伝説の賢者は俺の親友のようです。

ソリィ

最終話 2人の帰還

最終話です。3人称になります。


あれから数年が経った。
雹の側近であるエルフの協力もあり、無事に魔王討伐を成し遂げた光は、雹と共に帰還陣の前に立っていた。
  
「いっでらっじゃいまぜ……」
鼻水や涙で顔をぐちゃぐちゃにした側近が、なんとか見送りの言葉を掛ける。
「ああ。二度ある事は三度あるとも言うし、そんなに泣くな」
どうにか側近を泣き止ませようと、光がおろおろとしている横で、雹はどうでもよさそうに欠伸していた。
「彼女がこうなったら落ち着かせるのは無理に近いし、早く帰ろうよ」
「うー、分かった」
少し不満げにしながらも、雹の言葉で光は側近を泣き止ませるのを諦めた。
「じゃあ、帰ろう。地球へ」
ぎゅっと光を抱き寄せ、雹は帰還陣の中央へ向かう。
「……そ、そうだな」
中央に密着して立ち、側近に合図を送る。
しっかりと中央に居るのを確認し、陣の外に居る側近が、陣を起動する。
  
「ヒョウ様、ヒカル様! お元気で!」
「ああ、キミこそ」
「うん。後を追うならちゃんと対策してからにしなよ?」
陣から光が立ち上り、光と雹を包み込み――。

 *********

地球に帰った2人は、そのまま結婚した。
2人はまだ高校生であったため、しばらくは恋人として付き合っていたが、2人が大学を卒業した年に、結婚。
同居し始めてから2年が経つ頃には長女・風香が生まれ、それからも子に恵まれたという。

END


 裏設定コーナー
 ・今回は後日談です。
 
 ・結婚後の苗字:雹があっさりと婿に入り、空澄になりました。結婚後は空澄雹と名乗ってたって事です。
 
 ・家族構成:光と雹の間には、何人かの子供が生まれました。女、女、男、男、女、男の順に6人です。
 なお、全員がなんらかの超常現象を起こせます。異世界仕込みの魔法です。次男と3男と3女は能力持ちですが、普通に魔法も使います。
 長女・風香《ふうか》は能力持ちの一般男性と結婚。二世帯住宅的な感じである雹んちに住んでます。風魔法に高い適性を持ち、名前もそこから付けられました。黒髪ストレートに鮮やかな緑色の瞳、賢い子ですがお転婆娘でもあります。
 次女・実花《みはな》は異世界の男性と結婚。夫が地球で暮らす事は無理(中規模国家の王子。1人息子で彼が王位を継がないと周辺諸国と戦争が起きる)であったため、異世界に移住。地球では外国人に嫁いで外国に移住したことになってます。2,3年に一度は夫と子供を連れて顔を出してます。植物魔法に高い適性を持ち、名前はそこから名付けられました。
 長男・アルヴィレは側近のエルフと結婚。仕事の関係で隣町ですが、普通に地球に住んでます。エルフの耳は隠蔽していますが、「エルフを彷彿とさせる美貌のご婦人」として話題になってます。
 次男・ビルスは長女の夫の姪と結婚。長女と同じく雹んちに住んでます。妻の女性は光が召喚した異世界に召喚された事がある人で、ちょくちょく長女の助っ人に異世界に行ってます。子供も付いてって助っ人やってます。次男の能力(テレポーテーション的なもの。知ってる所ならどこでもいける。世界間転移も可能)で仕事に行ってるという事になってます。子供も一緒なのは次男の妻に付いてってるって事になってます。土魔法の建造系に高い適性を持ち、芸術センスも良いです。名前は魔法適性から決めたそうです。
 3女・時奈《ときな》は次女の夫の甥と結婚し、地球に住んでます。彼は次女が嫁いだ国の隣の小国の王子ですが、王様が子に恵まれていたため、王位継承権を放棄して地球に移住しました。近くの町に居を構え、生活しています。時操作の能力持ちで、魔法も時空系の適正が高いです。名前はそこから付いたそうです。
 3男・ビュームは魅了系の能力持ちであったために、ハーレムを築き、30代までを独身で過ごします。が、彼の所業に呆れた父親(雹)がある女性(3男より2つ年上の異世界人)とほぼ強制的に結婚させ、彼女に手綱を握らせました。なんだかんだ言って幸せに暮らしたそうです。
 名前が西洋と日本で混じってるのは、作者が日本風の名前を考えるのに力尽きたからです。綺麗に男女で別れたので、建前(設定)としては、光と雹が男は異世界(外国)風、女は日本風にする、と決めたからとしますが。だって男の子の名前って難しいんだもん……。
 
 
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