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近距離魔法使いの異世界冒険記 ~妹と二人で転生しました~

駄菓子オレンジ

第13話 対策と、会議

 狩った鹿を適当に解体した私は、近所におすそ分けしながら家に帰った。最近は狩る頻度が高くなったので、私達だけでは消費しきれなくなったのだ。
 家に着いた頃には、一晩で食べ切るのにちょうどいい量になっていた。

「ただいまー」
「おう、おかえり。……今日は鹿か、久しぶりに狩ってきたな」

 確かに、しばらく大人しい動物は狩っていなかったかもしれない。一方的に攻撃してもつまらないし。
 そういえば、と思って周りを見渡すと、母とエイリーが見当たらない。

「あれ?お母さんとエイリーは?」
「本を買いに行ってるぞ。職業を貰ったとはいえ、それで何でもできるようになる訳ではないからな」

 なるほど、職業は製薬士だったから、薬の作り方とかを学べる本を買いに行っているのだろう。

「だが、そろそろ帰ってくる頃だな」

 父が言ったとほぼ同時にドアが開き、2人が帰ってきた。

「ただいまー。あ、エンシーも帰ってきてたんだ」
「ただいま。あら、今日は鹿なのね。今日はお鍋のつもりだったから、一緒に入れちゃおうかしら」
「「「賛成!!」」」

 母は料理がとても上手い。料理店を開けば、確実に長蛇の列ができるだろうと思えるほどの腕前だ。更にその中でも鍋料理は一際得意なようで、頰が落ちるだけでは済まない美味しさ。
 そんな母が鍋を作るとなれば、もうこの家には誰1人止める者はいない。しかも久しぶりだから、止めようなんて考えは一切湧いてこない。

「それじゃあ、早速作り始めようかしら。エイリー、今日はどうする?」
「うーん、今日は待っていようかな」
「そう?なら、作ってくるわね。久しぶりだから、張り切っちゃうわよー」

 母は私から鹿肉を受け取り、キッチンへと消えて行った。
 さて、エイリーが料理をしないのなら、1つしたい事がある。

「ねぇエイリー、ちょっと部屋でしたい事があるから、手伝ってくれない?」
「うん、いいよ。私もちょうど、エンシーとしたい事があったから」

 不思議そうな目で見てくる父をスルーし、私達は部屋に入った。

「で、やりたい事って何?」
「私の遠距離への対策を考えたいの」

 1人でもできる事だけど、2人居た方が都合がいい。

「あ、それ私も言おうと思ってた事だ」
「……双子ってこういう事なのかな」
「そうかもねー」

 考えている事が同じだとは思わなかった。でも、前世でもいつも私の事を想って行動してくれていたので、変だと思ったりはしないけど。
 結局今日は「弓などの武器を使う」と「魔法で物を飛ばす」の2つの案が出ただけで終わった。具体的な事は明日考えようと思う。
 ……鍋が出来たからには、食べない訳にはいかないし。



 さて、次の日。朝ご飯を食べてから2人で、部屋に篭って色々と考えている。

「やっぱり物を飛ばした方がいいよね。弾が何でもいいなら、その場で補充できるし」
「そうだね。更に言えば、物理的な衝撃で飛ばせた方がいいかも。魔力の消費を抑えられるし」

 魔法だけで加速させようとすると、かなり魔力を消費する。そうするより、大砲のように魔法で爆発を起こして飛ばす方が圧倒的に消費が少なくなる。どうやら、物体に直接作用する魔法は効率が悪いらしい。

「だったら……爆発で飛ばしたり、結界の中で水を水蒸気に変えて、その圧力で飛ばしたり?」
「爆発は威力を集中させるのが難しいから無しかな。でも、水蒸気はありかも……あ、いや、駄目か」
「どうして?」
「毎回水を使うとすると、必要な分を周りから集めようとすると大変だし、自分達で持ち運ぶとしても別の用途で使うこともあるし。でも、だからといって魔法で生成してたら魔力の消費が多くなりすぎるし……って感じで問題が多すぎるんだよね」

 魔法で物質を生成しようとすると、魔力の消費が多い上に、ほかの魔法と比べて時間もかかる。なにせこの魔法は最近開発されたばかりで、研究があまり進んでいないのだ。

「そっか……なら、別の使い道が無くて手に入れやすい物を火薬にしないとダメだよね」
「そんなに都合のいい物ってあるのかな……」

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