落ちた勇者は這い上がる〜目醒めた俺、世界最強〜
朝食の時間
ーーーコンコンコン、コンコンコン
「レイ様、起きて下さい皆さま集まっておりますので」
「お、あう…あ、はい」
目を擦らながら眠気を吹き飛ばす為に洗面台に向かい顔を洗う。鏡に映る自分を見る。醜く太り、ニキビなどが酷く目立つ。
「まだですか?」
「すいません、今行きます」
急いで、戻り制服に着替える。
「お待たせしました。すいません」
「うっ……あ、大丈夫ですよ」
今、『うっ』って言われたよな。まあ、この容姿なのが問題だしな。仕方のないことか……
「では、行きましょう」
ーーーコツンコツンと先導して歩いてくれる
「デブが来たぞ、おい」
「メイドの顔が、ひきつってんぞw」
「かわいそーw」
ーーーざわざわと話が広がる
「コホン!」
「「「…………」」」
視線が、王様に集まる。
「では、話を始める。この後、スターテスの確認と魂創具を渡す。とりあえず、朝食を食べてくれ食べ終わったら総合訓練所に集まってくれそこで騎士団長がいるのでな、後は頼んだぞ」
王様は、あたりの執事なメイドにめを向けた。
「「「御意」」」
そこで、朝食が運ばれてきた。そこで、時が来たと言わんばかりに一人の男子が飛び出す。クラスの、給食委員長こと食堂 渡だ。
「それでは、みんな手を合わせましょういただきます」
「「「いただきます」」」
ーーーみんな、黙々と食べ続ける
食後のことだった。俺は、油断していた。異世界に来たからといじめがなくなるわけないのに、そう俺のいじめの主犯『石田 春人』が……
「よう、豚ちゃん俺の残りのスープあげるよ。ほら、受け取れよ」
ーーーびちゃぁぁ
残りのスープを頭からかけて来たのだ。すっかり、頭と制服はビッチャビチャにスープで汚された。
「はっはは、あぁごぉめぇん手が滑っちまった。でも、豚ちゃんそっちの方がお似合いだぜ。お前には、このスープも贅沢過ぎか?」
「「「くっくっふふふ」」」
周りは、クスクスと笑う。
周りのメイドも笑いを堪えていた。
悔しい、悔しい、悔しい
レイの心は、悔しさでいっぱいだった。そして、唇を噛んだ。涙を堪えるように顔を歪めた。唇からは血が流れる……
「「「はっはっはははは」」」
大きな声でみんな笑い出した。
何が、面白いのだろうか人が苦しんでるの見て何が楽しいのだろうか。そこに、どこからか帰ってきた奈緒さんが帰ってきた。すると、こっちへ顔色を変えて来た。
「大丈夫か、レイくん。これを使ってくれ」
奈緒さんは、胸ポケットから白いハンカチを出して微笑みかけてきた。
「でも、汚れてしまいますよ…」
「大丈夫だ、使ってくれていい…」
「東屋さん、えーっとアレですよアレ、そう、手が滑って…」
石田が弁解しようと必死になる。
「なんだい、石田くん…」
帰ってきたのは、軽蔑と冷たい視線だった。周りの野次馬は東屋の視線で顔を背ける。
「くっ、お前のせいだ(ボソッ)」
石田は、そう言い残して自分の席に戻った。
「コホン、朝食は食べ終わりましたね?では、移動するので付いてきてください」
この後、レイは絶望することを知らない。
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