幼馴染を追って異世界へ 〜3億課金した最強アカウント × 【超重力属性】を使って〜

甲殻類

4話 win the lottery

 あれから、俺らは毎日のようにOOPARTSオンラインにログインしていた。
 学校が終わればすぐに帰宅し、夜遅くまでやり続ける。


 CRには設定時刻をすぎると勝手に睡眠に切り替わるシステムが付いていて、夜更かしはできないようになっている。


 夜勤務で朝、昼型の人は運営にその証拠を送り設定を変えてもらわなければならない。
 そのくらいの徹底ぶりである。


 他にも健康管理系のシステムはいくつか付いているので安心だし、面白い機能が多い。


 そんなこんなで、1ヶ月がったある日。


 4時間目のチャイムが鳴り授業が終わる、お昼ごはんを食べようと旧校舎の使われていない教室へ行く。


 ここは、俺らがいつも昼ごはんを食べる場所で誰もいないので気楽にご飯を食べられる。


 教室や階ごとの踊り場は人が多いので俺たちはわざわざここまで来ている。


 いつもはけんの方が先に来ていることがほとんどなのだが、今日は俺の方が早くついたみたいだ。


 俺はカーテンを開け、けんを待ちつつ本を読む。


 流石に先にご飯を食べるのは気がひけるので本を読んで時間を潰す。









 あれから15分以上が経っていた。


 一向に来る気配がない、トイレに行ったとしても遅すぎるし用事があるなら連絡のひとつくらいくれるだろうしどうしたんだろうか。


 すると、扉が開いた。
 そこには、間の抜けたような顔をしたけんが立っていた。


「けん、大丈夫か?」


 けんは飴を舐めず間違ってそのまま飲み込んでしまったように驚き、こちらを見据える。


「話したいことがあるんだけどいいかな」


「お、おう。なんだい」


 なんか怖いこんなけんを見たのは初めてかもしれない。


 お互い深呼吸をして息を整える。


 「実はね……」


















































「宝くじ1等に当選してたんだ」


































 静寂が辺りを包む。聞こえるのは鳥のさえずり、そして外から聞こえる同じ学生の声。


 もう何分たったのかわからないそれぐらいの驚き。人は本当に驚くと声も出ない、よくテレビとかでもやっていたが本当にそうなるとは。


 ここで静寂を破る。


「嘘だよな」


 俺は祈る。けんは嘘をつくタイプじゃない、新手のドッキリかと思ったがこの顔を見る限り嘘じゃなさそうなんだよなぁ(俺調べ)


「嘘じゃないよ。今日の3時間目の授業の途中携帯にメールが入ったんだよ宝くじから」


「最初は迷惑メールだと思ったよ。けどリンクから宝くじのサイトへ飛んででログインして確認してみたけど本当だったんだ」


 そう言ってけんは画面を見せてくる。


「この間、1枚だけ買った宝くじが当たってたんだよ!」


「まじかよ!!!! 1等っていくらだったけ?」


 普段そんな大声を発しない2人だが狭い旧校舎の1室で子供のようにはしゃぐ。


「な、な、7、7、7億だよ〜!!!!!!」


「ま、ま、まじか7億かぁ!!」








 というやりとりを数十分大声でやったあと、やっと落ち着きを取り戻していた。


 今は弁当を黙々と食べている。そりゃ人間どんなハプニングがあろうと腹は減る。


 「♪♪♪♪♪」
 そして、チャイムがなる。
 興奮冷めやらずにそのまま5時間目の授業へ向かった。






 帰宅後、俺はベットの上でさっきのことを考えていた。別に俺が当たったわけではないから本人よりは早く興奮から冷めた当然のことだ。


 それに今は嫉妬心の方が強い、そりゃこんな身内に宝くじ当たったんだ妬みたくもなる。


 今日ゲームにログインしたら絶対いつも通りの感じで話せなくなるからなぁ、絶対顔に出てしまう。


 こんなことを思う自分に腹をたてつつ、はぁとため息をつき俺はぼーっとしていた。


「最悪だ」




 明日からどんな顔してどんな風に接すればいいのかわからない。


 いつも通りを出すのが案外難しいことを今になって実感する。


 俺は携帯を取り出し、1件の宝くじメールが目に入る。


 宝くじの当選結果は当たらなかった場合や、300円当選、5000円当選と内容によってメールの文章が違う。


「そういえば、俺もけんと同じ場所で宝くじ買ってたっけ」


 ふとそのことを思い出す。だがけんも買っている場所だ、同じ場所で2つ出るなんてまずないだろう。まぁ、どんな結果でももう驚くことはない、どうせ明日が憂鬱なのは変わらないのだから。


 そう思いながら、メールを開き半ば諦めて文章を上から目で追う。
 文章の真ん中の辺りで読むのを止める。


「おい、嘘だろ……」


 そこには、当選おめでとうございますという文字があった最初は300円かなんかがたまたま当たったのかと思ったが違った。その額がとんでもなかったのだ。


「10億」


 俺はそれ以上画面を見れず、携帯を落としてしまった。


 こんなことあるのか、あんな辺鄙な場所の宝くじ売り場で2人も当選者が出るなんて。


 俺は落とした携帯を拾いもう一度確認のためにメールを見返す。


 明日には振り込まれるむねが書いてあり間違いはなかった。今の顔はかなりきもいくらいににやけいるに違いない。


 だが1つ問題があった……このお金どうすべき?






 ♢♢








 結局昨日は寝れなかった、あの後布団の上でゴロゴロしながらずっとにやけていた。
 そしたらもう朝だ。


 そして、このお金をどうするかだが、ぶっちゃけ1人じゃどうにもならない。だか
から母さんと一葉に相談することに決めた。


 だが、この話を2人に切り出した途端、一葉は泡を吹いて倒れその日は学校を休み、母さんは全力疾走で会社に出かけて行った。
 どうやら選択を間違えたようだ。


 だが、その日の夜やっと落ち着きを取り戻した2人と夜ご飯の時に再び話し合った。


「それで、どうすればいいと思う?」


「お、お兄ちゃんの好きに使えばいいと思うよ」
「一葉に同意だな」


 と、2人揃って完全にこの一点張りだ。ちなみにけんにこのことは伝えたんだけど、結局けんも使い道に困ってて考えてる最中らしい。


 よしもういいや。俺は内心どうでも良くなり1つ提案する。


「2人に7億を渡すよ。これまでの感謝としてね」
「3億は俺が使ってもいいかな?」


 まぁこれだけ聞いたらとんでもない会話である。


「そんなにいいのお兄ちゃん」
「生活費に困らなくなるのはありがたいが……」


 2人とも戸惑いの表情を隠せていない。
 まぁ一葉の場合はまだこの金額を持つには早いから母さんに預けることにはなるけど(俺も早いな)


 そして、その後3人で決めたことが3つある。
1、このことは決して他の人には言わないこと(けんにはもう言ったけどあっちも当たってるからあんま関係ない)
2、生活水準はこのままでいく(お金があるからといってだらけるのは良くないという母さんの意見だ)
3、俺と一葉そして母さん3人ともちゃんと働くこと(これも母さんのいいつけで俺ら2人は将来的に、そして母さんは自分への戒めだろう)
 以上の3つを守ることを誓いました。
 過去最大とんでもない夜ご飯になった。




 次の日、いつもの昼ごはんの時間帯。


 俺たちはいつもの場所、旧校舎で昼ごはんを食べていた時だった。
 けんが突然とんでもないことを言い出した。


「宝くじの使い道さ、親に7億の内の4億渡したんだ」


 ここまでは、俺と同じ使い方をしていたので安心したのだが、次が問題だった。


「残りの3億OOPARTSオンラインの課金に使おうと思ってるんだ」


 なんの気もないように笑いながらそう言ってくるから困る。


「お、おう」


 そんな俺の気を察したのかけんは続けて言葉を足す。


「そ、そりゃ一気に使うわけじゃないよ〜、ゲームに課金してもそんなに使いきれないからね」


 うん、やっぱりそう変わんなかった。結局課金はするらしいです。
 この子、やると決めたらテコでも動かないからもう何も言いません。






♢ ♢








 その日の学校終わり、俺達はOOPARTSオンラインに課金していた。
 え?そりゃするでしょ課金。


 最初の課金額は5万から、恐らく月10万くらいになりそう。
 それに、バイトも辞めずにやってるから普段の生活費用は問題なし。


 OOPARTSオンラインは様々な課金要素があるので恐らくこれからもっと課金額は増えていくだろうなぁ。


 基本OOPARTSオンラインは結社<クラン>に入って多人数でチームを作って連携したりすることでクエストやミッションをクリアしていく。
 だが、俺たちは基本デュオで結社に入らずクエストをこなしていた。


 個人戦闘力ならランキングトップ10入りをしていたぐらいだ。






 課金を初めて、何ヶ月かたったある日。
 OOPARTSオンラインにログインしていつものようにクエストやその他もろもろの事を2人でこなしていると、1通のゲーム内メールが届く。


 その内容は、結社を俺らと一緒に立ち上げたいというものだった。
 これまでは、何通か入ってくれないかというお誘いは何回か来たが、新しく設立するという内容は初めてだった。


 正直最初はあんまり乗り気じゃなかったが、送ってきた相手はソロでやるのがきついので助けて欲しいというものだった。


 なぜ、2人だけにこだわるかというと結社に入ると誰がどのくらい課金しているかわかるシステムになっている(おおよその課金額がわかる)


 俺らはとんでもない課金をしていくのであんまり人に見られたくなかった。
 チームを組むだけなら問題ないんだけどねぇ、めんどくさい機能である。


 それに、そいつは回復職<ヒーラー>らしく、社会人で課金も俺らほどではないがしている。俺ら的にもヒーラーはありがたいし1人くらいなら大丈夫だろうという事で3人で話合い決まった。


 俺らは高校の帰宅途中、結社の名前を考えていた。


 あれから、結社についていろいろ話し合いまずは結社の名前から決める事にした。


 相手は俺らに一任するって言っていたが、流石に2人だけで決めるのじゃあ気がひけるの


で3人でいくつか候補をだしてその中から多数決で決めることになった。




「どんなのにしようか?」


「ふふふ、僕はもう決まっているのだよ」
 何!もう決まっているだと。


「そう! ずばり【笹団子団】だ」


 けんのセンスは世界を見ても稀に見る才能の持ち主であるな、うん違うな。


「今絶対ないだろって思ったでしょ」


 けんがズバリ言い当ててくるので内心意表をつかれ一瞬ドキッとするがなんとか立て直す。
 しかしながら人の意見を否定しておいて、俺は名前を一切思いついていなかった。


 こういうのは昔から苦手で何か決めろと言われると弱かった、優柔不断というやつだ。


 ある程度案を出すのだが、これはないと自分の中で切り捨ててしまい意見をあまり表に出したことがない。


「なんと言われようと僕は笹団子団でいくからね!」


 あーこうなると何を言っても聞かなそうだ。こりゃ笹団子団に決定だな。


 内心ため息をつきつついつもの帰路を幼馴染と歩く。


「了解」



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