伝説の遊騎士

ノベルバユーザー327952

出逢い~光~

楓は声を聞いて振り返る。
そこには金色の髪を肩の高さまで伸ばした、楓よりも小柄な男子生徒が立っていた。
端正な顔立ちで女装をさせたら誰もが女の子に見間違えるような子だ。
実際、楓も振り向いた瞬間は女の子と間違えた程だ。
いや、服が男物じゃなかったら間違えたままだっただろう。
立っているだけで気品のようなものが感じられる、そんな感じだ。
ただそんな空気を纏っていながらも近づきにくいという雰囲気はなく、むしろ接しやすい柔らかな雰囲気を持っている。
そんな男子が楓に困ったような笑みを向けて立っていた。
「バンドが巻けないんだけど、手伝ってもらえない?」
「あー、うん。いいよ」
そういってバンドを受け取り、相手の腕に巻きつける。


「ありがとう。助かったよ」
「いいよ、このくらい。気にするな」
そう笑いかけた。
「そーいえば、名前を言ってなかったね。僕は光って言うんだ。ヨロシク!」
そう言って光は手を差し出す。
「あー、おれは楓。如月楓だ」
楓も手を握り返しながら自己紹介を済ませた。
「へー、楓くんか。楓って呼ばせてもらうね」
「おう。好きにしろ」
二人が話始めた所で響が説明を再開する。
「今年の試験は実演試験に決まった。これから聖地ルームを開く。それぞれの縦の列がチームとなるので協力して戦うこと。」
そこまで言い終わると響は手を挙げ指先を教壇に軽く当てる。
すると、響の隣、何もなかった空間が歪み始め、しばらくすると先の見えない黒で埋め尽くされた不気味な入口のようなものが出現した。


「この先は試験場である。入ってしまえばすぐに戦闘開始となるので注意するように。準備の出来たチームから中に行け。」
そう指示を出し、椅子に座る。


全員が呆気にとられ動けないでいた。
そんな中、一人の生徒が挙手する。
「ん?どうした?遠野?」
響が気付き声を掛ける。
その反応を聞き、その生徒は質問をしだした。
「これから先の時間は私達が自由に使って良いということでしょうか?」
「そういうことだな。」
それだけでその生徒の質問は終わる。


それと同時に周りがざわめきだした。
『さっき遠野って言ったか?』
『はぁ?遠野ってあの十二家の遠野か?』


受験生の話し声を聞く限り、さっきの男子生徒は有名な人間らしい。
(ふーん、遠野っていうのか、あいつ。有名なんだな)
楓がそんな事を考えていると光が声をかけてくる。
「縦の列ってことは僕たちは同じチームだね♪」
「あぁ、そうだな」
「一緒に頑張ろうね!!」
そう言って今度は太陽のように明るく笑う。
楓は自分の顔が思わず紅くなってしまったのを感じて顔を背けた。           

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