近距離魔法使いの異世界冒険記 ~妹と二人で転生しました~
第15話 家での、対話
「「ただいまー」」
私達は、カルミを連れて家に帰ってきた。
「お父さん、お母さん、お客さんに入ってもらっても大丈夫?」
「お客さん?あぁ、いいぞ」
「いいわよー」
許可は貰ったので、カルミも呼んで入ってもらった。
「お邪魔します……あら?」
「カルミじゃないの、久しぶりねー」
「おお、カルミさんか」
「あれ?知り合いなの?」
カルミに入ってもらうと、母が駆け寄ってきた。見ている感じ、友人のようだ。
「私の学生時代からの親友よー。まさか来てくれるなんて思わなかったわ」
「私もここがホーマ家だなんて思わなかったわ。引っ越したなら連絡くらいくれればいいのに。いきなり居なくなって心配したんだから」
「あー、あの時はちょっと慌ただしくてね。手紙を書く余裕が無かったのよ」
カルミはかなり怒っているようだ。母は申し訳なさそうな顔で返事をしていた。どうやら本当に余裕が無かったらしい。
「でも、知らせなかったのにどうしてここがわかったの?」
「あぁ、もともとはあなた達に会いに来たわけじゃないのよ。用があったのはエンシーちゃん。森でたまたま会って、外で話すのもあれだから、家で話しましょうって言われてね」
カルミは何かを誤魔化すような顔で話している。恐らく、ナルウルフに襲われて怪我をしていた事だろう。
でも確かに、教師になれるほどの魔法使いが魔獣1匹に怪我を負わせられるのは恥だろうし、誤魔化したくもなるだろう。
「そうなのね。なら、椅子にでも座って話したらどうかしら。ダイニングテーブルと椅子くらいしか貸せないけど」
「ありがとう、少し借りさせてもらうわ」
そう言って私達は椅子に移った。
そうすると、父が声をかけてきた。
「…お?そいつはナルウルフか?この辺りで出るのは珍しいな」
「そうなの?…でも確かに、あの森で魔獣を見たのは初めてかも」
「どこか別の森から来たのか?何かの予兆じゃないといいが…。それはさておき、ずっと持っていても邪魔だろう。解体しておこうか?」
「本当?ありがとう、お願い」
そう言って渡すと、父はすぐに解体を始めた。やはり冒険者歴も長かったのだろう、手早く解体が進んでいる。
さて、ようやく話し始めようとすると、母がお茶を入れてきた。今は春だけど、入ったばかりでまだ少し肌寒い。だからか、お茶は温かい。
「私も聞いていていいかしら?」
「ええ。と言うより、むしろ聞いていた方がいいわ」
「そうなの?なら、遠慮なく聞かせてもらうわね」
聞いていた方がいい……?ということは、ただ単に会ってみたかったという訳ではなさそうだ。
「さて、じゃあまずは、ここに来た理由からかしら」
私達は頷いた。前置きとかには興味無いし。
「まぁ、理由は単純なんだけど、学園で噂になっていたエンシーちゃんに会ってみたかったって事ね」
「どんな噂だったんですか?」
「今の2年生に剣がとても上手い子が居るんだけど、その子に勝ったっていう噂ね。でも噂って言ったけど、実際にその子も話していたわ」
学園の生徒に私が勝った?でも、王都に行った記憶なんて無いし……。
……あ、もしかして。
「もしかして、ロイズって名前の人ですか?」
「あら、心当たりあった?剣士学科の子だから名前は知らないけど、たぶんその子ね」
ロイズは学園に通っていると言っていたはずだ。恐らく間違いない。
そんなことを考えていると、視界の端でエイリーが少し羨ましそうに私を見ていることに気がついた。恐らく、相手が剣士だったからだろう。剣の扱いはエイリーの方が圧倒的に上手いし。
「エンシー、いつの間にそんな人と戦ってたの?それに勝ったって……」
「確か半年くらい前かな。確かに勝ったけど、かなりギリギリだったよ。一瞬反応が遅れてたら負けてた」
「半年前でそんな強さがあったのね……。ギリギリだからどうとかいう話じゃないわよ、それ」
前に向き直ると、カルミが呆れたような顔で私を見ていた。
まぁ、言われてることは何となくわかるけど。あの時にロイズの強さは教えて貰ったし。
「聞いている限りでは、学園では1位か2位、王都でも騎士団等の大人も含めて10位~20位くらいらしいわ。そんな子に勝ったなんて、天才以外の何者でもないわよ」
「エンシー、そんなに強くなってたのね。嬉しいけど、だからって無茶したりしちゃダメよ」
「うん、それは大丈夫。いつもの森以外には行かないようにしてるし」
……うん、行ってない。今日は普段は行かない森の奥まで行ったけど、いつもの森はいつもの森だし。大丈夫……だよね?
「さて、ここからが本題よ」
カルミはさっきまでとは打って変わって、真面目な顔つきになっている。なので、私も姿勢を正して聞くことにした。
「エンシーちゃん……場合によってはエイリーちゃんもだけど、学園に入る気は無いかしら?」
私達は、カルミを連れて家に帰ってきた。
「お父さん、お母さん、お客さんに入ってもらっても大丈夫?」
「お客さん?あぁ、いいぞ」
「いいわよー」
許可は貰ったので、カルミも呼んで入ってもらった。
「お邪魔します……あら?」
「カルミじゃないの、久しぶりねー」
「おお、カルミさんか」
「あれ?知り合いなの?」
カルミに入ってもらうと、母が駆け寄ってきた。見ている感じ、友人のようだ。
「私の学生時代からの親友よー。まさか来てくれるなんて思わなかったわ」
「私もここがホーマ家だなんて思わなかったわ。引っ越したなら連絡くらいくれればいいのに。いきなり居なくなって心配したんだから」
「あー、あの時はちょっと慌ただしくてね。手紙を書く余裕が無かったのよ」
カルミはかなり怒っているようだ。母は申し訳なさそうな顔で返事をしていた。どうやら本当に余裕が無かったらしい。
「でも、知らせなかったのにどうしてここがわかったの?」
「あぁ、もともとはあなた達に会いに来たわけじゃないのよ。用があったのはエンシーちゃん。森でたまたま会って、外で話すのもあれだから、家で話しましょうって言われてね」
カルミは何かを誤魔化すような顔で話している。恐らく、ナルウルフに襲われて怪我をしていた事だろう。
でも確かに、教師になれるほどの魔法使いが魔獣1匹に怪我を負わせられるのは恥だろうし、誤魔化したくもなるだろう。
「そうなのね。なら、椅子にでも座って話したらどうかしら。ダイニングテーブルと椅子くらいしか貸せないけど」
「ありがとう、少し借りさせてもらうわ」
そう言って私達は椅子に移った。
そうすると、父が声をかけてきた。
「…お?そいつはナルウルフか?この辺りで出るのは珍しいな」
「そうなの?…でも確かに、あの森で魔獣を見たのは初めてかも」
「どこか別の森から来たのか?何かの予兆じゃないといいが…。それはさておき、ずっと持っていても邪魔だろう。解体しておこうか?」
「本当?ありがとう、お願い」
そう言って渡すと、父はすぐに解体を始めた。やはり冒険者歴も長かったのだろう、手早く解体が進んでいる。
さて、ようやく話し始めようとすると、母がお茶を入れてきた。今は春だけど、入ったばかりでまだ少し肌寒い。だからか、お茶は温かい。
「私も聞いていていいかしら?」
「ええ。と言うより、むしろ聞いていた方がいいわ」
「そうなの?なら、遠慮なく聞かせてもらうわね」
聞いていた方がいい……?ということは、ただ単に会ってみたかったという訳ではなさそうだ。
「さて、じゃあまずは、ここに来た理由からかしら」
私達は頷いた。前置きとかには興味無いし。
「まぁ、理由は単純なんだけど、学園で噂になっていたエンシーちゃんに会ってみたかったって事ね」
「どんな噂だったんですか?」
「今の2年生に剣がとても上手い子が居るんだけど、その子に勝ったっていう噂ね。でも噂って言ったけど、実際にその子も話していたわ」
学園の生徒に私が勝った?でも、王都に行った記憶なんて無いし……。
……あ、もしかして。
「もしかして、ロイズって名前の人ですか?」
「あら、心当たりあった?剣士学科の子だから名前は知らないけど、たぶんその子ね」
ロイズは学園に通っていると言っていたはずだ。恐らく間違いない。
そんなことを考えていると、視界の端でエイリーが少し羨ましそうに私を見ていることに気がついた。恐らく、相手が剣士だったからだろう。剣の扱いはエイリーの方が圧倒的に上手いし。
「エンシー、いつの間にそんな人と戦ってたの?それに勝ったって……」
「確か半年くらい前かな。確かに勝ったけど、かなりギリギリだったよ。一瞬反応が遅れてたら負けてた」
「半年前でそんな強さがあったのね……。ギリギリだからどうとかいう話じゃないわよ、それ」
前に向き直ると、カルミが呆れたような顔で私を見ていた。
まぁ、言われてることは何となくわかるけど。あの時にロイズの強さは教えて貰ったし。
「聞いている限りでは、学園では1位か2位、王都でも騎士団等の大人も含めて10位~20位くらいらしいわ。そんな子に勝ったなんて、天才以外の何者でもないわよ」
「エンシー、そんなに強くなってたのね。嬉しいけど、だからって無茶したりしちゃダメよ」
「うん、それは大丈夫。いつもの森以外には行かないようにしてるし」
……うん、行ってない。今日は普段は行かない森の奥まで行ったけど、いつもの森はいつもの森だし。大丈夫……だよね?
「さて、ここからが本題よ」
カルミはさっきまでとは打って変わって、真面目な顔つきになっている。なので、私も姿勢を正して聞くことにした。
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