奴隷を助けたはずが奴隷になったのでタスケテください!
10ー2 三英雄②
霧のヒトガタが、ノアの衣服をつかむ。
ノアが顔をゆがめる。
「うわっ、臭っさ、腐臭がヒドイ!」
————プロメテウスの炎槍、それを霧のヒトガタへ投げる。
槍が胴に刺さった。
ノアの衣服をつかむ手が離れる。
ジェイクの右手がまた光る。
ノアの進む先に、ヒトガタが何体も現れる。
「くっそー、無限に出てくるのか」
そのパターンなら、本体を先に叩けばいい。
炎槍をジェイクへ投げる。
「小僧の魔法など、きかぬ。
——タナトスの霧」
黒い霧が、飛ぶ炎槍を囲む。
そして、それを吸収してしまった。
イアスペトスの砂のタイプか!
————赤爆の磁砂————
大量の赤い火粉を室内へ散布する。
黒い霧がそれを吸収する。
————赤爆の火皮。
赤黒い火が、皮の様に伸びて袋の形になる。
そして、青い火粉を火皮の中にたんまりと詰める。
「ふざけているのか、コゾォッ!」
黒い霧が濃くなってゆく。
犬の顔を持つヒトガタが、何体も現れる。
彼らは、持っている剣で俺を襲う。
「正極と負極よ、引かれ合え」
何もおきない。
剣で衣服を数か所ほど切られてしまう。
吸収ではなく、消滅なのか?
「ヘパイストスの炎剣」
そう言ったポーロが、俺の周囲にいるヒトガタをそれで切り払う。
「ジェイク、彼を殺す気なのか!」
ジェイクはアゴを上げて、冷たそうな目をする。
「いくらおまえでも、タナトスの霧には勝てまい」
ポーロが、炎剣を構える。
「実験は魔法学を発展させるでしょうが、魔法学は人類を幸福にするのが目的です。
目的を見失っては、それこそ狂人ではありませんか」
ジェイクは、歯をかみしめながら息を吐く。
「だから、あのメスを自由にするなど、冗談ではないッ!
俺にはまだ力が必要なのだア!」
黒い霧が、建物をかじるように消滅させてゆく。
床だけが残った。
黒い霧が地面に入ってゆく。
そして、大量のゾンビたちが石の床を割って現れる。
ノアが悲鳴を上げながら走って逃げまわる。
ゾンビたちは、簡単にその進路をふさぐ。
「三人とも、お逃げなさい。私がどうにか足止めをします」
「お気持ちだけ受け取っておきます、俺にひとりで十分ですよ」
黒い霧が、ポーロに近づく。
彼女は、体を一回転させることでそれを切り払う。
だが、黒い霧は完全に消滅しなかった。
「タナトスの霧は、触れたものを操作します。
彼がいま操っているのは、先の大戦の死者たちです」
「じゃ、遠慮なく燃やします」
————赤爆の火球————
赤黒い球体を放つ。
火球はゾンビたちを燃やしつくす。
また、爆発で周囲の建物に傷がつく。
ジェイクが大声で笑い出す。
「霧ッ、霧ッ、キリィッ!」
黒い霧がすぐに付近に充満する。
燃やしたはずのゾンビたちが、再生してゆく。
赤爆でも燃やせないだと!?
ノアが、リーシェを背負って、走りながらゾンビの体当たりを避けていた。
「アカヤ、こっちは僕に任せて!」
赤爆の火球をジェイクへ放つ。
彼はよける様子すらしなかった。
火柱が上がり、老人の姿を燃やし尽くす。
「理解力の低い小僧め、見たら無駄だと分かるだろう」
背後から、ジェイクの声がした。
その瞬間、ポーロが俺とすれ違い、ジェイクを炎剣で切る。
「これ以上は見ていられません」
「ムチャだ、離れて!」
ポーロが、次の攻撃に移ろうとした。
黒い霧が、彼女を貫く。
「使わせてもらうぞ、剣魔の体をッ!」
ポーロが、俺へ一瞬だけ微笑んだように見えた。
彼女はすぐにうつむく。
そして、光る右手を俺に向ける。
「——ヘメラの光」
しまった。
「まさか、禁忌の炎を使えるとはな。しかし、それも先の戦争で対策済みよ」
「対策?」
「ほう、まだ脳が動くのか。お前も実験材料にしてやろう」
黒い霧が、俺の中に入ってくる。
苦しい。
赤爆で黒い霧を燃やす。
確かに燃やす作用は起こったが、霧は燃えない。
タナトスの霧は触れたものを操作する。
ならば、赤爆を操作して、赤爆自身を燃やしているのかもしれない。
やれやれ、だとしたら子供だましもいいところだ。
何かを操作している間は、別のものは操作できないだろう。
「我がタナトスのしもべとなれィ!」
——プロメテウスの火粉、それをジェイクにかける。
また、体内にも発生させる。
「ヘメラの光が、きいていないだと!」
その光ならさっき、燃やしたよ。
時間差で、赤爆の火球を発動する。
タナトスの霧がプロメテウスの火粉と接続した。
いわゆる、魔法同士が結合した状態だ。
この瞬間。
赤爆でそれらの混合物を燃やす。
一瞬で、霧とジェイクは炭すら残さずに消えた。
ノアが顔をゆがめる。
「うわっ、臭っさ、腐臭がヒドイ!」
————プロメテウスの炎槍、それを霧のヒトガタへ投げる。
槍が胴に刺さった。
ノアの衣服をつかむ手が離れる。
ジェイクの右手がまた光る。
ノアの進む先に、ヒトガタが何体も現れる。
「くっそー、無限に出てくるのか」
そのパターンなら、本体を先に叩けばいい。
炎槍をジェイクへ投げる。
「小僧の魔法など、きかぬ。
——タナトスの霧」
黒い霧が、飛ぶ炎槍を囲む。
そして、それを吸収してしまった。
イアスペトスの砂のタイプか!
————赤爆の磁砂————
大量の赤い火粉を室内へ散布する。
黒い霧がそれを吸収する。
————赤爆の火皮。
赤黒い火が、皮の様に伸びて袋の形になる。
そして、青い火粉を火皮の中にたんまりと詰める。
「ふざけているのか、コゾォッ!」
黒い霧が濃くなってゆく。
犬の顔を持つヒトガタが、何体も現れる。
彼らは、持っている剣で俺を襲う。
「正極と負極よ、引かれ合え」
何もおきない。
剣で衣服を数か所ほど切られてしまう。
吸収ではなく、消滅なのか?
「ヘパイストスの炎剣」
そう言ったポーロが、俺の周囲にいるヒトガタをそれで切り払う。
「ジェイク、彼を殺す気なのか!」
ジェイクはアゴを上げて、冷たそうな目をする。
「いくらおまえでも、タナトスの霧には勝てまい」
ポーロが、炎剣を構える。
「実験は魔法学を発展させるでしょうが、魔法学は人類を幸福にするのが目的です。
目的を見失っては、それこそ狂人ではありませんか」
ジェイクは、歯をかみしめながら息を吐く。
「だから、あのメスを自由にするなど、冗談ではないッ!
俺にはまだ力が必要なのだア!」
黒い霧が、建物をかじるように消滅させてゆく。
床だけが残った。
黒い霧が地面に入ってゆく。
そして、大量のゾンビたちが石の床を割って現れる。
ノアが悲鳴を上げながら走って逃げまわる。
ゾンビたちは、簡単にその進路をふさぐ。
「三人とも、お逃げなさい。私がどうにか足止めをします」
「お気持ちだけ受け取っておきます、俺にひとりで十分ですよ」
黒い霧が、ポーロに近づく。
彼女は、体を一回転させることでそれを切り払う。
だが、黒い霧は完全に消滅しなかった。
「タナトスの霧は、触れたものを操作します。
彼がいま操っているのは、先の大戦の死者たちです」
「じゃ、遠慮なく燃やします」
————赤爆の火球————
赤黒い球体を放つ。
火球はゾンビたちを燃やしつくす。
また、爆発で周囲の建物に傷がつく。
ジェイクが大声で笑い出す。
「霧ッ、霧ッ、キリィッ!」
黒い霧がすぐに付近に充満する。
燃やしたはずのゾンビたちが、再生してゆく。
赤爆でも燃やせないだと!?
ノアが、リーシェを背負って、走りながらゾンビの体当たりを避けていた。
「アカヤ、こっちは僕に任せて!」
赤爆の火球をジェイクへ放つ。
彼はよける様子すらしなかった。
火柱が上がり、老人の姿を燃やし尽くす。
「理解力の低い小僧め、見たら無駄だと分かるだろう」
背後から、ジェイクの声がした。
その瞬間、ポーロが俺とすれ違い、ジェイクを炎剣で切る。
「これ以上は見ていられません」
「ムチャだ、離れて!」
ポーロが、次の攻撃に移ろうとした。
黒い霧が、彼女を貫く。
「使わせてもらうぞ、剣魔の体をッ!」
ポーロが、俺へ一瞬だけ微笑んだように見えた。
彼女はすぐにうつむく。
そして、光る右手を俺に向ける。
「——ヘメラの光」
しまった。
「まさか、禁忌の炎を使えるとはな。しかし、それも先の戦争で対策済みよ」
「対策?」
「ほう、まだ脳が動くのか。お前も実験材料にしてやろう」
黒い霧が、俺の中に入ってくる。
苦しい。
赤爆で黒い霧を燃やす。
確かに燃やす作用は起こったが、霧は燃えない。
タナトスの霧は触れたものを操作する。
ならば、赤爆を操作して、赤爆自身を燃やしているのかもしれない。
やれやれ、だとしたら子供だましもいいところだ。
何かを操作している間は、別のものは操作できないだろう。
「我がタナトスのしもべとなれィ!」
——プロメテウスの火粉、それをジェイクにかける。
また、体内にも発生させる。
「ヘメラの光が、きいていないだと!」
その光ならさっき、燃やしたよ。
時間差で、赤爆の火球を発動する。
タナトスの霧がプロメテウスの火粉と接続した。
いわゆる、魔法同士が結合した状態だ。
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一瞬で、霧とジェイクは炭すら残さずに消えた。
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