伝説の遊騎士

ノベルバユーザー327952

試験~上~

「ここは・・」


教室に創られた聖地ルームを通った先は所々に岩山がそびえ立っている荒野だった。
一緒に居たメンバーは全員同じ場所に出たらしい。
すぐに光がよってきた。
「さぁて、これからどうしようか?楓!」
「何で俺に聞くんだ?」
「?、なんでって、僕は楓についてきたんだもん!僕は楓に従うよ!!」
そんな事を満面の笑みで当たり前の様に言う光。
(いきなりその発言はどうかと思うぞ・・)
そう考えてしまうがなにも言わないでおく。
「はぁー、お二人さんアツいねー!!」
すると案の定、臙城が茶化してきた。その目からは明らかにからかってやろうという魂胆が見てとれた。
しかも、その隣には顔を紅くした風花が黙ってこっちを見ているという始末である。
「ちょっと待て!?そんな訳ないだろーが!」
「いやいやいや、隠さなくていいわよ♪お似合いよ♪ね、奏?」
否定しても臙城は気持ち悪いくらいの笑顔で茶化し続け、さらには話題を振られた風花まで顔を真っ赤にしたまま何度も頷くしまつだ。


これ以上弁解してもムダそうだったので話題を変えようと考えた時だった。
「おいおい余裕だなお前ら!」
「別にいいけど俺たちの足は引っ張るなよ!!」
そう男二人が突っ掛かってくる。
(ナイス!よくやった!)
内心では賞賛を与える楓。
しかし、そんな楓の内心とは裏腹に臙城には二度目の暴言は我慢ならなかったらしい。
「あんたたち二人ともいい加減にしなよ。さすがにいつまでも我慢してる気はないからね」
そう言った臙城の顔には先程のような笑顔はなくなっていた。視線だけで二人を殺してしまいそうな勢いだ。


「ちょっと落ち着けって・・」
臙城を止めようと近づいた瞬間、先程まで楓の頭があった場所を何かが通過して風花の足元に当たる。


「きゃ!!」
風花が小さく悲鳴をあげる。
そんな中、光と臙城だけは冷静にある方向を見定めていた。


「来たね!」
そういうと光は手を何かが飛んできた方向に手を向ける。
すると、その周りに光の粒子が集まり、ものの数秒で拳サイズの大きさになって飛んでいく。


飛んでいった光の塊はそびえ立つ岩山の1つにぶつかり、跡形もなく岩山を消した。


光の弾と入れ替わりでまた何かが飛んでくる。
今度は楓にも見ることが出来た。
銃弾だ。おそらくライフルの類いだろう。
最後の一瞬で撃ち出したのかもしれない。


だが見えてしまえばなんでもない。楓は軽々それを避ける。
臙城と風花も同じように避けていた・・・風花はただ転んだだけのようにも見えたが置いておく。


しかし男二人は見切ることが出来なかったらしい正確には気づけなかったのだろう、それぞれ頭と心臓の位置に弾が当たり消えてしまった。
「消えたぞ!?」
「そりゃ失格したんだから消えるでしょ」


楓の驚きにさも当然のように答える臙城。


「あれだけ私たちをバカにしたんだから消えて当たり前よ!もし残ってても私が消してあげたわよ!!」
まだ根に持っていたらしい・・・コイツ怖いな。
まぁそんなどーでも良いことは置いといてだ。
「もう試験が始まってるなら遊んでても仕方ないし、俺らも行くか。」
そうして早くもメンバー二人を欠いての試験が始まった。






   


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