奴隷を助けたはずが奴隷になったのでタスケテください!

金丸@一般ユーザー

3ー1 リーシェのアザ

馬小屋の様なところで、一泊することになった。

小さなあかりのもと、アンナは木の机で帳簿ちょうぼと、にらめっこしている。

リーシェは、俺の首輪の鎖を握ったまま寝たようだ。

彼女の後髪うしろがみをかき分けて、首のアザを見る。

「奴隷って、首にアザをつけるのか?」

アンナは筆記具をアヒル口の上に乗せながら「つけない」と言う。

「このクビのアザ、なんだと思う?」

アンナはそばまできて、そのアザをランプで照らす。

「これ、なんだったかな、確か……」

リーシェが起きてしまった。

「ふたりとも、なにしてるの」

「ごめんね、アザが心配で見てた」

リーシェが首輪の鎖を引くと、俺は彼女の方へ倒れてあげる。

そして、彼女は俺の頭を抱きしめながら耳元でささやく。

「他の女の匂いがしたら、洗うから」

新月の様な目が、俺を見据える。

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