?

鼻血の親分

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「えーと、話を整理させて下さいね。問題は二つ有ると思います。先ずは貴族院でお酒を飲んでる事実、これは重大な院則違反です。この件についてどう弁明なさるのですか?」
「ん? そんな院則あるなんて知らんし」
「い、いえいえ、ご存じないなんて通用しません」

 コイツ、なに開き直ってるのよ⁈

「ワインなど、わたくしにはとってはお水を飲む様なものでしょう。それに幾ら飲んでも酔わないの。ただ眠くなるだけだしー」
「その……シェリー様の体質のお話ではなく、規則違反を申し上げているのです」
「あ、そ。まあそれくらい問題なくてよ」

 あのねー、何でそんな解釈に至るの? 全く意味不明だわ。理事長のご令嬢だから? だったら理事長がこの件、どう判断するかですね。

「お考えは良く分かりました。では次にミーア様を虐めた件は、どう思っているのですか?」
「だーかーらー、アレは虐めじゃなくて指導よ!」
「トイレで水攻めしたり、下駄箱にカエル入れたり、靴捨てたり、髪切ったり……えーと、あと何だっけ? ま、兎に角それが指導ですか? 単なる虐めですよ!」
「おーっほほほほほほ。虐めだなんてそんなのアンタ、可愛いもんじゃない。でも言われてみれば、確かに指導じゃないわね。強いて言えば警告よ」
「警告⁈」
「そう。わたくしが正室でしょう。それを知っておきながら、王子にベッタリひっついてるから、ちょっといい加減にしなさいよって言う警告。そもそもわたくしに挨拶も無しにあんな振る舞い、許せないわよ」

 いえ、それなら王子様も交えてちゃんと話し合えばいいんじゃね? と思ったけどコイツに罪悪感が無いのが分かったから言っても無駄の様ね。

「いずれにせよ、御主人様からお話があったらその旨、お話ください」
「そーねえ……お父様も面倒臭くていちいち王子の言う事、間に受けないじゃないの?」

 わたくしは願う。理事長はまともな思考を持つ御方であります様にと。


 ***

  
 あれから三日経ったけど日常に何ら変化はない。馬鹿女は相変わらずだし、これはどういう事なのだろうか。考えられるのは二つ。一つ目は王子様が理事長にご報告してないケース。そしてもう一つは理事長が面倒臭がってスルーしてるケース。さてどちらですか? 

 そんな日々を悶々と過ごしてるうちに、リハーサルの時がやって来た。

「ポピー、エミリー、アンタらも会場に来るんでしょ? わたくしの後ろについて来なさい」
「はい。参ります」

 そう、わたくし共も卒業パーティーにはお給仕としてコキ使われるみたいで、裏方の打ち合わせもあってリハーサル会場へ行く事になったのだ。

 王子様が馬鹿女に対してどんな態度を示すかしら。やっぱ無視ですか? とっても興味あるわね。うふふ。

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