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前世は皆に恐れられた優しき英雄、今世は出来損ないの英雄

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六話 突然変異と黒い影

 遡る事十五分前、海は同じクラスの女子湖世美と一緒に校長室に来ていた。
「やぁ、よく来てくれた。先ほどは凄かったね」
と校長が言う。
「ありがとうございます」
と海が言うと、それに続いて
「恐縮です」
と湖世美が言った。
「それで本題なのだが、君達二人の学年順位をあげようと思う。湖世美君を一位海君を二位にする感なのだが、何か不満はあるかい?」
と校長の提案に二人は静かに首を横に振った。
「...そうか、よかった。後もう一つ君達二人を魔物殲滅部隊に推薦することになった。その為この学園を卒業したらすぐにでも行くことが出来る」
その言葉には流石に驚く二人しかしすぐに落ち着きを取り戻し海は、
「ありがとうございます....校長一つお願いがあります。明日に模擬戦に特別訓練所を貸してください」
と言うと、
「なぜだい?湖世美君と戦いたいのかい?」
「いいえ....どうしても今の僕が戦って彼に勝てるのか試したいのです」
校長の質問に海はそう言って答えた。
「彼...?八雲君かね?」
「八雲ではありません。ですが僕や八雲が一度も勝てたことのない人物です」
「そんな子が...?一体誰だい?」
「それは...お答え出来ませんでも、お願いします!」
と海が頭を下げる。
「......わかった。いいだろう一学年の先生方に言っておこう」
「あ、ありがとうございます!」
校長の言葉にまた深々と頭を下げた。
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時間は戻りことの有様をみんなに海が説明した。
「...いいよ、そう言う事なら...戦ってもいいよ」
と僕が言うと海は嬉しそうに「ありがとう」と言って頭を下げた。
「いいなぁ...俺たちも戦いたかったな」
「そうね、ずるい」
「私は、べっ、べつに」
などとみんなが言っていると
「目が覚めたなら、そろそろ帰んなさい」
と保健室の先生が言った。
「もうそんな時間か長居しすぎたな、みんな帰ろうぜ」
「そうね、帰りましょ」
「うん」
「じゃあ、ちょっと帰りの支度して玄関で集合しよう」
と八雲の言葉にみんな賛同した。そしてそれぞれの教室に行き帰りの支度をする。帰ろうとすると、まだ教室にいた生徒に囲まれるみんな、それを見て僕は先に一階に降り玄関から外に出る。ふと僕はそこで広場に向かった。もう誰も居ない広場はとても静かだった。
「オリヒメ....」
と小声で言うと、背後に気配がした。
「君は、ここで何をしているの」
と背後から質問された、僕は声のした方を見た。そこには、同じクラスの女子生徒、湖世美が立っていた。
「...ただ見に来てはダメかな...?」
と答える。
「いえ...そんな事はありません。気になっただけです...」
「...そう言う君は?何しに来たの?」
「似たようなものです。私の前世でお世話になった人の刀に似ていたから」
「そうなんだ...」
「そう言えば、先程もですが...この星剣に向かって何か言いませんでしたか?」
「先程とは?もしかして、全校集会の時ですか?」
と質問に質問で返した。
「...えぇ、そうです」
「僕は、あの時気を失った為あまり覚えていないんだ。ごめんね。それにさっきはただ綺麗だなとは思って見ていたんだ。まさか口に出ていたとは思わなかったよ」
僕は彼女にそう言った。
「ねえ、君の——」
彼女が何か言おうとした瞬間「そろそろ僕はこれで」と言ってその場を離れた。
 玄関に戻ると、ちょうどみんな出てくるところだった。その後みんなで楽しく話しながら帰った。
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 翌日いつもより早く着いた僕は、みんなが来るまで駅のホームで待とうと思い自動販売機で飲み物を買おうと思った矢先異様な魔力を感じた。その瞬間誰かの悲鳴が聞こえた。
(なんだ....?悲鳴が聞こえたけど、この声の方向は異様な魔力のするほうだけど....まさか魔物がこんなところにいるわけ)
 そんなことを考えていると悲鳴のした方から大きな音がした。
(見に行ってみるか)
 駅のホームにいる人にきずかれぬように急いで音がした方に向かった。着いた場所は壊れてしまっているが廃墟のようだった。
(一体何が起こったんだ?)
 静かに覗いて見ると、まさかと思っていたことが起こっていた。そこには禍々しい魔力を放っている大きな蜘蛛の魔物が居た。
(まさか突然変異体か...?)
突然変異体とは、元々普通の動物や虫などが何らかの形で魔物になってしまった生き物のことである。その場所は蜘蛛の魔物によって蜘蛛の糸だらけになっていた。その蜘蛛の糸に一人の女性が捕まっていた。
(何でこんなところにいるんだ...?そんなことより...)
 僕はそんなことを考えながら、昨夜一応顔を隠すものだけでもと思い、自分の好きな狐のお面を作った。それを取り出し姿は幻術で偽り夜美を右手に構えた。
(まだ、馴染んでないのかな?魔力がずっと外に出っ放しだな)
 僕は素早く魔物の首と思われるところを一線、切り落とした。
(さてと、女性を早くおろそう)
 そう言ってつかまっている女性の周りの糸を切り落とし戦利品として魔物の糸を<見えざる宝物庫>にしまい女性を近くの人通りの多いところに優しく寝かし急いでその場を離れた。
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「あーあ、案外弱かったなー」
 蜘蛛の魔物が倒されたところをまじかで見ていた男はそう言った。
 男はフードのついた黒のロングコートのような物で顔が隠れていてよくわからない格好をしていた。
「もう少し魔物にするやつ考えたほうが良かったかな〜」
 男はそんなことを言いながら、口はおもちゃを与えられた子供のように笑っていた。
 そこでふと男は死んだ魔物の近くで動く小さな影を見た。
「おっ、おおいいこと思いついた」
 男はその小さな影に近づきこう言った。
「ねえ、小さな小さな君復讐したい?」
 男はしゃがみ付け加えてこう言った。
「「なら、これをあげる君の大事な大事な子供を殺した奴に復讐する力をあげる。存分にやりなよ。応援してるよ」」
 男の声はどこか別のだれかの声と重なったような声で小さな影、殺された蜘蛛の親に禍々しい魔力を与えた。
「「さあ次はどうなるかなぁ。楽しみだよ“セイ”.......アハ、アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」」
 男の楽しそうな笑い声が廃墟にこだました。

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