(チート確定?)保持率0パーセントのスキルを引き当てちゃった件について

ノベルバユーザー329844

7話ノーライフキング 4

                          [闘技場]
『おい!起きろ、、起きろオズ!朝だぞ!』 

『朝........か!早いな』
私は、ルノワールに起こされた。

『今日は、祭りの日だ!いつもとは、違い多くの強者たちが出場するから気を引き締めろよ!』

『祭りの日?』

『そうだ、祭りの日は、いつもの奴隷や犯罪者、亜人達だけでなく、各国の傭兵や、腕に自信がある冒険者などが出場するのだ。』

『そうか、気を引き締めるよ。』
 
ルノワールと会話していると、遠くから足音が聞こえた。

〈カツーン.........カツーン...........〉

それは、この闘技場を管理し、奴隷、亜人犯罪者、そして人攫いにあった者達を監視している者だった。

『お前ら!もうそろそろ祭りが始まる、覚悟しとけよ!』

その言葉が発せられた瞬間、私たち以外の者達つまりは、奴隷や亜人達、犯罪者が騒ぎ始めた。

それは、怯える者や、滾る者、殺意に満ちている者など様々である。

『よっしゃ〜暴れてやるぜ!』

『嫌だ、死にたくないよ〜』

『アイツら...............全員殺してやる!』

怯える者達の大半は、少年少女である。

『今、子供の声がしたのだが?』 

私は、ルノワールに問いかけた。

『あ〜...それは、親に捨てられた子供達だよ。行き場がなくなった子供達は、人攫い達により、ここに連れてこられるんだ!
大抵は、皆魔獣の餌になるんだけどな!』

(やはり世界は、違えど人間というものは、変わらないのだな。そしてこの国もまた腐っている。)


私は、この子供達を憐れんでいると、監視長が、やってきた。

『さぁ、時間だ! 移動するぞ!』

そう言うと全員武器室へ移動した。
武器室の中はとても広く、様々なものが収納されていた。

『オズは、どんな武器を選ぶんだ?』

『私は、これにしようかな!』
私は、昔愛用していた日本刀に似た武器を選んだ。

『そんな薄い刃で戦うのか?』
ルノワールは、少し驚いた様子だった。

『まぁね!』

そして私たちは、闘技場へ向かった。

そこには、ガタイの良い大男や、いかにも歴戦の戦士とわかる風貌をしているもの達が沢山いた。

『しかしここは、暑苦しいな!』

と私は、文句を言うと、実況者らしき人物がこの祭りのルール説明をしだした。

『え〜ルール説明をします。まず、今回の下位魔獣は、200匹を放し最後の1匹は、上位魔獣を放します。
最後にこの闘技場に立っていたものが優勝となり一つだけ願いを叶えてもらう権利を取得できます。
では、ルール説明を終わります。』

説明を終えると、大きな花火のようなものが打ち上がった。

それと同時に魔物が放たれたのだ。 

(...............始まったか)

私は、まず闘技場の端へ場所を移し全体の様子を確認した。

(やはり目立っているな)

それは、驚くべき光景だった。

ルノワールが魔獣を5匹倒し終えた後、休憩を取るかのごとく戦士を10人倒すというまさにバケモノじみた動きだったのだ。

『この世界の人間は、あんな奴が沢山いるのか?それとも単にあいつが強いのか?』

そうこう考えていると、遠くから青年が多くの子供を引き連れて私の元へやって来た。

『君もここで突っ立ってたら魔獣の餌になっちまうぜ!
僕が守ってあげるからついて来な!』

明らかに、何か企んでいるような顔だった。 

『君が私たちを守れるの?そんな風には、見えないけど!』

私は、相手の本当の意図を探り出すため質問を投げかけた。

『おいおい、僕は、この国一番の騎士だぜ!言っとくが僕は、この闘技場に出場している奴らの中でも一番強いんだ!』

(やはりこいつは、俺は強いんだ詐欺だな。ルノワールの戦いを見てよく言えるもんだ。)

『では、僕と一つ剣術で試合をしないか?』

『あ〜わかったよ』
すると青年は、剣を抜き出し構えた。

『じゃーいくよ!』
と言った瞬間、青年の姿が私の視界から消えた。

『な!どこに消えた!』
私は、戸惑ったが深く深呼吸し、気持ちを落ち着かせた。

(足音は、聞こえる。おそらく私の死角から攻撃が来るだろう。)

その瞬間
[ガキーン...]
青年は、いきなり私の目の前に現れ剣を振りかざした。それから第1撃目から2撃、3撃、4撃と流れるように剣を振るった。


私は、その攻撃を全て受け流し態勢を整えるべく、少し少年との距離をとった。

『その剣術は王生剣術に近いけど、君ってもしかして騎士じゃないね?』

青年は、驚いた様子でこちらを見た。

『よくわかったね!そう、僕はこのカーム王国の王子レオベルト=シュタインって言うんだ!』

私は、唖然とした。

『何故、王子自らこの闘技場に出場しているんだい?』

『それはね、この国が腐っているからだよ。』

その青年は、悲しげな笑みを浮かべ答えた。

『君も思い当たる節は、あるだろう?この国は、おかしいと、』

(確かに。)
私は、心の中で納得した。

『だから、僕はこの祭り、、いや、この殺し合いに勝ち、私はこの国の国王になるんだ!』

青年は、真っ直ぐな目で私に言い放った。

『だが、国王になると言っても、ただ優勝しただけでは、無理があるだろう?』 

私は、率直な疑問をぶつけた。

『ああ、そうだな!このまま優勝しても国王には、なれないな...............だが、僕は、この祭りに参加した時点で覚悟は、決めてある。』

『なんのだ?』

『父を殺す覚悟だ!』

(確かに、現国王が亡くなれば自然とこの青年に王位が譲渡されことになるのか。)

『今、父は護衛とともにフィルター付きのVIP席で観戦している。
その隙をついて、僕が今所持しているリボルバーでフィルターごと割って殺すんだ!』

そう言うと青年は、あることに気がついた。

『リボルバーが壊れている!』

青年は、焦っていた。

『すまん、本当に物騒なものが君の胸下のポケットにあったため、2撃目を受け流した瞬間リボルバーだけを破壊させてもらったんだ。』

私は申し訳なさそうな、か細い声で青年にそう言うと悲しげにこちらを振り向いた。

『いいんだ!気にしないでくれ!他の方法を見つけるから。』

そう言うと、青年は子供達の方へ歩き去っていこうとした。

『待て!私に良い案がある!』

私は、その青年を呼び戻し私の案について詳しく説明した。








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