伝説の遊騎士
試験~黒夜side2~
いきなり自分の周りに広がらせていたエクアが暴れ始める。
その違和感で俺はその感じのする方を向いた。
それとほぼ同時で無意識のうちに違和感のある場所からの直線上から体を移動させるために横に飛ぶ。
それは本当に無意識の行動だった。
飛ぶ瞬間、ほぼ同じタイミングで今まで俺が居たであろう場所に臙城が刀を構えて落ちてきた。
油断していた。
思いの外、あの男の事を考えるのが楽しかったから。
だからその他の事が疎かになってしまっていた。
いつも通りなら完璧に避けられたはずの攻撃でかすり傷を作ってしまう。
だがこれくらいは問題ではなかった。
すぐに崩れた態勢を立て直して臙城を見る。
だが遅かった。
流石に十二家の中の1つである臙城家の人間だ。
こちらに隙を与えず攻撃してこようと俺が顔を上げた時にはもうこっちに接近してきていた。
「クッ・・・」
思わず苦虫を噛み潰したような声にならない声が出てしまう。
正直この状態で臙城との接近戦は最適ではなかった。
あきらかに臙城側に分がある。
その証拠に臙城に反撃する暇を与えてもらえない。
何とかこの場を持ち直そうと臙城の斬撃を避けながら辺りを見回す。
そして1つの方法を重いついた。
臙城の斬撃をギリギリで避けながら黒夜は目的の場所を目指す。
その意図が臙城にバレないように上手く隠しながら。
そして作戦は成功した。
臙城が導かれた場所。
そこは・・・最初に黒夜が楓の技を防ぐために創った壁のあった場所だった。
だが今は壁はない。その代わり、地面には今も黒夜のエクアが漂っており詠唱なしで技を発動させることのできる絶好の位置だったのだ。
その場を臙城が踏んだ瞬間、黒夜は指を振るう。
すると臙城の足元のエクアが蕀の様に伸び、臙城の足に巻き付く。
臙城は驚いたような顔をして足元を凝視していた。
その様子は可笑しくて仕方がなかった。今までの斬撃の繰り返しで臙城の必死さがわかっていたから。
だからこそこちらの意図したように動き、こちらの思ったままに作戦にハマってくる。
その様子が滑稽だった。
ただそこであろうことか臙城は自分ごと足元を爆発させたのだ。
その行動には思わず驚いてしまう。
まさか自分ごと爆発させて俺のトラップを抜け出すとは考えていなかったから。
さらに臙城はその爆発を利用してこちらに一気に近づいてきた。
だがもう攻撃を受ける準備は出来ていた。
「剣よ」
その一言で右手にエクアが集まり、黒く細長い剣が創られる。
俺はその剣で刀を受け止めた。
(反撃の時間だ)
頭の中でスイッチが入る。
黒夜という男は戦いが好きだった。
それは純粋な力の差を見せ付けることができるから。
それは最後に立っていたものが正しいという単純なものだったから。
それは自分が自分らしくあれる唯一の時間だったから。
先程まで臙城にやられていたように黒夜は剣を振るった。反撃出来ないような速さで。
その一撃、一撃を援助はしっかり防いでくる。
「お前がそっちにいてくれて良かったよ。お陰でなかなか楽しめた」
気分が良くなりそんな事を口走る。
思わず笑みもこぼれた。
それほどこの時間が黒夜にとっては心地よかったのだ。
そして黒夜は臙城を刀ごと弾き飛ばした。
視線だけで抗ってくる臙城。
だがそんなもの何にもなりはしない。
「もう少し粘ってほしかったんだが・・・まぁ仕方ないか」
それだけ告げ、俺は臙城に剣を振り降ろした。
その違和感で俺はその感じのする方を向いた。
それとほぼ同時で無意識のうちに違和感のある場所からの直線上から体を移動させるために横に飛ぶ。
それは本当に無意識の行動だった。
飛ぶ瞬間、ほぼ同じタイミングで今まで俺が居たであろう場所に臙城が刀を構えて落ちてきた。
油断していた。
思いの外、あの男の事を考えるのが楽しかったから。
だからその他の事が疎かになってしまっていた。
いつも通りなら完璧に避けられたはずの攻撃でかすり傷を作ってしまう。
だがこれくらいは問題ではなかった。
すぐに崩れた態勢を立て直して臙城を見る。
だが遅かった。
流石に十二家の中の1つである臙城家の人間だ。
こちらに隙を与えず攻撃してこようと俺が顔を上げた時にはもうこっちに接近してきていた。
「クッ・・・」
思わず苦虫を噛み潰したような声にならない声が出てしまう。
正直この状態で臙城との接近戦は最適ではなかった。
あきらかに臙城側に分がある。
その証拠に臙城に反撃する暇を与えてもらえない。
何とかこの場を持ち直そうと臙城の斬撃を避けながら辺りを見回す。
そして1つの方法を重いついた。
臙城の斬撃をギリギリで避けながら黒夜は目的の場所を目指す。
その意図が臙城にバレないように上手く隠しながら。
そして作戦は成功した。
臙城が導かれた場所。
そこは・・・最初に黒夜が楓の技を防ぐために創った壁のあった場所だった。
だが今は壁はない。その代わり、地面には今も黒夜のエクアが漂っており詠唱なしで技を発動させることのできる絶好の位置だったのだ。
その場を臙城が踏んだ瞬間、黒夜は指を振るう。
すると臙城の足元のエクアが蕀の様に伸び、臙城の足に巻き付く。
臙城は驚いたような顔をして足元を凝視していた。
その様子は可笑しくて仕方がなかった。今までの斬撃の繰り返しで臙城の必死さがわかっていたから。
だからこそこちらの意図したように動き、こちらの思ったままに作戦にハマってくる。
その様子が滑稽だった。
ただそこであろうことか臙城は自分ごと足元を爆発させたのだ。
その行動には思わず驚いてしまう。
まさか自分ごと爆発させて俺のトラップを抜け出すとは考えていなかったから。
さらに臙城はその爆発を利用してこちらに一気に近づいてきた。
だがもう攻撃を受ける準備は出来ていた。
「剣よ」
その一言で右手にエクアが集まり、黒く細長い剣が創られる。
俺はその剣で刀を受け止めた。
(反撃の時間だ)
頭の中でスイッチが入る。
黒夜という男は戦いが好きだった。
それは純粋な力の差を見せ付けることができるから。
それは最後に立っていたものが正しいという単純なものだったから。
それは自分が自分らしくあれる唯一の時間だったから。
先程まで臙城にやられていたように黒夜は剣を振るった。反撃出来ないような速さで。
その一撃、一撃を援助はしっかり防いでくる。
「お前がそっちにいてくれて良かったよ。お陰でなかなか楽しめた」
気分が良くなりそんな事を口走る。
思わず笑みもこぼれた。
それほどこの時間が黒夜にとっては心地よかったのだ。
そして黒夜は臙城を刀ごと弾き飛ばした。
視線だけで抗ってくる臙城。
だがそんなもの何にもなりはしない。
「もう少し粘ってほしかったんだが・・・まぁ仕方ないか」
それだけ告げ、俺は臙城に剣を振り降ろした。
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